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公開番号2024059045
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166553
出願日2022-10-17
発明の名称GSR素子の製造方法
出願人マグネデザイン株式会社
代理人
主分類H10N 50/01 20230101AFI20240422BHJP()
要約【課題】磁界検出素子と特定用途向け集積回路ASICとしいうとの一体化プロセスにおいて、視認性の高いアライメントマークを用いたGSR素子の製造方法を提供する。
【解決手段】方法は、ASIC基板20上に機能の異なる樹脂被膜を2回に分けて形成する2層樹脂被膜法を採用し、磁性ワイヤ223を配置・固定する溝221を形成する溝形成部22とアライメントマーク形成部23を、樹脂被膜上に同時に形成することと、第一層樹脂被膜に残るASIC基板に由来する凹凸を研磨除去した平坦面に第二層樹脂被膜225を形成することと、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
磁性ワイヤと前記磁性ワイヤを周回する下部コイルと上部コイルとからなる5μm以下のコイルピッチを有する検出コイルと電極配線からなるGSR素子を特定用途向け集積回路(以下、ASICという。)の基板上に直接作製するGSR素子の製造方法において、
(1)前記ASIC基板上にネガレジスト系の第一樹脂被膜を塗布して、平坦で硬い樹脂製の溝形成部とアライメントマーク形成部に第一台座を形成し、
(2)前記第一台座の上に溝深さよりも厚いポジレジスト系の第二樹脂被膜を塗布して第二台座とし、前記第二台座の前記溝形成部には前記磁性ワイヤを配置するための逆台形状の溝(以下、溝という。)を形成するための長方形の凹部と前記アライメントマーク形成部にはアライメントマーク用凹部を形成するための凹部を同時に形成し、キュア熱処理して硬化させるとともに逆台形状の前記溝と前記アライメントマーク用凹部を形成し、
(3)前記溝部にネガレジスト系の樹脂被膜を塗布し、露光、現像して溝部のみに樹脂被膜を残してキュア熱処理によって溝の底部にR形状を形成し、前記溝よりなる前記溝形成部と、アライメントマーク凹部よりなるアライメントマーク形成部に金属膜を成膜し、
(4)前記アライメントマーク形成部の前記金属膜の成膜された前記アライメントマーク凹部と、前記アライメントマーク形成部の平坦面に成膜された反射膜とからなる視認性の高いアライメントマークを用いて、前記金属膜の成膜された前記溝形成部の金属皮膜を前記溝の面に沿って前記下部コイルと、前記溝形成部の平坦面の上部コイル接続部(以下、下部コイルと上部コイル接続部とを下部コイルという。)を形成し、
(5)前記溝の前記下部コイルの上に前記磁性ワイヤを張力付加して配置し、樹脂により前記溝内に仮固定し、さらに張力を付加したままキュア熱処理することで、前記磁性ワイヤを溝に固定し、
(6)前記ワイヤと電極配線を接合するためのワイヤ電極部にある前記ワイヤを被覆している絶縁性ガラスをCF

-RIEにより除去する工程と、
(7)基板全面にポジレジスト系樹脂被膜を塗布し、露光、現像して前記溝と磁性ワイヤ部のみにポジレジスト系樹脂被膜を残し、キュア熱処理して段差部を滑らかにする工程と、
(8)前記樹脂の上部に、オートアライメント機構により前記アライメントマークを用いて前記上部コイルと前記電極を形成し、
(9)前記磁性ワイヤと前記検出コイルと前記電極からなる素子の集合体からなる素子基板を個片化する
ことを特徴とするGSR素子の製造方法。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
請求項1に記載載された工程(2)において、
(2’)前記第一台座の上に溝深さよりも厚いポジレジスト系の第二樹脂被膜を塗布して第二台座とし、前記第二台座の前記溝形成部には前記磁性ワイヤを配置するための逆台形状の溝(以下、溝という。)を形成するための長方形の凹部と前記アライメントマーク形成部にはアライメントマーク用凹部を同時に形成し、キュア熱処理して硬化させるとともに前記溝と前記アライメントマーク用凹部を形成し、さらに前記アライメントマーク用凹部は第二台座をマスクにRIE加工をして第一台座を掘りこむ
ことを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載された工程(5)において、
(5’) 前記溝の前記下部コイルの上に前記磁性ワイヤに張力30~100kg/mm2を負荷して配置し、前記磁性ワイヤを樹脂により前記溝内に埋設し、250~350℃の温度にて張力熱処理して前記磁性ワイヤを固定すると同時にGSR特性の向上を図ることを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項4】
請求項1~請求項3に記載されたいずれか一項において、
前記ネガレジスト系の第一樹脂被膜の膜厚は、前記ASIC基板上の凹凸の3倍以上であることを特徴とするGSR素子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界検出素子と特定用途向け集積回路(以下、ASICとしいう。)との一体化プロセスにおいて、視認性の高いアライメントマークを用いたGSR素子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
高感度磁気センサには、ホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、高周波キャリアセンサ、FGセンサ、MIセンサ、GSRセンサなどがある。これらのセンサのうち、ホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、キャリアセンサは素子とASICが一体化されて小型化、薄型化は実現されているが、検出感度の改善が課題である。
一方、FGセンサ、MIセンサ、GSRセンサは高い感度を有するが、素子とASICが別々に配置されてワイヤボンディングで接合されており、センサの薄型化が課題である。
【0003】
この課題を解決するために、本発明者らは、GSR素子をASIC表面の上に形成する技術開発に取り組んだ結果、センサの小型化、薄型化を実現した(特許文献1)。
特許文献1にて、ASIC面上に絶縁性レジストを塗布し、そこに磁性ワイヤを配置する溝を形成し、磁性ワイヤと磁性ワイヤを周回する検出コイルおよび電極からなるGSR素子をASIC面上に一体形成した薄型高感度磁気センサが開示されている。しかし、その製造方法についてはその技術は公開されていない。さらにその製造技術に関しては現在に至るまで改良が続けられているが、公開されていない。
【0004】
一方、センサの高感度化のためには、微細ピッチコイルを形成してコイルの巻き数を増やす必要がある。しかし、コイルピッチを微細化するほど、ASIC基板の位置とマスクの位置をさらに精度よく合わせることが求められる。その精度を実現するためには、溝形成時に同時に視認性の高いアライメントマークを形成することで、合わせ精度の向上が期待できる。
【0005】
一般的には、アライメントマークは平坦な部分に作られたSiO

膜に形成するために、高い視認性は容易に得ることができていた。またアライメントマークの形成方法は、特許文献2、特許文献3および特許文献4などに開示されているが、いずれも感光性樹脂の上にアライメントマークを形成するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-191016号公報
特開2006-229132号公報
特開2009-004793号公報
特許第2016776号公報
特許第5747294号公報
特許第6438616号公報
特許第3693119号公報
特許第4529783号公報
特許第4835805号公報
【非特許文献】
【0007】
2018 IEICE The Development of a High Sensitive Micro Size Magnetic Sensor Named as GSR Sensor Exited by GHz Pulse Current p.325
2020 JMMN The development of micro-coil-on-ASIC type GSR sensor driven by GHz Pulse current p.5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ASIC基板上にGSR素子を一体化形成する際、磁性ワイヤを周回するコイルをワイヤ近傍に形成する必要があり、磁性ワイヤを配置するための溝形状は、逆台形状が必須となる。SiO2などの絶縁膜にRIE(Reactive Ion Etching) などで溝を作製すると直方体形状となってしまい溝に沿って下部コイルを形成することは困難である。
【0009】
この逆台形状の溝を形成するためにはポジレジスト系の樹脂被膜に溝をマスク露光、現像をした後にキュア熱処理を加えることで達成できる。すなわち、逆台形状の溝を形成するにはポジレジスト系の樹脂被膜が必須となる。また、本プロセスでは合わせ精度向上のため、アライメントマークは溝と同時に形成する。したがって、アライメントマークは従来のSiO2上ではなく樹脂被膜上に形成することになる。
【0010】
しかし、ASIC基板面には通常は集積回路配線起因の2~3μmの凹凸(図1)があり、樹脂被膜を溝形成のために必要な膜厚(5~15μm程度)塗布しても、その表面には凹凸が転写され残ってしまい、アライメントマーク形成に必要な、平坦な樹脂被膜を得ることが困難である。
(【0011】以降は省略されています)

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