発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、磁界検出素子と特定用途向け集積回路(以下、ASICとしいう。)との一体化プロセスにおいて、視認性の高いアライメントマークを用いたGSR素子の製造方法に関する。 続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】 【0002】 高感度磁気センサには、ホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、高周波キャリアセンサ、FGセンサ、MIセンサ、GSRセンサなどがある。これらのセンサのうち、ホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、キャリアセンサは素子とASICが一体化されて小型化、薄型化は実現されているが、検出感度の改善が課題である。 一方、FGセンサ、MIセンサ、GSRセンサは高い感度を有するが、素子とASICが別々に配置されてワイヤボンディングで接合されており、センサの薄型化が課題である。 【0003】 この課題を解決するために、本発明者らは、GSR素子をASIC表面の上に形成する技術開発に取り組んだ結果、センサの小型化、薄型化を実現した(特許文献1)。 特許文献1にて、ASIC面上に絶縁性レジストを塗布し、そこに磁性ワイヤを配置する溝を形成し、磁性ワイヤと磁性ワイヤを周回する検出コイルおよび電極からなるGSR素子をASIC面上に一体形成した薄型高感度磁気センサが開示されている。しかし、その製造方法についてはその技術は公開されていない。さらにその製造技術に関しては現在に至るまで改良が続けられているが、公開されていない。 【0004】 一方、センサの高感度化のためには、微細ピッチコイルを形成してコイルの巻き数を増やす必要がある。しかし、コイルピッチを微細化するほど、ASIC基板の位置とマスクの位置をさらに精度よく合わせることが求められる。その精度を実現するためには、溝形成時に同時に視認性の高いアライメントマークを形成することで、合わせ精度の向上が期待できる。 【0005】 一般的には、アライメントマークは平坦な部分に作られたSiO 2 膜に形成するために、高い視認性は容易に得ることができていた。またアライメントマークの形成方法は、特許文献2、特許文献3および特許文献4などに開示されているが、いずれも感光性樹脂の上にアライメントマークを形成するものではない。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 特開2019-191016号公報 特開2006-229132号公報 特開2009-004793号公報 特許第2016776号公報 特許第5747294号公報 特許第6438616号公報 特許第3693119号公報 特許第4529783号公報 特許第4835805号公報 【非特許文献】 【0007】 2018 IEICE The Development of a High Sensitive Micro Size Magnetic Sensor Named as GSR Sensor Exited by GHz Pulse Current p.325 2020 JMMN The development of micro-coil-on-ASIC type GSR sensor driven by GHz Pulse current p.5 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 ASIC基板上にGSR素子を一体化形成する際、磁性ワイヤを周回するコイルをワイヤ近傍に形成する必要があり、磁性ワイヤを配置するための溝形状は、逆台形状が必須となる。SiO2などの絶縁膜にRIE(Reactive Ion Etching) などで溝を作製すると直方体形状となってしまい溝に沿って下部コイルを形成することは困難である。 【0009】 この逆台形状の溝を形成するためにはポジレジスト系の樹脂被膜に溝をマスク露光、現像をした後にキュア熱処理を加えることで達成できる。すなわち、逆台形状の溝を形成するにはポジレジスト系の樹脂被膜が必須となる。また、本プロセスでは合わせ精度向上のため、アライメントマークは溝と同時に形成する。したがって、アライメントマークは従来のSiO2上ではなく樹脂被膜上に形成することになる。 【0010】 しかし、ASIC基板面には通常は集積回路配線起因の2~3μmの凹凸(図1)があり、樹脂被膜を溝形成のために必要な膜厚(5~15μm程度)塗布しても、その表面には凹凸が転写され残ってしまい、アライメントマーク形成に必要な、平坦な樹脂被膜を得ることが困難である。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する