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公開番号2024057111
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2020217950
出願日2020-12-25
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H10K 50/10 20230101AFI20240417BHJP()
要約【課題】発光層と電子注入層との間に配置される有機化合物層が単層であっても、長寿命化が可能な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】第一の発光層51及び第二の発光層52を含む発光層と、金属元素含有化合物を70質量%以上含有する電子注入層9と、電子輸送帯域材料を含有し、数式(数1)で算出される三重項エネルギーT1(ETL)が2.00eVよりも大きい電子輸送層8と、を有し、第一のホスト材料の三重項エネルギーT1(H1)と第二のホスト材料の三重項エネルギーT1(H2)とが、数式(数1)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子1。
T1(H1)>T1(H2)…(数1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層と、
前記発光層と前記陰極との間に配置された電子注入層と、
前記電子注入層と前記発光層との間に配置された電子輸送層と、を有し、
前記電子注入層は、金属元素を含む金属元素含有化合物を、当該電子注入層中、70質量%以上含有し、
前記電子輸送層は、当該電子輸送層を構成する化合物として、少なくとも電子輸送帯域材料を含有し、
下記数式(数1A)で算出される前記電子輸送層の三重項エネルギーT

(ETL)は、2.00eVよりも大きく、
前記電子輸送層は、単層であり、
前記電子輸送層は、前記発光層及び前記電子注入層と、直接、接しており、
前記発光層は、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料を含み、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含み、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H1)>T

(H2) …(数1)
TIFF
2024057111000406.tif
24
154
(前記数式(数1A)において、T

(ET

)は、前記電子輸送層を構成する化合物のそれぞれの三重項エネルギーであり、R(ET

)は、前記電子輸送層を構成する化合物のそれぞれの含有割合であり、nは、前記電子輸送層を構成する化合物の種類の数である。)
続きを表示(約 3,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記数式(数1A)で算出される前記電子輸送層の三重項エネルギーT

(ETL)は、2.15eVよりも大きい、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一の発光層は、前記第二の発光層よりも前記陽極側に配置されている、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第二の発光層と前記電子輸送層とが、直接、接している、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記電子輸送層は、当該電子輸送層を構成する化合物として、少なくとも第一の電子輸送帯域材料及び第二の電子輸送帯域材料を含有する、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一の電子輸送帯域材料は、下記一般式(E21)、(E22)、(E23)又は(E24)で表される化合物である、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024057111000407.tif
72
152
TIFF
2024057111000408.tif
83
148
(前記一般式(E21)において、

221
は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換のピリジル基、
置換もしくは無置換のキノリル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
-O-(R
904
)で表される基であり、

222
~R
225
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換のピリジル基、
置換もしくは無置換のキノリル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
-O-(R
904
)で表される基であり、

210
は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、
置換もしくは無置換のピリジニレン基、
置換もしくは無置換のキノリニレン基、又は
置換もしくは無置換のフルオレニレン基であり、
Ar
211
は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、
置換もしくは無置換のピリジニレン基、又は
置換もしくは無置換のキノリニレン基であり、
Ar
212
は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換のピリジル基、
置換もしくは無置換のキノリル基、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
-O-(R
904
)で表される基である。)
(前記一般式(E22)において、

221
、L
210
、Ar
211
及びAr
212
は、それぞれ、前記一般式(E21)におけるR
221
、L
210
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第二の電子輸送帯域材料は、下記一般式(E11)で表される化合物である、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024057111000409.tif
28
151
(前記一般式(E11)において、

31
、X
32
及びX
33
は、それぞれ独立に、窒素原子であるか、又はCR

であり、

31
、X
32
及びX
33
のうち1つ以上が窒素原子であり、


は、
水素原子、
シアノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R
901
)(R
902
)(R
903
)で表される基、
-O-(R
904
)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、


が複数存在する場合、複数のR

は、互いに同一であるか又は異なり、
Aは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~13の複素環基であり、
Bは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~13の複素環基であり、


は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18の(n+1)価の芳香族炭化水素環基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~13の(n+1)価の複素環基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18の芳香族炭化水素環基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~13の複素環基からなる群から選択される互いに異なる2つ又は3つの基が結合した構造を有する(n+1)価の基であり、
Cは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
nは、1、2又は3であり、
nが2以上の場合、L

は単結合ではなく、
nが2以上の場合、複数のCは、互いに同一であるか又は異なり、
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一のホスト材料の正孔移動度μh(H1)と、前記第二のホスト材料の正孔移動度μh(H2)とが、下記数式(数2)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
μh(H1)>μh(H2) …(数2)
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一のホスト材料の正孔移動度μh(H1)と、前記第一のホスト材料の電子移動度μe(H1)と、前記第二のホスト材料の正孔移動度μh(H2)と、前記第二のホスト材料の電子移動度μe(H2)とが、下記数式(数3)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
(μe(H2)/μh(H2))>(μe(H1)/μh(H1)) …(数3)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、例えば、特許文献1及び2においては、複数の発光層を積層させることについて検討がなされている。また、特許文献3には、有機EL素子の性能向上を図るため、2つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象(以下、Triplet-Triplet Fusion=TTF現象と称する場合がある。)が記載されている。
有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-294261号公報
米国特許出願公開2019/280209号明細書
国際公開第2010/134350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、有機EL素子の発光層と電子注入層との間には、正孔障壁層及び電子輸送層のような有機化合物層が、複数、積層されている。このような従来の有機EL素子の素子構成から、発光層と電子注入層との間の有機化合物層の数を減らすために、正孔障壁層を省略すると、素子性能の低下が懸念される。
【0005】
本発明の目的は、発光層と電子注入層との間に配置される有機化合物層が単層であっても、長寿命化が可能な有機エレクトロルミネッセンス素子、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層と、前記発光層と前記陰極との間に配置された電子注入層と、前記電子注入層と前記発光層との間に配置された電子輸送層と、を有し、前記電子注入層は、金属元素を含む金属元素含有化合物を、当該電子注入層中、70質量%以上含有し、前記電子輸送層は、当該電子輸送層を構成する化合物として、少なくとも電子輸送帯域材料を含有し、下記数式(数1A)で算出される前記電子輸送層の三重項エネルギーT

(ETL)は、2.00eVよりも大きく、前記電子輸送層は、単層であり、前記電子輸送層は、前記発光層及び前記電子注入層と、直接、接しており、前記発光層は、第一の発光層及び第二の発光層を含み、前記第一の発光層は、第一のホスト材料を含み、前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含み、前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、前記第一の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物を少なくとも含み、前記第二の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物を少なくとも含み、前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。


(H1)>T

(H2) …(数1)
TIFF
2024057111000002.tif
24
154
【0007】
(前記数式(数1A)において、T

(ET

)は、前記電子輸送層を構成する化合物のそれぞれの三重項エネルギーであり、R(ET

)は、前記電子輸送層を構成する化合物のそれぞれの含有割合であり、nは、前記電子輸送層を構成する化合物の種類の数である。)
【0008】
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、発光層と電子注入層との間に配置される有機化合物層が単層であっても、長寿命化が可能な有機エレクトロルミネッセンス素子、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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