TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024057117
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2021040810
出願日2021-03-12
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H10K 50/10 20230101AFI20240417BHJP()
要約【課題】発光効率が高く、長寿命の有機EL素子を提供する。
【解決手段】第一の陽極側有機層61、第一の発光層51、第二の発光層52及び第一の陰極側有機層71がこの順で配置され、第一の発光層51は一般式(1)で表される第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含み、第二の発光層52は第二のホスト材料及び第二の発光性化合物を含み、第一のホスト材料、第二のホスト材料及び第二の発光性化合物のそれぞれの三重項エネルギーT1(H1)、T1(H2)及びT1(D2)が数式(数1)の関係を満たす有機EL素子1。
T1(H1)<T1(H2)<T1(D2)…(数1)
A-L-B…(1)
(一般式(1)中、Aはトリプレット構造部位であり、Bは正孔注入構造部位であり、Lは、単結合又は連結基であり、Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は-5.70eV以上である。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、陰極と、第一の陽極側有機層と、第一の発光層と、第二の発光層と、第一の陰極側有機層と、を有し、
前記陽極及び前記陰極の間において、前記第一の陽極側有機層、前記第一の発光層、前記第二の発光層及び前記第一の陰極側有機層が、この順で配置され、
前記第一の陽極側有機層は、第一の陽極側有機材料を含み、
前記第一の発光層は、下記一般式(1H)で表される第一のホスト材料を含み、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含み、
前記第一の陰極側有機層は、第一の陰極側有機材料を含み、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)及び前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT

(D2)が、下記数式(数1)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H1)<T

(H2)<T

(D2) …(数1)
A-L-B …(1H)
(前記一般式(1H)において、
Aは、トリプレット構造部位であり、
Bは、正孔注入構造部位であり、
Lは、単結合又は連結基であり、
前記正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、-5.70eV以上である。)
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T
1C
(A)及び前記第一のホスト材料の前記正孔注入構造部位の三重項エネルギーの計算値T
1C
(B)は、下記数式(数2B)の関係を満たす、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

1C
(A)<T
1C
(B)…(数2B)
【請求項3】
前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T
1C
(A)及び前記第二のホスト材料の三重項エネルギーの計算値T
1C
(H2)は、下記数式(数2)の関係を満たす、
請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

1C
(A)<T
1C
(H2)…(数2)
【請求項4】
前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aは、置換もしくは無置換のアントラセンである、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記トリプレット構造部位Aとしての置換もしくは無置換のアントラセンの9位炭素原子又は10位炭素原子が、Lに結合する、
請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記第一のホスト材料のLは、置換もしくは無置換のフェニレン基又は置換もしくは無置換のビフェニレン基である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aは、置換もしくは無置換の9,10-ジフェニルアントラセンであり、Lは、単結合である、
請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記トリプレット構造部位Aとしての置換もしくは無置換の9,10-ジフェニルアントラセンの9位炭素原子及び10位炭素原子に、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基が結合しており、いずれかの置換もしくは無置換のフェニル基に前記正孔注入構造部位Bが結合している、
請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
前記第一の陰極側有機材料の三重項エネルギーT

(HBL)、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)及び前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT

(D2)が、下記数式(数1A)の関係を満たす、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H1)<T

(H2)<T

(D2)<T

(HBL) …(数1A)
【請求項10】
前記第一の陽極側有機材料の三重項エネルギーT

(EBL)及び前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)が、下記数式(数1B)の関係を満たす、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


(EBL)>T

(H1) …(数1B)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、例えば、特許文献1においては、複数の発光層を積層させる技術について検討がなされている。また、特許文献2には、有機EL素子の性能向上を図るため、2つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象(以下、Triplet-Triplet Fusion=TTF現象と称する場合がある。)が記載されている。
有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-157552号公報
国際公開第2010/134350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、発光効率が高く、長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、陰極と、第一の陽極側有機層と、第一の発光層と、第二の発光層と、第一の陰極側有機層と、を有し、
前記陽極及び前記陰極の間において、前記第一の陽極側有機層、前記第一の発光層、前記第二の発光層及び前記第一の陰極側有機層が、この順で配置され、
前記第一の陽極側有機層は、第一の陽極側有機材料を含み、
前記第一の発光層は、下記一般式(1H)で表される第一のホスト材料を含み、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含み、
前記第一の陰極側有機層は、第一の陰極側有機材料を含み、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)及び前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT

(D2)が、下記数式(数1)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。


(H1)<T

(H2)<T

(D2) …(数1)
A-L-B …(1H)
(前記一般式(1H)において、
Aは、トリプレット構造部位であり、
Bは、正孔注入構造部位であり、
Lは、単結合又は連結基であり、
前記正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、-5.70eV以上である。)
【0006】
本発明の一態様によれば、本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、発光効率が高く、長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。本発明の一態様によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
【0010】
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

出光興産株式会社
組成物
29日前
出光興産株式会社
組成物
29日前
出光興産株式会社
潤滑油組成物
6日前
出光興産株式会社
摺動面用潤滑油組成物
9日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
20日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
22日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
22日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
22日前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
1か月前
出光興産株式会社
有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
15日前
出光興産株式会社
化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
6日前
株式会社半導体エネルギー研究所
記憶装置
2日前
マグネデザイン株式会社
GSR素子の製造方法
16日前
キヤノン株式会社
光電変換素子
14日前
住友電気工業株式会社
光センサ
23日前
京セラ株式会社
圧電素子
21日前
住友電気工業株式会社
光センサ
23日前
株式会社半導体エネルギー研究所
表示装置の作製方法、表示装置
28日前
キオクシア株式会社
不揮発性半導体メモリ
1か月前
兵庫県公立大学法人
ペロブスカイト太陽電池
28日前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス、表示装置、および電子機器
2日前
TDK株式会社
磁歪膜および電子デバイス
今日
キオクシア株式会社
半導体装置およびその製造方法
23日前
三菱ケミカル株式会社
光電変換素子用材料、及び光電変換素子
今日
セメス株式会社
半導体装置
1日前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光素子
8日前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光素子
15日前
株式会社アイシン
ホール輸送材料及びホール輸送材料を用いた太陽電池
2日前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
23日前
株式会社Gaianixx
自立膜、積層構造体、素子、電子デバイス、電子機器及びシステム
7日前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
27日前
三菱ケミカル株式会社
有機光電変換素子の製造方法及び有機光電変換素子
29日前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
23日前
旺宏電子股ふん有限公司
3Dメモリデバイス及びシール構造を形成する方法
6日前
株式会社半導体エネルギー研究所
正孔輸送材料
27日前
キヤノン株式会社
誘電体、誘電体の製造方法及びトランスデューサー
6日前
続きを見る