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公開番号2024052271
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158869
出願日2022-09-30
発明の名称圧電素子及びアクチュエータ
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類H10N 30/853 20230101AFI20240404BHJP()
要約【課題】低電圧で高い圧電性能が得られる圧電素子及び圧電アクチュエータを低コストに提供する。
【解決手段】圧電素子は、基板上に、第1電極、第1圧電膜、第2電極、第2圧電膜、及び、第3電極をこの順に備え、第1圧電膜及び第2圧電膜はいずれも、AサイトにPbを含み、BサイトにZr、Ti及びMを含む、ペロブスカイト型酸化物を主成分とし、MはV,Nb,Ta,Sb,Mo及びWから選択される金属元素であり、第1圧電膜におけるM組成比と第2圧電膜におけるM組成比とが異なり、第1圧電膜に対して、第1電極を接地し、第2電極を駆動電極として測定される分極-電界ヒステリシスと、第2圧電膜に対して、第2電極を接地し、第3電極を駆動電極として測定される分極-電界ヒステリシスとが、それぞれの原点に対し同じ電界方向にシフトしている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板上に、第1電極、第1圧電膜、第2電極、第2圧電膜、及び、第3電極をこの順に備え、
前記第1圧電膜及び前記第2圧電膜はいずれも、
AサイトにPbを含み、BサイトにZr、Ti及びMを含む、ペロブスカイト型酸化物を主成分とし、MはV,Nb,Ta,Sb,Mo及びWから選択される金属元素であり、
前記ペロブスカイト型酸化物の前記BサイトにおけるM組成比を、元素記号はそれぞれのモル比を表すものとして、M/(Zr+Ti+M)で規定した場合に、前記第1圧電膜における前記M組成比と前記第2圧電膜における前記M組成比とが異なり、
前記第1圧電膜と前記第2圧電膜はいずれも膜厚方向に自発分極が揃っており、かつ、前記第1圧電膜と前記第2圧電膜の前記自発分極の向きは同一であり、
前記第1圧電膜に対して、前記第1電極を接地し、前記第2電極を駆動電極として測定される分極-電界ヒステリシスと、前記第2圧電膜に対して、前記第2電極を接地し、前記第3電極を駆動電極として測定される分極-電界ヒステリシスとが、それぞれの原点に対し同じ電界方向にシフトしている、圧電素子。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記第1圧電膜及び前記第2圧電膜の各々に含まれる前記ペロブスカイト型酸化物のPb/(Zr+Ti+M)で表されるPb組成比同士、前記Bサイト中のZr/(Zr+Ti)で表されるZr組成比同士及びTi(Zr+Ti)で表されるTi組成比同士が同一である、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項3】
前記金属元素MがNbであり、前記Bサイトにおける前記M組成比をyとした場合、
0.08≦y≦0.15である、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項4】
前記第1圧電膜に含まれる前記ペロブスカイト型酸化物における前記M組成比と、前記第2圧電膜に含まれる前記ペロブスカイト型酸化物における前記M組成比とが、0.02以上異なっている、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項5】
前記第1圧電膜及び前記第2圧電膜のうち、前記M組成比が相対的に小さい圧電膜の膜厚が、前記M組成比が相対的に大きい圧電膜の膜厚よりも100nm以上薄い、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項6】
前記M組成比が相対的に小さい圧電膜の膜厚が1.5μm以下である、請求項5に記載の圧電素子。
【請求項7】
前記M組成比が相対的に大きい圧電膜の膜厚が2μm以下である、請求項5に記載の圧電素子。
【請求項8】
前記第1電極と前記第3電極とが接続されている、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項9】
前記第1圧電膜及び前記第2圧電膜のうち、前記M組成比が相対的に大きい圧電膜に、前記自発分極の向きと同じ向きの電界が印加され、前記M組成比が相対的に小さい圧電膜に、前記自発分極の向きと逆向きの電界が印加される、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項10】
請求項1に記載の圧電素子と、前記圧電素子に駆動電圧を印加する駆動回路とを備えたアクチュエータであって、
前記駆動回路は、前記第1圧電膜及び前記第2圧電膜のうち、前記M組成比が相対的に大きい圧電膜に、前記自発分極の向きと同じ向きの電界を印加し、前記M組成比が相対的に小さい圧電膜に、前記自発分極の向きと逆向きの電界を印加する、アクチュエータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電素子及びアクチュエータに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
優れた圧電特性及び強誘電性を有する材料として、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O

、以下においてPZTという。)などのペロブスカイト型酸化物が知られている。ペロブスカイト型酸化物からなる圧電体は、基板上に、下部電極、圧電膜、及び上部電極を備えた圧電素子における圧電膜として適用される。この圧電素子は、メモリ、インクジェットヘッド(アクチュエータ)、マイクロミラーデバイス、角速度センサ、ジャイロセンサ、超音波素子(PMUT:Piezoelectric Micromachined Ultrasonic Transducer)及び振動発電デバイスなど様々なデバイスへと展開されている。
【0003】
圧電素子として、高い圧電特性を得るために、電極層を介して複数の圧電膜を積層した積層型の圧電素子が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、第1電極、Nb添加PZT膜、第2電極、Nb添加PZT膜、第3電極が順に積層された圧電素子が提案されている。Nb添加PZT膜は成膜時において、基板に対して上向きに自発分極の向きが揃うことが知られている。すなわち、特許文献1における2層のNb添加PZT膜はいずれも上向きに向きが揃った自発分極を有する。一般に、向きが揃った自発分極を有する圧電膜に対しては、その自発分極の向きと同じ向きの電界をかけた方が高い圧電性能が得られる。そのため、特許文献2では、第2電極を接地し、第1電極に正電位(+V)、第3電極に負電位(-V)を与えて駆動する第1の駆動方法、あるいは、第1電極を接地し、第2電極に負電位(-V)、第3電極に第2電極よりも絶対値の大きな負電位(-2V)を与えて駆動する第2の駆動方法などにより、2つのNb添加PZT膜にそれぞれ自発分極の向きと同じ向きの電界を印加している。これにより、1層のみの圧電素子と比較して略2倍の変位量を実現している。
【0005】
また、特許文献2には、第1電極、第1圧電膜、第2電極、第2圧電膜、第3電極が順に積層された圧電素子であって、第1圧電膜の揃っている自発分極の向きと第2圧電膜の揃っている自発分極の向きとが異なる圧電素子が提案されている。そして、具体例として、第1圧電膜がNb添加PZT膜であり、第2圧電膜がNb添加なしのPZT膜(以下において真性PZTという。)である場合が挙げられている。Nb添加PZT膜はポーリング処理をしない状態で自発分極の向きが揃っているが、真性PZT膜はポーリング処理をしない状態では自発分極の向きが揃っていない。そこで、真性PZT膜に、Nb添加PZT膜の自発分極の向きと逆向きに自発分極が揃うようにポーリング処理を施すことで、第1圧電膜の自発分極の向きと第2圧電膜の自発分極の向きを異なるものとしている。特許文献2においては、圧電素子の第1電極と第3電極を同電位とし、第2電極を駆動電極とすることで、第1圧電膜と第2圧電膜にそれぞれの自発分極の向きと同じ向きの電界を印加している。これにより、1層の圧電膜を駆動する大きさの電圧で、2層分の圧電性能が得られるため、低電圧で高い圧電性能を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-80886号公報
特開2013-80887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において、第3電極に第2電極よりも絶対値の大きな電圧を印加する第2の駆動方法で、第1の駆動方法と同等の圧電性能を得るためには、第3電極に非常に大きな電圧を印加する必要が生じ、低電圧では十分な圧電性能が得られない。上記の第1電極と第3電極に異なる符号の電圧を印加する第1の駆動方法を実施するためには、プラスの駆動回路とマイナスの駆動回路を備える必要があるため、高コストになる。
【0008】
また、特許文献2の圧電素子では、非常に良好な圧電性能が得られる。しかし、特許文献2の圧電素子を作製するためには、例えば、第1圧電膜をNb添加PZT膜であり、第2圧電膜が真性PZT膜とするように、第1圧電膜と第2圧電膜とは異なる材料を含む圧電膜から構成する必要がある。そのため、第1圧電膜と第2圧電膜を形成するためには、二種の異なるターゲットが必要であり、また、少なくとも一方の圧電膜にはポーリング処理を施す必要があり、十分な低コスト化が図れない。
【0009】
このように、高い圧電性能を得られる圧電素子は高コストあるいは、高電圧を印加する必要があり、低コストであり、かつ、低電圧で高い圧電性能を得られる圧電素子は実現できていなかった。
【0010】
本開示は、低電圧で高い圧電性能が得られる圧電素子及び圧電アクチュエータを低コストに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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