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公開番号2024079507
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022192488
出願日2022-11-30
発明の名称超臨界又は亜臨界領域の溶媒を用いた分離抽出における気液平衡比のシミュレーション方法、シミュレーションプログラム、及び超臨界又は亜臨界向流接触抽出装置
出願人国立大学法人東北大学,株式会社アクロス東北
代理人弁理士法人ドライト国際特許事務所
主分類B01D 11/00 20060101AFI20240604BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】超臨界又は亜臨界領域の溶媒を用いた分離抽出における気液平衡比をシミュレーションにより定量的に求めるシミュレーション方法、シミュレーションプログラム、及び超臨界又は亜臨界向流接触抽出装置を提供する。
【解決手段】超臨界又は亜臨界領域における溶媒及び溶質のエントロピー型溶解度パラメータをそれぞれ算出し、溶質の気液平衡比の算出値を算出し、溶質の気液平衡比の算出値及び下記式(1A)から、溶質のエントロピー型溶解度パラメータが設定されたときの溶質の気液平衡比のシミュレーション値を求める。
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(式中、Ksolute,calc及びK’soluteは溶質の気液平衡比のシミュレーション値及び算出値、A’及びB’は実験値に合うように定められたフィッティングパラメータである。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超臨界又は亜臨界領域の溶媒を用いて溶質を分離抽出する際の前記溶質の気液平衡比をシミュレーションにより求める方法であって、
前記超臨界又は亜臨界領域における前記溶媒のエントロピー型溶解度パラメータを算出するステップと、
前記超臨界又は亜臨界領域における前記溶質のエントロピー型溶解度パラメータを算出するステップと、
前記溶媒のエントロピー型溶解度パラメータ及び前記溶質のエントロピー型溶解度パラメータから前記溶質の気液平衡比の算出値を算出するステップと、
前記溶質の気液平衡比の算出値及び下記式(1A)から、前記溶質のエントロピー型溶解度パラメータが所定の値に設定されたときの前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値を求めるステップと
を含む、超臨界又は亜臨界領域の溶媒を用いた分離抽出における気液平衡比のシミュレーション方法。
TIFF
2024079507000021.tif
25
150
(式(1A)中、K
solute,calc
は前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値、K’
solute
は前記溶質の気液平衡比の算出値、A’及びB’は前記溶質の気液平衡比の実験値に合うように定められたフィッティングパラメータである。)
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記溶質の気液平衡比の算出値は、前記溶媒のエントロピー型溶解度パラメータ及び前記溶質のエントロピー型溶解度パラメータを用いて下記式(2A)及び(3A)から算出したものである
請求項1に記載のシミュレーション方法。
TIFF
2024079507000022.tif
64
150
(式(2A)及び式(3A)中、δ
S,V
、δ
S,Solute
、及びδ
S,L
は、それぞれ前記溶媒の気相、前記溶質、及び前記溶媒の液相のエントロピー型溶解性パラメータであり、σ
x
及びσ
y
は前記溶質の気液平衡比の実験値に合うように定められたパラメータである。)
【請求項3】
前記溶質の気液平衡比の算出値及び式(1A)から前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値を求めるステップにおいて、式(1A)に代えて下記式(4A)から前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値を求める
請求項1又は2に記載のシミュレーション方法。
TIFF
2024079507000023.tif
25
150
(式(4A)中、K
solute,calc
は前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値、K’
solute
は前記溶質の気液平衡比の算出値、A”、B”及びC”は前記溶質の気液平衡比の実験値に合うように定められたフィッティングパラメータ、ρ
Vapor
及びρ
Liquid
はそれぞれ気相及び液相のモル密度である。)
【請求項4】
超臨界又は亜臨界領域の溶媒を用いて溶質を分離抽出する際の前記溶質の気液平衡比をシミュレーションにより求める方法をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムであって、
前記超臨界又は亜臨界領域における前記溶媒のエントロピー型溶解度パラメータを算出し、
前記超臨界又は亜臨界領域における前記溶質のエントロピー型溶解度パラメータを算出し、
前記溶媒のエントロピー型溶解度パラメータ及び前記溶質のエントロピー型溶解度パラメータから前記溶質の気液平衡比の算出値を算出し、
前記溶質の気液平衡比の算出値及び下記式(5A)から、前記溶質のエントロピー型溶解度パラメータが所定の値に設定されたときの前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値を求める処理をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラム。
TIFF
2024079507000024.tif
25
150
(式(5A)中、K
solute,calc
は前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値、K’
solute
は前記溶質の気液平衡比の算出値、A’及びB’は前記溶質の気液平衡比の実験値に合うように定められたフィッティングパラメータである。)
【請求項5】
前記溶質の気液平衡比の算出値及び式(5A)から前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値を求める際に、式(5A)に代えて下記式(6A)から前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値を求める処理をコンピュータに実行させるための請求項4に記載のシミュレーションプログラム。
TIFF
2024079507000025.tif
25
150
(式(6A)中、K
solute,calc
は前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値、K’
solute
は前記溶質の気液平衡比の算出値、A”、B”及びC”は前記溶質の気液平衡比の実験値に合うように定められたフィッティングパラメータ、ρ
Vapor
及びρ
Liquid
はそれぞれ気相及び液相のモル密度である。)
【請求項6】
前記式(5A)あるいは前記式(6A)に含まれるフィッティングパラメータを求めた後に、入力されたシミュレーション対象の溶質の溶解度パラメータに応じて前記溶質の気液平衡比のシミュレーション値を算出して出力する処理をコンピュータに実行させるための請求項4または5に記載のシミュレーションプログラム。
【請求項7】
請求項4に記載のシミュレーションプログラムを備えた
超臨界又は亜臨界向流接触抽出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界又は亜臨界領域の溶媒を用いた分離抽出における気液平衡比(分配係数)のシミュレーション方法、シミュレーションプログラム、及び超臨界又は亜臨界向流接触抽出装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
医薬食品・飲料・化粧品・化成品等の素材の製造において、天然あるいは合成化合物である目的物質を抽出分離する工程は欠かせない。目的物質を溶解して抽出するためには、有機溶媒が広く用いられている。
【0003】
目的物質の抽出のために有機溶媒を使用すると、抽出時に有機溶媒が残留することがある。残留した有機溶媒は残留溶媒と称せられる。目的物質の抽出効率を高めるために、高環境負荷の有機溶媒が多量に用いられることがある。また、有機溶媒の中には人体に影響を及ぼすものもあり、目的物質の抽出効率を高めるために人体への影響がより大きいものが用いられることがある。上記の状況を踏まえて、医薬食品素材の製造において残留溶媒の削減が求められ、例えば医薬品製造においては残留溶媒ガイドラインにより残留溶媒の濃度限度値が設定されている。食品素材の製造においても類似の規制が設けられている。
【0004】
しかし、目的物質の抽出のために有機溶媒を使用する限り、残留溶媒についての問題を避けることはできない。そこで、安心かつ安全な医薬食品素材の製造のために、人体や環境への影響が有機溶媒よりもはるかに小さい溶媒、例えば水、エタノール、及び二酸化炭素(CO

)を用いて目的物質の抽出を行う研究が進められている。
【0005】
さらに、上記の水、エタノール、及び二酸化炭素に基づく高圧気液平衡関係を利用した超臨界・亜臨界域を含む高圧流体を用いた目的物質の分離抽出の研究が進められている。
【0006】
常温常圧の流体を用いた目的物質の分離抽出の研究においては、常温常圧の化学物質の極性を表す指標として、Hildebrand溶解度パラメータ(SP値)が広く利用されている。
【0007】
特許文献1には、アスタキサンチンを含有する天然物由来の原料を、二酸化炭素-エタノール混合系超臨界向流接触抽出により脱脂及び濃縮する、アスタキサンチン濃縮物の製造方法が記載されている。
【0008】
非特許文献1には、高温高圧領域の化学物質の極性を表すエントロピー型溶解度パラメータ(eSP値)と、eSP値を用いて関連付けられたフラボン、6-メチルフラボン及びアントラセンの、エタノール含有または非含有時の超臨界二酸化炭素に対する溶解性に関する記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2018-198549号公報
【非特許文献】
【0010】
Fluid Phase Equilibria, 425, 65-71 (2016)
Robinson, D.B. and Peng, D.Y., A New Two-Constant Equation of State Industrial and Engineering Chemistry: Fundamentals. Industrial & Engineering Chemistry Fundamentals, 15, 59-64 (1976)
化学工学論文集、41巻2号、73-77 (2015)
星野ら、化学工学論文集、47巻2号、17-22 (2021)
S. Sato et al.,Fluid Phase Equilibria, 489, 90-98 (2019)
大田昌樹、堀川愛晃、医薬食品素材を安心安全に製造するための連動式自動背圧弁を搭載した亜臨界溶媒分離装置と理論の開発、フジサンケイビジネスアイ・第34回(2020年度)独創性を拓く先端技術大賞(社会人部門,特別賞)受賞論文、http://www.fbi-award.jp/sentan/jusyou/
Fedors, R. F.; “A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids,” Jet Propul. Lab. Quart. Tech. Rev., 3, 45 (1973)
Fluid Phase Equilibria, 434, 44-48 (2017)
上野ら、化学工学論文集、47巻2号、23-27 (2021).
Y. Sugimoto et al.,The Journal of Supercritical Fluids, 166, 105013 (2020)
T. Fujii et al., Reaction Chemistry & Engineering, 6, 2248-2252 (2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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