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公開番号
2024103369
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-01
出願番号
2023007656
出願日
2023-01-20
発明の名称
多元系金属窒化物、磁性体及び多元系金属窒化物の製造方法
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
,
国立大学法人東北大学
,
国立大学法人山形大学
代理人
弁理士法人クオリオ
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01F
1/047 20060101AFI20240725BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】ニッケル元素及びマンガン元素を含んで高い飽和磁化を示す多元系金属窒化物、及びそれからなる磁性体、更に、500℃未満の低温で、しかも短時間で多元系金属窒化物を製造可能な方法を提供する。
【解決手段】ニッケル元素及びマンガン元素を含む多元系金属窒化物であって、ニッケル元素及びマンガン元素の各含有量の合計に占めるマンガン元素の含有率が5~25元素%であるマンガン含有多元系金属窒化物、及びそれからなる磁性体、並びに、複数の金属元素を含む多孔性配位高分子を、窒素源の存在下、温度400℃以上500℃未満で窒化処理して、多元系金属窒化物を得ることを含む、多元系金属窒化物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ニッケル元素及びマンガン元素を含む多元系金属窒化物であって、
ニッケル元素及びマンガン元素の各含有量の合計に占めるマンガン元素の含有率が5~25元素%である、多元系金属窒化物。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
下記組成式CF1で表される金属窒化物を含む、請求項1に記載の多元系金属窒化物。
組成式CF1: Fe
XX
Ni
YY
N
組成式CF1中、XXは0~4であり、YYは0を超え4以下である。
【請求項3】
下記組成式CF2で表すことができる、請求項1に記載の多元系金属窒化物。
組成式CF2: Fe
XX
(Ni
(1-ZZ)
Mn
ZZ
)
YY
N
組成式CF2中、XXは0~4であり、YYは0を超え4以下であり、ZZは0.05~0.25である。
【請求項4】
ニッケル元素を含み、かつマンガン元素を含まない金属窒化物に対して1.5倍以上の飽和磁化を示す、請求項1に記載の多元系金属窒化物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の多元系金属窒化物からなる磁性体。
【請求項6】
複数の金属元素を含む多孔性配位高分子を、窒素源の存在下、温度400℃以上500℃未満で窒化処理して、多元系金属窒化物を得ることを含む、多元系金属窒化物の製造方法。
【請求項7】
前記多孔性配位高分子がプルシアンブルー型金属錯体である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記プルシアンブルー型金属錯体が下記組成式CF1Aで表される、請求項7に記載の製造方法。
組成式CF1A: A
x
M
A
[M
B
(CN)
6
]
y
・zH
2
O
組成式CF1A中、Aは陽イオンを示す。
M
A
は、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銀、亜鉛、アルミニウム、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム及びカルシウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。
M
B
は、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金及び銅からなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。
xは0~3であり、yは0.3~1.5であり、zは0~30である。
【請求項9】
前記M
A
がニッケル元素とマンガン元素とを含み、M
B
が鉄元素を含む、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記M
A
中において、ニッケル元素及びマンガン元素の各含有量の合計に占めるマンガン元素の含有率が5~25元素%である、請求項9に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル元素及びマンガン元素を含む多元系金属窒化物、この多元系金属窒化物からなる磁性体、及び多元系金属窒化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ノイズフィルター、電磁波吸収体、近接センサー、磁気センサー等に用いる材料としては、飽和磁化が高い磁性素材が求められる。このような材料として、近年、Fe
16
N
2
等の窒化鉄をはじめとする金属窒化物が注目されている。金属窒化物は、単体金属や金属ハロゲン化物等の窒化反応、ゾル・ゲル化合物を用いた還元反応等より合成することができるが、近年、金属イオンと有機配位子とで形成される多孔性配位高分子(PCP:Porous coordination polymer)をアンモニア熱分解(アンモノリシス)して合成する方法が報告されている。例えば、非特許文献1には、Ni
2.25
Fe
0.75
[Fe(CN)
6
]
2
/rGO(グラフェンオキシド)前駆体をアンモノリシスすることにより、Fe
2
Ni
2
N/rGOナノハイブリッドシートを合成できることが記載されている。また、非特許文献2には、MnOシート上にMnFe-PBA(プルシアンブルー類似体)を成長させた後に、これをアンモニア/アルゴン環境下で低温熱分解することにより、金属窒化物としてN-FeMnNiを合成できることが記載されている。
【0003】
ところで、近年、ノイズフィルター、電磁波吸収体、近接センサー、磁気センサー等の高性能化が急速に進展しており、それに応じて更に高い飽和磁化を示す磁性素材が望まれている。例えば、電磁波吸収体については、ポスト5G対応の通信技術が進んでおり、5GHz以上の電磁波を利用し適切に通信するため、高周波数帯(例えば28GHz以上)の電磁波ノイズを吸収できる吸収体が望まれている。電磁波吸収体において、電磁波吸収効率、例えば吸収周波数を上げるための効果的な手段の1つとして、磁性素材の飽和磁化を高める方法が挙げられる。
しかし、非特許文献1及び2は、いずれも、合成した金属窒化物を特定の反応に対する触媒として適用可能であることについて検討しているに過ぎず、磁性素材として、特に飽和磁化を高めるという観点からの検討はされていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
ACS Appl. Energy Mater. 2019, 2,8502-8510
Applied Surface Science 551 (2021) 149360
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまで、磁性素材に用いる磁性金属元素として、鉄、コバルト、ニッケルが汎用されてきた。しかし、これらの磁性金属元素を用いた従来の磁性素材では、高い飽和磁化を示す磁性素材の開発という近年の要求には十分に応えることができない。
本発明は、ニッケル元素及びマンガン元素を含んで高い飽和磁化を示す多元系金属窒化物、及びそれからなる磁性体を提供することを課題とする。また、本発明は、500℃未満の低温で、しかも短時間で、望ましくは高い飽和磁化を示しうる多元系金属窒化物を製造可能な方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は以下の手段によって達成された。
<1>ニッケル元素及びマンガン元素を含む多元系金属窒化物であって、
ニッケル元素及びマンガン元素の各含有量の合計に占めるマンガン元素の含有率が5~25元素%である、多元系金属窒化物。
<2>下記組成式CF1で表される金属窒化物を含む、<1>に記載の多元系金属窒化物。
組成式CF1: Fe
XX
Ni
YY
N
組成式CF1中、XXは0~4であり、YYは0を超え4以下である。
<3>下記組成式CF2で表すことができる、<1>又は<2>に記載の多元系金属窒化物。
組成式CF2: Fe
XX
(Ni
(1-ZZ)
Mn
ZZ
)
YY
N
組成式CF2中、XXは0~4であり、YYは0を超え4以下であり、ZZは0.05~0.25である。
<4>ニッケル元素を含み、かつマンガン元素を含まない金属窒化物に対して1.5倍以上の飽和磁化を示す、<1>~<3>のいずれか1項に記載の多元系金属窒化物。
<5>上記<1>~<4>のいずれか1項に記載の多元系金属窒化物からなる磁性体。
<6>複数の金属元素を含む多孔性配位高分子を、窒素源の存在下、温度400℃以上500℃未満で窒化処理して、多元系金属窒化物を得ることを含む、多元系金属窒化物の製造方法。
<7>前記多孔性配位高分子がプルシアンブルー型金属錯体である、<6>に記載の製造方法。
<8>前記プルシアンブルー型金属錯体が下記組成式CF1Aで表される、<7>に記載の製造方法。
組成式CF1A: A
x
M
A
[M
B
(CN)
6
]
y
・zH
2
O
組成式CF1A中、Aは陽イオンを示す。
M
A
は、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銀、亜鉛、アルミニウム、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム及びカルシウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。
M
B
は、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金及び銅からなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。
xは0~3であり、yは0.3~1.5であり、zは0~30である。
<9>前記M
A
がニッケル元素とマンガン元素とを含み、M
B
が鉄元素を含む、<8>に記載の製造方法。
<10>前記M
A
中において、ニッケル元素及びマンガン元素の各含有量の合計に占めるマンガン元素の含有率が5~25元素%である、<9>に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ニッケル元素及びマンガン元素を含んで高い飽和磁化を示す多元系金属窒化物、及びそれからなる磁性体を提供できる。また、本発明は、500℃未満の低温で、しかも短時間で、多元系金属窒化物を製造可能な方法を提供できる。特に、本発明の好適な態様においては、500℃未満の低温で、しかも短時間で、高い飽和磁化を示す多元系金属窒化物を製造可能な方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実験例1及び実験例3で製造した各窒化物について測定温度300Kで飽和磁化(質量磁化率)を測定した結果を示すグラフである。
図2は、実験例1及び実験例3で製造した各窒化物について測定温度10Kで飽和磁化(質量磁化率)を測定した結果を示すグラフである。
図3は、実験例1で製造した各鉄ニッケル窒化物の2θ=20~75°の範囲の回折チャートを示すグラフである。
図4は、実験例1で製造した各鉄ニッケル窒化物の2θ=39~43°の範囲の回折チャートを示すグラフである。
図5は、実験例1で製造した各鉄ニッケル窒化物の2θ=15~30°の範囲の回折チャートを示すグラフである。
図6は、実験例3で製造した各鉄ニッケル窒化物の2θ=20~75°の範囲の回折チャートを示すグラフである。
図7は、実験例3で製造した各鉄ニッケル窒化物の2θ=39~43°の範囲の回折チャートを示すグラフである。
図8は、実験例3で製造した各鉄ニッケル窒化物の2θ=15~30°の範囲の回折チャートを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。なお、本発明において、含有量等について数値範囲を複数設定して説明する場合、数値範囲を形成する上限値及び下限値は、特定の数値範囲として「~」の前後に記載された特定の上限値及び下限値の組み合わせに限定されず、各数値範囲の上限値と下限値とを適宜に組み合わせた数値範囲とすることができる。
【0010】
[ニッケル元素及びマンガン元素を含む多元系金属窒化物]
本発明の、ニッケル元素及びマンガン元素を含む多元系金属窒化物(本発明において、便宜上、「マンガン含有多元系金属窒化物」ということがある。)は、少なくともニッケル元素を含む金属窒化物が更にマンガン元素を特定の含有率で含有している多元系金属窒化物である。
マンガン含有多元系金属窒化物を構成する少なくともニッケル元素を含む金属窒化物(マンガン元素が導入される金属窒化物であって、マンガン含有多元系金属窒化物のベースとなる結晶相に相当する)は、少なくともニッケル元素を含む金属窒化物であればよく、ニッケル元素に加えて、適宜にニッケル元素以外でマンガン元素以外の金属元素、例えば鉄元素を含んでいてもよい。このような金属窒化物としては、ニッケル窒化物、鉄元素とニッケル元素とを含む鉄ニッケ窒化物等を含む。この金属窒化物は、飽和磁化の大幅な向上が見込める点で、鉄ニッケル窒化物が好ましい。マンガン含有多元系金属窒化物は、マンガン元素が導入される金属窒化物として、組成式CF1:Fe
XX
Ni
YY
Nで表される金属窒化物を含んでいることが好ましい。組成式CF1において、XXは0~4であり、高い飽和磁化を示しうる点で0~2であることが好ましい。ただし、上記金属窒化物が鉄元素を含む場合、XXは0を超え4以下であり、高い飽和磁化を示しうる点で1又は2であることが好ましい。YYは、0を超え4以下であり、高い飽和磁化を示しうる点で1~3であることが好ましい。金属窒化物において、鉄元素とニッケル元素との含有量比、組成式CF1ではXX:YYは、用途、要求特性等に応じて適宜に決定できる。少なくともニッケル元素を含む金属窒化物は、ニッケル元素、鉄元素及びマンガン元素の3元素以外の金属元素を含んでいてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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