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公開番号
2024120707
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2023027698
出願日
2023-02-24
発明の名称
薄膜、半導体電極、光電気化学用電極、薄膜の製造方法、薄膜の製造装置
出願人
国立大学法人東北大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01L
21/368 20060101AFI20240829BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】導電率が高く、かつ低コストで効率的に成膜が可能な、金属酸化物からなる薄膜、半導体電極、光電気化学用電極、薄膜の製造方法、および薄膜の製造装置を提供する。
【解決手段】金属酸化物からなる薄膜であって、支持体上に層状に分散された金属酸化物の結晶性粒子からなる第1層と、前記結晶性粒子どうしの空隙を埋めるように配され、前記結晶性粒子よりも結晶化度が低く、かつ粒子径が小さい前記金属酸化物の組成物からなる第2層と、からなることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属酸化物からなる薄膜であって、
支持体上に層状に分散された金属酸化物の結晶性粒子からなる第1層と、
前記結晶性粒子どうしの空隙を埋めるように配され、前記結晶性粒子よりも結晶化度が低く、かつ粒子径が小さい前記金属酸化物の組成物からなる第2層と、からなることを特徴とする薄膜。
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【請求項2】
前記薄膜は、前記金属酸化物を構成する金属元素を含む原料化合物由来のフラグメントイオンと、前記金属酸化物を構成する金属元素と同種の金属元素を含有する有機金属錯体由来のフラグメントイオンとが、共に不純物として含まれることを特徴とする請求項1に記載の薄膜。
【請求項3】
前記薄膜は、p型半導体膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜。
【請求項4】
前記金属酸化物は、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニオブのいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜。
【請求項5】
前記金属酸化物は酸化ニッケルであり、前記第2層の厚みは1nm以上、30nm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜。
【請求項6】
前記薄膜は、ビス-(シクロペンタジエニル)ニッケル由来のC
5
H
x
+
/NiH
y
O
-
の値が0.4以上1.0未満、かつX線光電子分光法を用いたNi
3+
のピーク面積/Ni
2+
のピーク面積の値が2.30以上2.60未満であることを特徴とする請求項5に記載の薄膜。
【請求項7】
請求項1または2に記載の薄膜を含むことを特徴とする半導体電極。
【請求項8】
請求項1または2に記載の薄膜を含むことを特徴とする光電気化学用電極。
【請求項9】
請求項1または2に記載の薄膜の製造方法であって、
前記金属酸化物を構成する金属元素を含む原料化合物をゲル化した成膜液の膜を形成する湿式塗布工程と、
前記成膜液の膜を熱酸化させて、前記金属酸化物の前記結晶性粒子からなる第1層を形成する熱酸化工程と、
前記金属酸化物を構成する金属元素と同種の金属元素を含有する有機金属錯体を用いて、プラズマエンハンスド原子層堆積法によって前記結晶性粒子どうしの空隙を埋めるように、前記結晶性粒子よりも結晶化度が低く、かつ粒子径が小さい前記金属酸化物の組成物からなる第2層を形成する原子層堆積工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする薄膜の製造方法。
【請求項10】
前記金属酸化物として、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニオブのいずれかを用いることを特徴とする請求項9に記載の薄膜の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物からなる薄膜、半導体電極、光電気化学用電極、薄膜の製造方法、および薄膜の製造装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、可視光を透過し、紫外光を吸収して発電する透過型太陽電池は、酸化物透明導電膜(TCO)を用いてpn接合することによって形成することができる。このうち、n型TCOは、現在広い分野で利用されている一方で、p型TCOは高品質な薄膜の作製が困難であるため、こうしたpn接合デバイスの開発の妨げとなっている。
【0003】
p型TCOの一例として、酸化ニッケル薄膜、酸化クロム薄膜、酸化銅薄膜、酸化コバルト薄膜、酸化ニオブ薄膜などが挙げられる。このうち、例えば、酸化ニッケル薄膜は、バンドギャップが3.7eVである岩塩型構造の遷移金属酸化物であり、p型半導体特性を示す数少ないワイドギャップ材料として、p型半導体材料への利用が考えられている。
【0004】
こうした酸化ニッケル薄膜に代表されるp型半導体薄膜を製造する際には、例えば、ゾル-ゲル法による湿式成膜や、スパッタリング法や原子層堆積法(ALD:Atomic layer deposition)などの乾式成膜が知られている。
【0005】
例えば、非特許文献1には、ゾル・ゲルディップ法によって、NiO薄膜をエピタキシャル成長させる方法が開示されている。
また、非特許文献2には、スパッタリングによって、NiO薄膜を成膜する方法が開示されている。
更に、非特許文献3には、ALDによって、NiO薄膜を成膜する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Takashi YASUDA and Shinji NAKAGOMI,石巻専修大学研究紀要 第32号55-59 2021年3月
Osamu Kohmoto, Hiromichi Nakagawa and Fumihisa Ono, Journal of the Japan Society of Powder and Powder Metallurgy Vol.46, No.8
Dibyashree Koushik, Marko Jost, Algirdas Ducinskas, Claire Burgess, Valerio Zardetto, Christ Weijtens, Marcel A. Verheijen, Wilhelmus M. M. Kessels, Steve Albrecht and Mariadriana Creatore, This journal is The Royal Society of Chemistry 2019,7,12532-12543
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に挙げたような、湿式成膜によって薄膜を形成する場合、膜成分を分散させた溶媒の蒸発によって、形成される薄膜には空隙が多数形成される。こうした空隙の多い薄膜を、例えばp型半導体薄膜として用いた場合、空隙によって導電率が低くなるため、光化学反応効率が低くなってしまうという課題があった。
【0008】
一方、非特許文献2、3に挙げたような、乾式成膜によって薄膜を形成する場合、形成された薄膜の結晶性が低いため、やはり導電率の低下によって、光化学反応効率が低くなってしまうという課題があった。また、ALDによる成膜は、原子層を1層ずつ積み上げて成膜するため、実用的な厚みの薄膜を成膜するために、成膜時間が非常に長くなり、生産性が低いという課題もある。
【0009】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、導電率が高く、かつ低コストで効率的に成膜が可能な、金属酸化物からなる薄膜、半導体電極、光電気化学用電極、薄膜の製造方法、および薄膜の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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