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公開番号
2024082661
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-20
出願番号
2022196651
出願日
2022-12-08
発明の名称
計算装置、プログラム、記憶媒体及び磁性合金
出願人
国立大学法人東北大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
弁理士法人よつ葉国際特許事務所
主分類
G16C
10/00 20190101AFI20240613BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】第一原理計算に関する新たな手法を提案する。
【解決手段】計算装置は、第一原理計算の対象とする合金の結晶構造を決定し、決定された原子構造と、添加された原子の配置との距離に基づいて格子を緩和する第1計算部と、緩和された結晶構造を初期構造として用いて第一原理計算を実行する第2計算部と、第一原理計算の結果に基づいてクラスター展開を実行する第3計算部と、を備え、クラスター展開の結果に基づいて、(1)クラスター変分法により自由エネルギーを計算し、計算状態図法により自由エネルギーを組成と温度の関数とする、又は、(2)モンテカルロ計算を実行するのいずれかが可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第一原理計算の対象とする合金の結晶構造を決定し、決定された原子構造と、添加された元素の原子位置との距離に基づいて格子を緩和する第1計算部と、
緩和された結晶構造を初期構造として用いて第一原理計算を実行する第2計算部と、
第一原理計算の結果に基づいてクラスター展開を実行する第3計算部と、を備える計算装置。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記第1計算部は、前記格子の緩和として、添加された元素の原子位置の最近接にあたる原子の位置を、添加された元素の原子位置の第二近接の原子の位置の距離になるように再配置する請求項1に記載の計算装置。
【請求項3】
前記第1計算部は、添加された元素の原子位置が異なる複数種類の結晶構造に対してそれぞれ格子を緩和し、
前記第2計算部は、前記複数種類の結晶構造それぞれに関する第一原理計算を、結晶構造の体積を異ならせて実行し、
前記第3計算部は、体積に応じた第一原理計算の結果と、体積-エネルギー理論曲線との誤差が、閾値を超えていない場合に、当該第一原理計算の結果に基づいてクラスター展開を実行する、請求項1に記載の計算装置。
【請求項4】
前記第3計算部によるクラスター展開の結果に基づいて、クラスター変分法により自由エネルギーを計算し、計算された自由エネルギーに計算状態図法を適用する第4計算部を備える請求項1に記載の計算装置。
【請求項5】
前記第3計算部によるクラスター展開の結果に基づいて、モンテカルロ計算を実行する第5計算部を備える請求項1に記載の計算装置。
【請求項6】
前記合金は、Fe、Co、Mn、Ni、Cr、及びTiのうち2以上の元素を含み、添加された元素として、N、及びCのいずれかを含む、請求項1に記載の計算装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の計算装置において、前記合金を第一原理計算を用いて推定するように構成されたプログラム
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを内蔵した記録媒体。
【請求項9】
Fe
(1-<x>-<y>-<z>)
、Mn
<x>
、Co
<y>
、N
<z>
(原子百分率:1%≦x≦3%、8%≦y≦12%、4%≦z≦6%)のからなる磁性合金であって、Fe-Mn-Nと、Fe-Coの二相に分離している磁性合金。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一原理計算を行う計算装置等に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、実験などの経験的パラメータを必要としない第一原理計算を用いて、結晶構造のエネルギーや磁気モーメントのような物性値を求め、新規な合金等の予測、設計することが知られている。
例えば、非特許文献1-3には、第一原理計算によって得られたエネルギーをクラスターで展開して各クラスターの相互作用を求め(クラスター展開法)、さらにクラスター変分法により最適なクラスター配列を求めるとともにエントロピー項を記述することによって、有限温度における固溶体の自由エネルギーを算出した例が記載されている。
【0003】
また、非特許文献3には、クラスター展開法によって得られた、個々のクラスターに割り当てた有効クラスター相互作用(Effective Cluster Interactions : ECIs)に基づいて、有限温度で出現する原子配列を計算するモンテカルロ計算を行った例が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Tatsuya TOKUNAGA et al., ‘Recent Trends and Future Perspective of Phase Diagram Calculations’Journal of MMIJ Vol.127 p.473-478(2011)
Masanori Enoki et al., ‘Thermodynamic Analysis of the Formation Process of Metastable Carbides in Iron-Carbon Martensite’Tetsu-to-Hagane Vol.106, No.6,pp.342-351(2020)
Masanori Enoki et al., ‘Monte Carlo Simulation for Formation of Ti and N atoms Nanoclusters in BCC-Fe’Tetsu-to-Hagane Vol.105(2019) No.2 Page. 334-342(2019)
田中 功他「材料電子論入門―第一原理計算の材料科学への応用」内田老鶴圃(2017)、p.121-126
P. Soven, Phys. Rev.?156?(1967) 809.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クラスター展開法の基礎となる第一原理計算によって得られる結果は、クラスター展開法以降の、クラスター変分法による自由エネルギー計算や、モンテカルロ計算等に影響することから、実際の結晶構造に則した結果となることが望ましい。
従来の、第一原理計算を用いた上記手法は、相互作用が格子や構造に依存するため、原子が大きく変位するものや、構造がエネルギーや物性の影響で大きく歪む構造のなどの予測精度が低いという問題があった。そのため、本発明が対象とする侵入型固溶元素を含む系のように歪みが大きい合金の設計では、特定の系以外は、非常に予測精度が低いものであった。
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、第一原理計算に関する新たな手法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の発明は、第一原理計算の対象とする合金の結晶構造を決定し、決定された原子構造と、添加された元素の原子位置との距離に基づいて格子を緩和する第1計算部と、緩和された結晶構造を初期構造として用いて第一原理計算を実行する第2計算部と、第一原理計算の結果に基づいてクラスター展開を実行する第3計算部と、を備える計算装置、及び、計算装置に用いられるプログラム、プログラムを内蔵した記憶媒体及びそれらの計算装置から計算される磁性合金である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第一原理計算に基づいて得られる結果を、より実際の結晶構造に則した結果とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
計算装置の一例を示すブロック図。
初期構造の緩和の一例を示す図。
計算処理の流れの一例を示すフローチャート。
第一原理計算の結果と理論曲線との比較例を示す図。
構造緩和前と構造緩和後のエネルギーの比較例を示す図。
モンテカルロ計算結果の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例について図面を参照して説明する。
本実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[実施形態]
図1は、本実施形態に係る計算装置1の構成の一例を示す図である。
計算装置1は、第一原理計算に基づいて、金属合金の自由エネルギーや磁気モーメント等の物性値を計算することが可能な計算装置である。
(【0011】以降は省略されています)
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