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公開番号2024080441
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193630
出願日2022-12-02
発明の名称電気化学反応装置および電気化学反応装置スタック
出願人株式会社SOKEN,株式会社デンソー,国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類C25B 3/26 20210101AFI20240606BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】CO2の還元反応による狙いの化合物の選択性向上、狙いの化合物の生成量を増加可能な電気化学反応装置、これを用いた電気化学反応装置スタックを提供する。
【解決手段】電気化学反応装置1は、CO2還元セル2と、水素ポンプセル3と、CO2を含むガスG1が導入されるガス導入部41を備えるガス流路4とを有する。CO2還元セル2は、酸化物イオン伝導体20と、CO2を含むガスG1からCO2を電気化学的に還元可能な第1カソード電極21と、酸化物イオンを酸素として放出可能な第1アノード電極22とを備える。水素ポンプセル3は、水素イオン伝導体30と、水素原子を含むガスG2から水素イオンを解離可能な第2アノード電極32と、水素イオンが供給される第2カソード電極31とを備える。第1カソード電極21と第2カソード電極31とは、CO2の還元を促す触媒体5が設けられたガス流路4内に設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸化物イオンを移動させることが可能な酸化物イオン伝導体(20)と、上記酸化物イオン伝導体の一方面に設けられ、CO

を含むガス(G1)から上記CO

を電気化学的に還元可能な第1カソード電極(21)と、上記酸化物イオン伝導体の他方面に設けられ、上記酸化物イオン伝導体を通って移動した上記酸化物イオンを酸素として放出可能な第1アノード電極(22)と、を備えるCO

還元セル(2)と、
水素イオンを移動させることが可能な水素イオン伝導体(30)と、上記水素イオン伝導体の一方面に設けられ、水素原子を含むガス(G2)から水素イオンを解離可能な第2アノード電極(32)と、上記水素イオン伝導体の他方面に設けられ、上記水素イオン伝導体を通って移動した上記水素イオンが供給される第2カソード電極(31)と、を備える水素ポンプセル(3)と、
上記CO

を含むガスが導入されるガス導入部(41)を備えるガス流路(4)と、を有しており、
上記CO

還元セルの上記第1カソード電極と、上記水素ポンプセルの上記第2カソード電極とが、互いに向かい合うように上記ガス流路内に設けられており、
上記ガス流路内に、上記CO

の還元を促す触媒体(5)が設けられている、
電気化学反応装置(1)。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
上記ガス流路は、上記第1カソード電極および上記第2カソード電極が配置される領域部分より構成されるチャンバ部(42)と、上記チャンバ部と連通し上記チャンバ部の下流に配置された下流側流路部(44)と、を有しており、
上記触媒体は、上記チャンバ部および上記下流側流路部のうち少なくとも一方に設けられている、
請求項1に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項3】
上記触媒体は、上記第1カソード電極と上記第2カソード電極との間に形成される電極間空間(420)に配置されている、および/または、
上記第1カソード電極および上記第2カソード電極のうち少なくとも一方に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項4】
上記触媒体は、
Sn、In、Ga、Ge、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ir、Pt、Au、Ru、Rh、Pd、Ag、Zr、Nb、Mo、Ta、および、Wからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する、
請求項1または請求項2に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項5】
上記チャンバ部を通過した反応後のガス(G3)の少なくとも一部を、上記チャンバ部へ循環可能に構成されている、
請求項2に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項6】
上記チャンバ部を通過した反応後のガス(G3)を上記ガス導入部へ循環させる循環流路部(61)と、
上記反応後のガスを排気する排気流路部(62)と、
上記反応後のガスが流入し、当該ガスを上記循環流路部または上記排気流路部に流れるように切り換える切換弁部(63)と、
上記反応後のガスの水素濃度を測定する水素センサ(64)と、
上記反応後のガスの酸素濃度を測定する酸素センサ(65)と、を有しており、
上記水素センサによる水素濃度および上記酸素センサによる酸素濃度の少なくとも一方が所定の濃度に達するまで、上記反応後のガスの全部または一部を、上記切換弁部、上記循環流路部および上記ガス導入部を介して上記チャンバ部へ循環させるように構成されている、
請求項2に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項7】
上記触媒体は、上記チャンバ部に設けられており、
上記CO

を含むガスを上記チャンバ部内に所定時間滞留させるように構成されている、
請求項2に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項8】
上記触媒体は、上記第1カソード電極と上記第2カソード電極との間に形成される電極間空間(420)に配置されており、
上記チャンバ部は、
上記CO

を含むガスが、上記ガス導入部から上記第1カソード電極に導入され、上記第1カソード電極内を通過し、上記電極間空間に流入した後、上記下流側流路部に排出されるように構成された流路構造(421)を有する、
請求項2に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項9】
上記第1カソード電極における上記ガス導入部側の端面を開口した状態とするとともに、上記第2カソード電極および上記電極間空間における上記ガス導入部側の端面をガス封止する上流側封止部(451)と、
上記電極間空間における上記ガス導入部側とは反対側の端面を開口した状態とするとともに、上記第1カソード電極および上記第2カソード電極における上記ガス導入部側とは反対側の端面をガス封止する下流側封止部(452)と、を有する、
請求項8に記載の電気化学反応装置(1)。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の上記電気化学反応装置が複数積層された積層構造(10)を有しており、
上記積層構造は、隣接する上記電気化学反応装置における各上記水素ポンプセルの上記第2アノード電極同士が互いに隙間(101a)を挟んだ状態で配置された第1の配置構造(101)、および、隣接する上記電気化学反応装置における各上記CO

還元セルの第1アノード電極同士が互いに隙間(102a)を挟んだ状態で配置された第2の配置構造(102)のうち少なくとも一方を含んでおり、
隣接する上記電気化学反応装置の一方から排出された反応後のガス(G3)が、隣接する上記電気化学反応装置の他方の上記ガス導入部に導入されるように、隣接する上記電気化学反応装置の各上記ガス流路が連通しており、
上記第1の配置構造における隙間に、上記水素原子を含むガスが供給されるように構成されている、
電気化学反応装置スタック(1S)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学反応装置および電気化学反応装置スタックに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、CO

を電気化学的に還元し水素化することにより、CH

などの狙いの化合物を生成させる電気化学反応装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、水を酸化して酸素を生成するためのアノードと、水を含む第1の電解液を流すために設けられかつアノードに面する電解液流路と、二酸化炭素を還元して炭素化合物を生成するためのカソードと、アノードとカソードとを分離するセパレータと、アノードおよびカソードに電気的に接続された電源と、二酸化炭素を流すために設けられかつカソードに面する第1の流路、および、第2の電解液を流すために設けられかつカソードに面する第2の流路を備える流路板と、を具備する電気化学反応装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-154898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CO

を電気化学的に還元し水素化させる反応において、得られる化合物の種類を決定する要素は化学ポテンシャルである。複数の元素が反応に関わる場合、各元素の化学ポテンシャルによって得られる化合物が変化する。そのため、上述した従来技術では、導入する原料ガスの各分圧や電極に印加する電圧などにより、電極表面の反応場近傍における各元素の化学ポテンシャルを制御し、化合物を選択している。
【0006】
しかしながら、導入する原料ガスの分圧により制御できる化学ポテンシャルには限界がある。また、単一の電気化学セルにおいては、複数の各元素の化学ポテンシャルを個別に制御することができない。そのため、従来技術では、狙いの化合物の選択性を向上させることが難しい。また、選択的に合成した狙いの化合物はできる限り生成量が多いことが望まれる。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、CO

の還元反応による狙いの化合物の選択性を向上させることができ、狙いの化合物の生成量を増加させることが可能な電気化学反応装置、また、これを用いた電気化学反応装置スタックを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
酸化物イオンを移動させることが可能な酸化物イオン伝導体(20)と、上記酸化物イオン伝導体の一方面に設けられ、CO

を含むガス(G1)から上記CO

を電気化学的に還元可能な第1カソード電極(21)と、上記酸化物イオン伝導体の他方面に設けられ、上記酸化物イオン伝導体を通って移動した上記酸化物イオンを酸素として放出可能な第1アノード電極(22)と、を備えるCO

還元セル(2)と、
水素イオンを移動させることが可能な水素イオン伝導体(30)と、上記水素イオン伝導体の一方面に設けられ、水素原子を含むガス(G2)から水素イオンを解離可能な第2アノード電極(32)と、上記水素イオン伝導体の他方面に設けられ、上記水素イオン伝導体を通って移動した上記水素イオンが供給される第2カソード電極(31)と、を備える水素ポンプセル(3)と、
上記CO

を含むガスが導入されるガス導入部(41)を備えるガス流路(4)と、を有しており、
上記CO

還元セルの上記第1カソード電極と、上記水素ポンプセルの上記第2カソード電極とが、互いに向かい合うように上記ガス流路内に設けられており、
上記ガス流路内に、上記CO

の還元を促す触媒体(5)が設けられている、
電気化学反応装置(1)にある。
【0009】
本発明の他の態様は、
上記電気化学反応装置が複数積層された積層構造(10)を有しており、
上記積層構造は、隣接する上記電気化学反応装置における各上記水素ポンプセルの上記第2アノード電極同士が互いに隙間(101a)を挟んだ状態で配置された第1の配置構造(101)、および、隣接する上記電気化学反応装置における各上記CO

還元セルの第1アノード電極同士が互いに隙間(102a)を挟んだ状態で配置された第2の配置構造(102)のうち少なくとも一方を含んでおり、
隣接する上記電気化学反応装置の一方から排出されたガスが、隣接する上記電気化学反応装置の他方の上記ガス導入部に導入されるように、隣接する上記電気化学反応装置の各上記ガス流路が連通しており、
上記第1の配置構造における隙間に、上記水素原子を含むガスが供給されるように構成されている、
電気化学反応装置スタック(1S)にある。
【発明の効果】
【0010】
上記電気化学反応装置は、上記構成を有する。そのため、上記電気化学反応装置は、CO

還元セルの第1カソード電極および第1アノード電極に電気的に第1電源を接続し、水素ポンプセルの第2カソード電極および第2アノード電極に電気的に第2電源を接続することにより、CO

還元セルおよび水素ポンプセルに対しそれぞれ独立して電圧を印加することができる。そのため、上記電気化学反応装置によれば、同じガス流路内におけるO元素の化学ポテンシャルとH元素の化学ポテンシャルとを独立して同時に制御することが可能になる。それ故、上記電気化学反応装置は、CO

を還元して任意のHまたはOを付与あるいは脱離させ、選択的に狙いの化合物を合成することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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