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公開番号2024084458
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2022198740
出願日2022-12-13
発明の名称超臨界・亜臨界流体装置、溶媒抽出分離方法及び製品の製造方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01D 11/00 20060101AFI20240618BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】スラリーを含む分離物を液相側から取り出す場合においても、背圧弁や配管等に閉塞が生じることがなく、生産性及びメンテナンス性に優れた超臨界・亜臨界流体装置及びそれを用いた溶媒抽出分離方法並びに製品の製造方法を提供する。
【解決手段】分離抽出用カラム30と、第一の送液部10と、第二の送液部20と、分離抽出用カラム30内を、超臨界状態の流体Cを超臨界流体状態に保つ第一の加圧状態とする第一の背圧調整機構40と、分離抽出用カラム30内を、超臨界状態の流体Cを超臨界流体状態に保つ第二の加圧状態とする第二の背圧調整機構50と、第一の背圧調整機構40及び第二の背圧調整機構50を制御する制御部と、を備え、制御部は、第一の加圧状態に対し、第二の加圧状態を所定の圧力差で低下させるように、第一の背圧調整機構40及び第二の背圧調整機構50を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
分離抽出用カラムと、
前記分離抽出用カラムの下部に第一の流路を介して接続され、超臨界流体となる移動相を供給する第一の送液部と、
前記分離抽出用カラムの上部に第二の流路を介して接続され、分離対象物を供給する第二の送液部と、
前記分離抽出用カラムの下部に第三の流路を介して接続され、前記分離抽出用カラム内を、前記移動相を超臨界流体状態に保つ第一の加圧状態とする第一の背圧調整機構と、
前記分離抽出用カラムの上部に第四の流路を介して接続され、前記分離抽出用カラム内を、前記移動相を超臨界流体状態に保つ第二の加圧状態とする第二の背圧調整機構と、
前記第一の背圧調整機構及び前記第二の背圧調整機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第一の加圧状態に対し、前記第二の加圧状態を所定の圧力差で低下させるように、前記第一の背圧調整機構及び前記第二の背圧調整機構を制御することを特徴とする、超臨界・亜臨界流体装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第三の流路は、前記第一の背圧調整機構の分離抽出用カラム側に接続された流路の断面積よりも、前記第一の背圧調整機構の下流の流路の断面積が大きいことを特徴とする、請求項1に記載の超臨界・亜臨界流体装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一の加圧状態に対し、前記第二の加圧状態が0.05MPa~0.15MPaの範囲で低い圧力となるように、前記第一の背圧調整機構及び前記第二の背圧調整機構を制御することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の超臨界・亜臨界流体装置。
【請求項4】
前記制御部は、
(i)前記第一の背圧調整機構を閉塞した状態で、前記第二の背圧調整機構を第一の所定時間開放して、第一の所定量の抜き出しを行うことで、前記第一の加圧状態に対して、前記第二の加圧状態を減圧し、
(ii)前記第二の背圧調整機構を閉塞した状態で、前記第一の背圧調整機構を第二の所定時間開放して、第二の所定量の抜き出しを行い、
(iii)前記(i)及び前記(ii)の操作を繰り返して、前記第一の加圧状態に対して、前記第二の加圧状態を、前記所定の圧力差で低い圧力となるように制御を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の超臨界・亜臨界流体装置。
【請求項5】
前記分離対象物がスラリー状の目的物質を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の超臨界・亜臨界流体装置。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、前記第二の背圧調整機構を閉鎖するとともに、前記第一の背圧調整機構を開放することにより、前記分離対象物に含まれる前記スラリー状の目的物質を含有した抽出物を採取するように制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の超臨界・亜臨界流体装置。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の超臨界・亜臨界流体装置を用いて、前記分離抽出用カラム内において、前記超臨界流体となる前記移動相と前記分離対象物とを向流接触させ、前記分離対象物から溶媒を抽出して分離することにより、前記分離対象物から目的物質を分離回収する、溶媒抽出分離方法。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の超臨界・亜臨界流体装置を用いて、前記分離対象物から目的物質を濃縮分離し、前記濃縮分離した前記目的物質を機能性成分として含む製品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界・亜臨界流体装置、及び、それを用いた溶媒抽出分離方法、並びに製品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、人々の健康志向の向上や安全性への関心の高まりから、天然由来の機能性成分の利用が注目されている。これらの成分は、食品分野から医療分野まで、健康維持・増進を目的とした利用について注目されており、特に、サプリメント、健康食品・飲料等の食品関連分野における利用に関して、より一層の注目を集めている。また、化粧品や一般・医療用医薬品等の分野においても、天然由来の機能性成分は、製品の付加価値向上に向けたキーマテリアルとして注目されている。
【0003】
これら、天然由来の機能性成分に関連した、医薬や食品の素材の製造プロセスにおいては、目的物質を溶解させることを目的として、高環境負荷の有機溶媒を多量に使用する場合がある。
一方、有機溶媒の中には、人体に影響を及ぼすものも存在することから、厚生労働省(日本国)は、医薬品の製造における残量溶媒のガイドラインを設定しており、一般に周知されている(参照:インターネットURL;HTTPS://WWW.pmda.go.jp/files/000156502.pdf)。
【0004】
現時点では、上記のような規制のもとに製造された医薬品やサプリメント、食品等を、長期的に経口・経皮接種する患者又は使用者において、残留溶媒に起因する副作用等の問題が生じているか否かは明らかとなっていない。また、食品添加物等の製造プロセスにおいても上記に類似した規制があるが、目的物質の溶解に有機溶媒を使用する限り、上述したような残留溶媒に関する問題は避けられない。
【0005】
上記のような背景のもと、本発明者等は、安心且つ安全な医薬食品素材を製造するための技術として、例えば、水やエタノ―ル、二酸化炭素(CO

)といった自然界に大量に存在する物質のみを用いた、人間や環境に優しい溶媒抽出分離技術について、鋭意研究を進めてきた。本発明者等は、下記非特許文献1において、上記の各物質のうち、水は高極性、エタノールは両親媒性、CO

は高圧下においてn-hexaneに匹敵する低極性溶媒としてそれぞれ機能することに基づき、これらの特性を高圧下で高度に活用した方法を提案している。非特許文献1には、溶媒を抽出して分離する向流型の超臨界流体装置として、抽出分離カラムの上部からは気体を(気相)、下部(底部)からは分離物(液相:目的物質を含む)を回収し、且つ、抽出分離カラムにおける気相と液相の2つの吐出口の各々に連動式自動背圧弁を設けた構成の装置を開示している。非特許文献1に開示した超臨界流体装置によれば、上記構成により、各背圧弁の開状態-閉状態の時間間隔を制御することが可能となるので、一度分離された気液両相の連続送液に不具合が生じることなく、溶媒の抽出分離を効率良く確実に行うことが可能となる。
【0006】
また、非特許文献2においては、並流型の流体装置における抽出容器(カラム)が急速に減圧することで容器が損傷するのを防止することを目的として、抽出容器からの抽出時間に下限を設けることが提案されている。
【0007】
また、特許文献1には、超臨界を用いてアルコールを濃縮するのにあたり、向流接触装置を用いて、発酵アルコール供給ラインから原料を、溶解剤供給ラインから溶解剤を投入し、これらを向流で接触させる向流接触装置が提案されている。特許文献1の向流接触装置によれば、上部のアルコール等の軽液の取り出しラインからアルコールを、下部の水等の重液の取り出しラインから水を取り出す構成とされ、上部のラインに設けられた減圧弁を開放して減圧することにより、不純物分離槽にアルコール等を取り出し、相分離できる構成とされている。
【0008】
また、特許文献2には、金属含有物質からウラン等を回収するシステムが提案されている。特許文献2に記載のシステムは、超臨界流体溶媒等を含む金属含有物質が、第一ステーション、第二ステーションに配置され、抽出材が第二ステーションに導入された後、第一ステーション18に導入され、金属を抽出する。その後、抽出物を剥離カラムに移動させ、気体成分を分離器に移動させ減圧した後、気体と錯化剤に分離する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭62-25985号公報
特表2008-533442号公報
【非特許文献】
【0010】
Y.Hoshino et al.,‘Fractionation of hops-extract-ethanol solutions using dense CO2 with a counter-current extraction column’,The Journal of Supercritical Fluids 136(2018),37-43
E.A. Richter et al.,‘Thermodynamic properties of CO2 during controlled decompression of supercritical extraction vessels’,J. of Supercritical Fluids 98(2015),102-110
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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