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公開番号2024084161
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2022198274
出願日2022-12-13
発明の名称化合物、被膜、容器材料および管材
出願人株式会社C&A,国立大学法人東北大学
代理人
主分類C22C 5/04 20060101AFI20240618BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐食性に優れた化合物、被膜、容器材料および管材を提供する。
【解決手段】MoおよびRuを含む3種以上の金属元素を合成し、冷却熱処理することによりσ相を含む化合物を形成し、得られた化合物を被膜、容器材料、または、管材として耐食性が求められる製品に用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
三種以上の金属を含み、かつ、一種以上の結晶相を含む化合物であって、前記結晶相がσ相を含むことを特徴とする化合物。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記金属が周期律表第6族の金属を含む請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記金属がMoを含む請求項1記載の化合物。
【請求項4】
前記金属がMoおよびRuを含む請求項1記載の化合物。
【請求項5】
前記金属がMo、RuおよびWを含む請求項1記載の化合物。
【請求項6】
前記結晶相が、さらに、HCP相を含む請求項1記載の化合物。
【請求項7】
化合物を含む被膜であって、前記化合物が請求項1記載の化合物である被膜。
【請求項8】
化合物を含む容器材料であって、前記化合物が請求項1記載の化合物である容器材料。
【請求項9】
内壁側に前記化合物を含む請求項8記載の容器材料。
【請求項10】
化合物を含む管材であって、前記化合物が請求項1記載の化合物である管材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐食性に優れた化合物、被膜、容器材料および管材に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来ステンレス等は汎用的な材料として種々の分野に用いられている。近年においては不働態被膜などを形成して、耐食性を改善するなどの検討がなされている。また、耐食性に優れた金属材料の開発も進められており、例えば、Ti等の耐食性に優れた金属を用いた合金などが開発されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0003】
しかしながら、いずれの材料も汎用性に乏しく、また、耐食性においてもまだまだ満足のいくものではなかった。例えば、ステンレスに不働態被膜を形成するにしても、工程が煩雑になり、形成手法も容易ではなく、満足のいくものではなかった。また、合金についても、形成手法が容易ではなく、加工性、意図しない結晶相の発生による機械特性の劣化などの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7175477号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、耐食性および機械的特性に優れた化合物、被膜、容器材料および管材を提供することを目的とする。また、本発明は、前記化合物を工業的有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、三種以上の金属を含み、かつ、一種以上の結晶相を含む化合物であって、前記結晶相がσ相を含む化合物が、耐食性に優れ、容易に形成することができるものであり、機械的特性にも優れている事を知見し、さらに、検討を重ね、三元系の金属からなる合金において、特に優れた物性を発揮できる事等種々知見し、このような化合物が上記した従来の問題を一挙に解決できるものである事を見出した。
また本発明者らは上記知見を得た後、更に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 三種以上の金属を含み、かつ、一種以上の結晶相を含む化合物であって、前記結晶相がσ相を含むことを特徴とする化合物。
[2] 前記金属が周期律表第6族の金属を含む前記[1]に記載の化合物。
[3] 前記金属がMoを含む前記[1]記載の化合物。
[4] 前記金属がMoおよびRuを含む前記[1]記載の化合物。
[5] 前記金属がMo、RuおよびWを含む前記[1]記載の化合物。
[6] 前記結晶相が、さらに、HCP相を含む前記[1]記載の化合物。
[7] 化合物を含む被膜であって、前記化合物が前記[1]記載の化合物である被膜。
[8] 化合物を含む容器材料であって、前記化合物が前記[1]記載の化合物である容器材料。
[9] 内壁側に前記化合物を含む前記[8]記載の容器材料。
[10] 化合物を含む管材であって、前記化合物が前記[1]記載の化合物である管材。
[11] 内管側に前記化合物を含む前記[10]記載の管材。
[12] MoおよびRuを含む3種以上の金属元素を合成し、冷却熱処理することによりσ相を含む化合物を形成することを特徴とする、化合物の製造方法。
[13] 化合物、被膜、容器材料、または、管材を含む製品であって、前記化合物が前記[1]記載の化合物であり、前記被膜が前記[7]に記載の被膜であり、前記容器材料が前記[8]記載の容器材料であり、前記管材が前記[10]記載の管材である製品。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化合物、被膜、容器材料および管材は耐食性および機械的特性に優れている。また、本発明の製造方法によれば、前記化合物を工業的有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例における耐食性試験の結果を示す図である。
実施例における機械的特性試験の結果を示す図である。
実施例における硬さ試験の結果を示す図である。
実施例における硬さ試験の結果を示す図である。
本発明における反応容器の内壁材として適用した場合の好適な態様を模式的に示す図である。
本発明における配管の内壁材として適用した場合の好適な態様を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の化合物は、三種以上の金属を含み、かつ、一種以上の結晶相を含む化合物であって、前記結晶相がσ相を含むことを特徴とする。本明細書において、「σ相」および「HCP相」は25℃、1気圧における結晶相のことを言う。本発明においては、前記金属が周期律表第6族の金属を含むのが好ましい。前記金属がMoを含むのが好ましい。これら好ましい範囲によれば、より機械的特性を向上させることができる。また、本発明においては、前記金属がMoおよびRuを含むのが好ましい。この好ましい範囲によれば、より耐食性を向上させることができる。前記金属が、Ruを50重量%以上含むのがより好ましく、このような好ましい範囲によれば、耐食性および機械的特性をより向上させることができる。また、本発明においては、前記結晶相がHCP相を含むのが好ましい。HCP相を含ませることにより、機械加工性をより向上させることができる。なお、本発明においては、前記結晶相が、σ相を含むものであるが、その含有割合は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、通常、50wt%以下である。また、本発明においては、前記結晶相が、σ相以外の結晶相を含んでいてもよく、主成分が、σ相以外の結晶相であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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