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公開番号2024064550
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022173217
出願日2022-10-28
発明の名称揮発性有機化合物の回収装置および回収方法
出願人日産自動車株式会社,国立大学法人東北大学
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類B01D 53/04 20060101AFI20240507BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】エネルギーロスを低減しつつ小型化が可能な手法により、揮発性有機化合物を回収しうる手段を提供する。
【解決手段】応力を解放および印加することによって揮発性有機化合物の蒸気を吸着し前記蒸気またはその液化物を脱離する多孔質炭素材料に対して、前記揮発性有機化合物の蒸気を吸着させ、前記蒸気を吸着した前記多孔質炭素材料に対して応力を印加することにより、前記多孔質炭素材料から前記蒸気またはその液化物を脱離させ、前記多孔質炭素材料から脱離した前記蒸気またはその液化物を回収する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
揮発性有機化合物の蒸気を吸着剤に吸着させた後に前記蒸気またはその液化物を脱離させて回収する揮発性有機化合物の回収装置であって、
応力を解放および印加することによって前記蒸気を吸着し前記蒸気またはその液化物を脱離する多孔質炭素材料を含む吸脱着部と、
前記多孔質炭素材料に対して、前記応力の解放および印加を行う応力印加部と、
前記多孔質炭素材料から脱離した前記蒸気またはその液化物を回収する回収部と、
を備える、揮発性有機化合物の回収装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記吸脱着部は、密封可能なセルと、前記セルの内部に配置された前記多孔質炭素材料と、を含む、請求項1に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項3】
前記応力印加部は、前記セル内の空間に前記蒸気が存在しないときに、下記数式1:
JPEG
2024064550000006.jpg
10
161
式中、Tは前記多孔質炭素材料の温度[K]であり、Rは気体定数(8.31[J/(K・mol)])であり、P

は前記温度T[K]における前記揮発性有機化合物の飽和蒸気圧であり、Vは前記セル内で前記蒸気が存在可能な空間の体積[m

]であり、n

は前記応力の印加により前記多孔質炭素材料から脱離する前記揮発性有機化合物の物質量[mol]である、
を満たす条件で前記多孔質炭素材料に対して応力を印加し、前記回収部は前記揮発性有機化合物の蒸気の少なくとも一部を前記液化物として回収する、請求項2に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項4】
前記応力印加部は、前記セル内の空間に前記蒸気が前記多孔質炭素材料の温度における飽和蒸気量未満の量で存在するときに、下記数式2:
JPEG
2024064550000007.jpg
10
161
式中、Tは前記多孔質炭素材料の温度[K]であり、Rは気体定数(8.31[J/(K・mol)])であり、P

は前記温度T[K]における前記揮発性有機化合物の飽和蒸気圧であり、Vは前記セル内で前記蒸気が存在可能な空間の体積[m

]であり、n

は前記応力の印加により前記多孔質炭素材料から脱離する前記揮発性有機化合物の物質量[mol]であり、n

は前記応力の印加前に前記セル内の空間に存在する前記揮発性有機化合物の蒸気の物質量[mol]である、
を満たす条件で前記多孔質炭素材料に対して応力を印加し、前記回収部は前記揮発性有機化合物の蒸気の少なくとも一部を前記液化物として回収する、請求項2に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項5】
前記応力印加部は、前記セル内の空間に前記蒸気が前記多孔質炭素材料の温度における飽和蒸気量で存在するときに、下記数式3:
JPEG
2024064550000008.jpg
10
161
式中、Tは前記多孔質炭素材料の温度[K]であり、Rは気体定数(8.31[J/(K・mol)])であり、P

は前記温度T[K]における前記揮発性有機化合物の飽和蒸気圧であり、Vは前記セル内で前記蒸気が存在可能な空間の体積[m

]であり、n

は前記応力の印加前に前記セル内の空間に存在する前記揮発性有機化合物の蒸気の物質量[mol]である、
を満たす条件で前記多孔質炭素材料に対して応力を印加し、前記回収部は前記揮発性有機化合物の蒸気の少なくとも一部を前記液化物として回収する、請求項2に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項6】
前記多孔質炭素材料についてのCu-Kα線を用いたX線回折スペクトルにおける炭素の(10)面に由来するピークの半値幅が1.2~3.2°の範囲内の値である、請求項1または2に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項7】
前記多孔質炭素材料のBET比表面積が800~2600m

/gである、請求項1または2に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項8】
前記多孔質炭素材料の細孔容積が2.0mL/g以上である、請求項1または2に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項9】
前記多孔質炭素材料が、ゼオライトテンプレートカーボン(ZTC)、グラフェンメソスポンジ(GMS)または炭素メソスポンジ(CMS)を含む、請求項1または2に記載の揮発性有機化合物の回収装置。
【請求項10】
応力を解放および印加することによって揮発性有機化合物の蒸気を吸着し前記蒸気またはその液化物を脱離する多孔質炭素材料に対して、前記揮発性有機化合物の蒸気を吸着させることと、
前記蒸気を吸着した前記多孔質炭素材料に対して応力を印加することにより、前記多孔質炭素材料から前記蒸気またはその液化物を脱離させることと、
前記多孔質炭素材料から脱離した前記蒸気またはその液化物を回収することと、
を含む、揮発性有機化合物の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性有機化合物の回収装置および回収方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
大気環境中に含まれる微小粒子状物質の規制は世界的規模でなされており、我が国は、大気汚染防止法その他の関係法令により、微小粒子状物質の大気中への放出を規制している。
【0003】
微小粒子状物質とは、大気中に浮遊する小さな粒子のうち、粒子径が2.5μm以下の粒子のことをいう。その成分には、炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩のほか、ケイ素、ナトリウム、アルミニウムなどの無機元素などが含まれる。さまざまな粒径のものが含まれており、地域や季節、気象条件などによって組成が変動する。この微小粒子状物質は、物の燃焼などによって直接排出されるもの(一次生成粒子)と、環境大気中での化学反応により生成されたもの(二次生成粒子)とに大別される。このうち二次生成粒子は、溶剤・塗料の使用時や石油取扱施設からの蒸発、森林などから排出される揮発性有機化合物(VOC)等のガス状物質が、大気中で光やオゾンと反応することにより生成される。特に、揮発性有機化合物の排出量は、発生源として塗料、洗浄剤、接着剤、インキからの排出が全体の約75%を占め、業種別に見ても、塗料等を多く扱う業種からの排出が大部分を占める現状にある。
【0004】
例えば、一般的な塗装工場は、建屋内にいくつかの塗装ブースと乾燥ライン、塗料の配合・供給場所、また被塗装材の搬入と塵埃除去、研磨装置等があり、排気は複数の排気口に設けたプレフィルタで大粒のミストや塵埃を除き、専用の排気ダクトを通って外部の活性炭やゼオライトなどを充填した回収システムで吸着処理してから大気中に放出する。また、揮発性有機化合物の処理手法としては、大別して、燃焼法、吸着法、その他の手法がある。このうち吸着法は、揮発性有機化合物を物理的・化学的に吸着して回収する手法であり、揮発性有機化合物の吸着と脱離を繰り返して、吸着剤を再生しながら行う手法である。
【0005】
従来、吸着法を用いて揮発性有機化合物を回収する手段として、特許文献1には、吸着剤を充填した吸着槽を備えた有機溶剤吸脱着装置に、有機溶剤を含有する被処理ガスを導入し、有機溶剤を当該吸着槽で吸着処理して有機溶剤濃度が減少した処理済みガスを排出し、当該吸着槽における吸着処理が完了した後に、前記有機溶剤吸脱着装置へスチームを導入して吸着剤から有機溶剤を脱離し、それによって吸着剤を再生する有機溶剤含有ガス処理システムが開示されている。そして、スチームの導入により有機溶剤を脱離可能な吸着剤としては、粒状活性炭や活性炭素繊維、ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-273975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示されているような従来の有機溶剤含有ガス処理システムでは、揮発性有機化合物(有機溶剤)を吸着した吸着剤に対して加熱したガス(スチーム等)を供給することで溶剤蒸気を脱離させることから、エネルギーロスがあって低効率であり、配管も多く体積が大きいという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、エネルギーロスを低減しつつ小型化が可能な手法により、揮発性有機化合物を回収しうる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、応力を解放および印加することによって揮発性有機化合物の蒸気を吸着し前記蒸気またはその液化物を脱離する多孔質炭素材料に対して揮発性有機化合物の蒸気を吸着させ、当該蒸気を吸着した多孔質炭素材料に対して応力を印加して当該蒸気またはその液化物を脱離させ、多孔質炭素材料から脱離した当該蒸気またはその液化物を回収するという方法により上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち本発明の一形態は、揮発性有機化合物の蒸気を吸着剤に吸着させた後に前記蒸気またはその液化物を脱離させて回収する揮発性有機化合物の回収装置であって、応力を解放および印加することによって前記蒸気を吸着し前記蒸気またはその液化物を脱離する多孔質炭素材料を含む吸脱着部と、前記多孔質炭素材料に対して、前記応力の解放および印加を行う応力印加部と、前記多孔質炭素材料から脱離した前記蒸気またはその液化物を回収する回収部とを備える、揮発性有機化合物の回収装置である。
(【0011】以降は省略されています)

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