TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024085661
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200304
出願日2022-12-15
発明の名称有機溶媒の回収方法及びシステム
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 61/36 20060101AFI20240620BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】スクラバーにおいて有機溶媒を含む気体と水とを接触させることにより有機溶媒を回収するときに、スクラバーにおける純水の使用量を低減しつつスクラバーからの処理ガスに含まれる有機成分の量も低減する。
【解決手段】スクラバー1において有機溶媒を含む気体と水とを接触させて有機溶媒と水との混合液を得て、浸透気化装置3などの分離装置において混合液から有機溶媒と水とを分離する。分離された水を逆浸透膜6で処理して逆浸透膜6を透過した水をスクラバー1に供給する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機溶媒を含む気体から前記有機溶媒を回収する回収方法であって、
前記気体と水とを接触させて前記有機溶媒と水との混合液を得る接触工程と、
前記混合液から前記有機溶媒と水とを分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された水を逆浸透膜で処理する水処理工程と、
を有し、
前記逆浸透膜を透過した水を前記接触工程に供給する回収方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記分離工程は、浸透気化または蒸留により前記有機溶媒と水とを分離する工程である、請求項1に記載の回収方法。
【請求項3】
前記水処理工程は、
前記分離工程で分離されて前記有機溶媒の濃度が閾値未満である水を貯槽に供給する工程と、
前記貯槽内に貯えられた液体を逆浸透膜装置によって処理して透過水と濃縮水とに分離し、前記逆浸透膜装置からの濃縮水の少なくとも一部を前記貯槽に供給する工程と、
前記貯槽内の液体における前記有機溶媒の濃度が閾値濃度以上となったときに、前記貯槽内の液体の少なくとも一部を濃縮液貯槽に移送する工程と、
前記濃縮液貯槽内に貯えられた液体を濃縮用逆浸透膜装置によって処理して透過水と濃縮水とに分離し、前記濃縮用逆浸透膜装置からの濃縮水を前記濃縮液貯槽に循環させ、前記濃縮用逆浸透膜装置からの透過水を前記貯槽に供給する工程と、
を有する、請求項1または2に記載の回収方法。
【請求項4】
前記分離工程で分離された水における前記有機溶媒の濃度が前記閾値濃度以上であるときは、当該分離された水は前記濃縮液貯槽に直接供給される、請求項3に記載の回収方法。
【請求項5】
前記分離工程で分離された水は、前記有機溶媒より低沸点である有機物と、前記分離工程において水に混入した前記有機溶媒とを含み、
前記逆浸透膜により前記有機物と前記有機溶媒とを除去して前記逆浸透膜を透過した水が前記接触工程に供給する、請求項1または2に記載の回収方法。
【請求項6】
有機溶媒を含む気体から前記有機溶媒を回収する回収システムであって、
前記気体と水とを接触させて前記有機溶媒と水との混合液を排出するスクラバーと、
前記混合液から前記有機溶媒と水とを分離する分離装置と、
逆浸透膜と、
を有し、
前記分離装置において分離された水が前記逆浸透膜に供給され、前記逆浸透膜を透過した水が、有機溶媒との接触のために前記スクラバーに供給される、回収システム。
【請求項7】
前記分離装置は、浸透気化膜を備えて前記有機溶媒と水とを分離する浸透気化装置、または、前記有機溶媒と水とを分離する蒸留装置である、請求項6に記載の回収システム。
【請求項8】
前記逆浸透膜を備える逆浸透膜装置を備え、
前記逆浸透膜装置は、前記分離装置において分離された水が供給される第1段目の貯槽を備える低濃度処理部と、濃縮液貯槽と、前記濃縮液貯槽内の液体が供給される濃縮用逆浸透膜ユニットと、を備え、
前記低濃度処理部は、前記第1段目の貯槽内の液体が供給される第1段目の逆浸透膜ユニットを少なくとも備え、前記第1段目の逆浸透膜ユニットからの濃縮水の少なくとも一部は前記第1段目の貯槽に供給され、
前記第1段目の貯槽内の液体における前記有機溶媒の濃度が閾値濃度以上となったときに、前記第1段目の貯槽内の液体の少なくとも一部が前記濃縮液貯槽に移送され、前記濃縮液貯槽内の液体が前記濃縮用逆浸透膜ユニットに供給され、前記濃縮用逆浸透膜ユニットからの濃縮水は前記濃縮液貯槽に循環し、前記濃縮用浸透膜ユニットからの透過水は前記第1段目の貯槽に供給され、
前記低濃度処理水から排出される透過水が前記スクラバーに供給される、請求項6または7に記載の回収システム。
【請求項9】
前記分離装置において分離された水における前記有機溶媒の濃度が前記閾値濃度以上であるときは、当該分離された水は前記濃縮液貯槽に直接供給される、請求項8に記載の回収システム。
【請求項10】
前記低濃度処理部は、nを1以上の整数として、第n段目の逆浸透膜ユニットの透過水が第n+1段目の貯槽を介して第n+1段目の逆浸透膜ユニットに供給されるように接続された複数の逆浸透膜ユニットを備え、前記第n段目の逆浸透膜ユニットからの濃縮水の少なくとも一部は、前記第1段目から前記第n段目までの貯槽の少なくとも1つに供給される、請求項8に記載の回収システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶媒蒸気と水とを接触させる工程を含む有機溶媒の回収方法及びシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
有機溶媒を使用したとき、使用後の有機溶媒を回収する必要がある。有機溶媒を使用する工程から有機溶媒が気体の形態で排出される場合、その有機溶媒が水に溶解しやすいものであるときは、有機溶媒蒸気と水とを接触させて有機溶媒を水に溶け込ませて有機溶媒と水との混合液を取得し、その後、混合液から水と有機溶媒とを分離させる方法がしばしば用いられる。有機溶媒蒸気と水との接触には一般にスクラバーが用いられる。混合液からの水と有機溶媒の分離には、例えば、蒸留、あるいは浸透気化(PV)などが用いられる。特に浸透気化を用いる方法によれば、1気圧での沸点が100℃を超える有機溶媒と水との混合液から有機溶媒を回収するときに、高純度の有機溶媒を小さなエネルギー消費量で回収することができる。
【0003】
有機溶媒の回収の一例として、リチウムイオン二次電池の製造工程からのN-メチル-2-ピロリドン(以下、NMPとも記す)の回収がある。NMPは、水に溶解しやすい性質を有する。リチウム二次イオン電池の製造工程では、NMPに電極活物質の粒子を分散させてスラリーとし、電極集電体上にこのスラリーを塗布して乾燥させて電極を形成する。スラリーを乾燥させる際にNMPは気化し、気化したNMPは水スクラバーを用いて回収される。回収されたNMPは、水とNMPとの混合液の形態となっている。特許文献1は、水とNMPとの混合液を浸透気化膜モジュールに供給して水とNMPとを分離し、その際に得られた水を水スクラバーに供給してNMPの回収に再利用することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-141793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スクラバーにおいて有機溶媒蒸気と水とを接触させて有機溶媒を回収するとき、スクラバーに供給される水の純度が問題となる。特許文献1に記載されるようにスクラバーで有機溶媒を回収したことによって得られた有機溶媒と水との混合液を浸透気化膜で処理して有機溶媒と水とを分離した場合、浸透気化膜によって分離された水には、浸透気化膜をリークした有機溶媒のほかに、低沸点の有機酸やアミンが含まれている。そのような水をスクラバーで再利用すると、スクラバーと浸透気化膜モジュールの間で循環する水において不純物である有機酸やアミン濃度が上昇し、その結果、スクラバーから放出される処理ガスに有機酸やアミンが含まれるようになったり、スクラバーにおける有機溶媒の回収率が低下して処理ガス中に有機溶媒が含まれるようになったりする。スクラバーで回収した有機溶媒と水との混合液から蒸留によって有機溶媒と水とを分離する場合、有機溶媒の沸点が水の沸点よりも高いときは水は蒸留塔から塔頂ガスとして排出されるが、塔頂ガスには、少量の有機溶媒のほかに、低沸点の有機酸やアミンが含まれる。そのため、塔頂ガスを凝縮させて得た水をスクラバーで再利用するときも同様の問題が生じる。
【0006】
有機溶媒や有機酸、アミンを総称して有機成分と呼ぶこととして、環境中への有機成分の放出を避けるためには、浸透気化膜や蒸留塔によって分離された水を再利用するのではなく、純水装置を用いて生成した純水をスクラバーで用いることが考えられる。しかしながら純水装置を生成した純水によって、スクラバーで用いる水の全量を賄う場合には、大量の消耗品やエネルギーなどが必要となり、また、浸透気化膜モジュールや蒸留塔で大量に発生する水から有機成分を除去する処理を行う必要が生じる。
【0007】
本発明の目的は、スクラバーにおいて有機溶媒を含む気体と水とを接触させることにより有機溶媒を回収するときに、スクラバーにおける純水の使用量を低減しつつスクラバーからの処理ガスに含まれる有機成分の量も低減できる回収方法及び回収システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の回収方法は、有機溶媒を含む気体から有機溶媒を回収する回収方法であって、気体と水とを接触させて有機溶媒と水との混合液を得る接触工程と、混合液から有機溶媒と水とを分離する分離工程と、分離工程で分離された水を逆浸透膜で処理する逆浸透工程と、を有し、逆浸透膜を透過した水を接触工程に供給する。
【0009】
本発明の回収システムは、有機溶媒を含む気体から有機溶媒を回収する回収システムであって、気体と水とを接触させて有機溶媒と水との混合液を排出するスクラバーと、混合液から有機溶媒と水とを分離する分離装置と、逆浸透膜と、を有し、分離装置において分離された水が逆浸透膜に供給され、逆浸透膜を透過した水が、有機溶媒との接触のためにスクラバーに供給される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スクラバーにおいて有機溶媒を含む気体と水とを接触させることにより有機溶媒を回収するときに、スクラバーにおける純水の使用量を低減しつつスクラバーからの処理ガスに含まれる有機成分の量も低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

オルガノ株式会社
有機溶媒の回収方法及びシステム
3日前
オルガノ株式会社
有機溶媒と水との分離方法及びシステム
3日前
オルガノ株式会社
分析システム、制御装置および制御方法
3日前
東レ株式会社
分離膜
19日前
個人
微細気泡発生装置
5日前
東レ株式会社
撹拌装置
24日前
株式会社建
油脂抽出蒸留設備
17日前
株式会社オメガ
スクラバー装置
17日前
プライミクス株式会社
攪拌装置
19日前
東レ株式会社
中実糸モジュール
24日前
株式会社杉原工業
脱液方法
27日前
株式会社テイエルブイ
気液分離装置
1か月前
トヨタ紡織株式会社
帯電装置
1か月前
本田技研工業株式会社
反応器
17日前
本田技研工業株式会社
反応器
6日前
トヨタ自動車株式会社
撹拌装置
1か月前
古河電気工業株式会社
検体収納ラック
19日前
東ソー株式会社
耐熱性アルデヒド捕捉剤組成物
6日前
オリオン機械株式会社
圧縮空気除湿装置
13日前
日本碍子株式会社
ハニカムフィルタ
4日前
株式会社日本製鋼所
反応装置、及び反応機
1か月前
株式会社つくりのちえ
超音波液体処理装置
1か月前
大阪油化工業株式会社
蒸溜装置
1か月前
佐竹マルチミクス株式会社
気液撹拌装置
1か月前
東レ株式会社
除害装置、除害方法及び半導体製造方法
11日前
佐竹マルチミクス株式会社
気液撹拌装置
1か月前
三菱電機株式会社
紫外線照射装置
1か月前
オリオン機械株式会社
圧縮空気除湿装置ユニット
13日前
オリオン機械株式会社
圧縮空気除湿装置ユニット
13日前
アルファミック株式会社
フィルター
6日前
日亜化学工業株式会社
流体紫外光処理装置
20日前
東レ株式会社
分離膜およびそれを用いた分離膜モジュール
19日前
株式会社晃伸製機
混合装置
19日前
個人
微細気泡生成ユニット及びそれを使用した噴霧器
24日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
除湿装置
23日前
株式会社フジファインズ
液体処理部品
13日前
続きを見る