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公開番号2024078857
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191442
出願日2022-11-30
発明の名称オートクレーブ内のガス吹込管用支持具
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類B01J 3/00 20060101AFI20240604BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 振動により脱落するトラブルの生じにくいガス吹込管用支持具を提供する。
【解決手段】 オートクレーブ1の接液部に取り付けられる第1部材10と、高圧ガスのガス吹込管5を固定し且つ第1部材10に取り付けられる第2部材20と、これら両部材を互いに締結するボルト・ナット及びそれらの座金とから構成されるガス吹込管用支持具であって、第1部材10並びに第1部材10側に位置するボルト・ナットのうちの一方及びその座金が第1の金属からなり、第2部材20並びに第2部材20側に位置するボルト・ナットのもう一方及びその座金が該第1の金属とは硬度及び耐腐食性が異なる第2の金属からなる。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
オートクレーブの接液部に取り付けられる第1部材と、高圧ガスのガス吹込管を固定し且つ前記第1部材に取り付けられる第2部材と、これら両部材を互いに締結するボルト・ナット及びそれらの座金とから構成されるガス吹込管用支持具であって、
前記第1部材並びに該第1部材側に位置する前記ボルト・ナットのうちの一方及びその座金が第1の金属からなり、前記第2部材並びに該第2部材側に位置する前記ボルト・ナットのもう一方及びその座金が前記第1の金属とは硬度及び耐腐食性が異なる第2の金属からなることを特徴とするオートクレーブ内のガス吹込管用支持具。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記第1の金属が前記オートクレーブの接液部と同じ材質であり、前記第2の金属が前記ガス吹込管と同じ材質であることを特徴とする、請求項1に記載のオートクレーブ内のガス吹込管用支持具。
【請求項3】
前記第1部材がその長手方向を水平に延在させた状態で前記接液部に取り付けられるC型鋼であり、前記第2部材がL型鋼又は部分的に断面略Z字形状となるように改造したL型鋼であってその長手方向の片側のみが前記第1部材に重ね合わせられており、前記第1部材に重ね合わせられていない部分の長さは前記ガス吹込管の外径以上であり、前記第1部材の上面及び側面において前記第2部材が締結されていることを特徴とする、請求項2に記載のオートクレーブ内のガス吹込管用支持具。
【請求項4】
前記第1部材と前記第1の金属製の前記座金とが溶接されており、前記第1の金属製の前記座金と前記第1の金属製の前記ボルトの頭部又はナットとが溶接されており、前記第2部材と前記第2の金属製の前記座金とが溶接されており、前記第2の金属製の前記座金と前記第2の金属製の前記ボルトの頭部又はナットとが溶接されていることを特徴とする、請求項3に記載のオートクレーブ内のガス吹込管用支持具。
【請求項5】
前記第1の金属がチタン鋼又はチタン合金鋼であり、前記第2の金属がオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のオートクレーブ内のガス吹込管用支持具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オートクレーブ内に設置されるガス吹込管の支持具に関し、特に操業時にガス吹込管において発生する振動により生ずる異種金属間での摩耗等の問題を抑制することが可能なガス吹込管用支持具に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
非鉄金属の製錬プラントでは、有価金属を含んだ原料スラリーを受け入れて高温高圧下で浸出処理する装置として、円筒形の圧力容器を横向きにした横長形状のオートクレーブと称する高圧反応装置が用いられている。例えば特許文献1に記載のニッケルの製錬プラントにおいては、ニッケル硫化物を主成分とする微粉末状のニッケルマット及び微粉末状の硫黄を含む混合スラリーをオートクレーブに装入し、更にこの混合スラリー内に高圧空気を吹き込んで加圧浸出処理を施すことにより、該ニッケルマットに含まれる有価金属のニッケルを硫酸ニッケルとして回収している。
【0003】
上記のオートクレーブの内部は、隔壁により長手方向に並ぶ複数の区画室に仕切られており、該隔壁の上部はオーバーフロー可能なように切り欠かれている。これにより、該オートクレーブ内に装入された原料スラリーは、該隔壁をオーバーフローすることでこれら複数の区画室に上流側から下流側に順次に流れ込んでいき、その際、各区画室においては撹拌機で撹拌されると共にガス吹込管を介して吹き込まれる高圧空気によって加圧浸出処理が施される。このように、オートクレーブを用いることで原料スラリーを加圧酸化浸出でき、更にオートクレーブの形状を横長にして内部を隔壁によって複数の区画室に仕切ることによって段階的に処理できるので、反応効率を高めることができ、結果的に有価金属の浸出率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-011442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、オートクレーブでは複数の区画室の各々において撹拌状態の原料スラリー(被処理液)に高圧空気(高圧ガス)を吹き込む必要があるため、各区画室ごとに該高圧ガスのガス吹込管がオートクレーブの上部から差し込まれている。このガス吹込管からの高圧ガスの吹込みでは、より効率的に被処理液内に高圧ガスを分散させるため、高圧ガス吹出用の先端開口部が撹拌機の下方に至るようにガス吹込管の形状を略L字状に屈曲させている。このため、被処理液に浸漬しているガス吹込管の先端部では、内部を流れる高圧ガスによる振動に加えて、撹拌により激しく流動している該被処理液による振動が生じやすい。これらの要因による振動を抑制するため、オートクレーブの各区画室において、ガス吹込管を強固に固定する必要がある。
【0006】
しかしながら、一般的な支持部材を用いてガス吹込管をオートクレーブ内に固定する場合は、上記のガス吹込管の振動等の影響で該支持部材のボルト・ナットが緩みやすく、該ボルト・ナットが緩んだまま操業を続けると、最終的にガス吹込管が脱落して運転停止や設備の破損等のトラブルに繋がるおそれがあった。一方で、オートクレーブでは高い腐食性と摩耗性を有する流体を処理するので、ガス吹込管や支持部材に使用できる材質には制約があった。
【0007】
具体的には、例えば、オートクレーブの接液部側の支持部材については耐腐食性に優れたチタン鋼が採用され、ガス吹込管側の支持部材については耐摩耗性を重要視してステンレス鋼が採用されることがある。この場合、単なるボルト・ナットの緩みの問題であれば溶接による締結等で対応できるが、チタン鋼とステンレス鋼という異種の金属同士は溶接で締結することができないため、締付けにより締結することになり、この締結部分に異種の金属同士が互いに溶接されていない合わせ面が存在してしまうことがある。この合わせ面が振動すると、異種の金属のうちの硬い方の金属であるステンレス鋼が、柔らかい方の金属であるチタン鋼を徐々に削ってしまい、締付けによる締結が緩んでしまうことになる。締付けによる締結が緩むと振動が大きくなるので、チタン鋼側の摩耗が加速的に大きくなり、ついには、ガス吹込管が脱落する事態に至ることもあった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ニッケル硫化物を含有する原料スラリーに対して高温高圧下で加圧浸出処理を施す場合に代表されるような、高い腐食性や摩耗性を有する流体の処理を行なうオートクレーブ内に設置される、振動により生ずる異種金属間での摩耗等の問題を抑制することが可能な、耐久性に優れたガス吹込管用支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明が提供するオートクレーブ内のガス吹込管用支持具は、オートクレーブの接液部に取り付けられる第1部材と、高圧ガスのガス吹込管を固定し且つ前記第1部材に取り付けられる第2部材と、これら両部材を互いに締結するボルト・ナット及びそれらの座金とから構成されるガス吹込管用支持具であって、前記第1部材並びに該第1部材側に位置する前記ボルト・ナットのうちの一方及びその座金が第1の金属からなり、前記第2部材並びに該第2部材側に位置する前記ボルト・ナットのもう一方及びその座金が前記第1の金属とは硬度及び耐腐食性が異なる第2の金属からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い腐食性や摩耗性を有する流体の処理を行なうオートクレーブ内において、振動により生ずる異種金属間での摩耗等の問題を抑制することで、振動等により脱落させることなく強固にガス吹込管を支持することが可能な、耐久性に優れたガス吹込管用支持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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