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公開番号2024081052
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-17
出願番号2022194485
出願日2022-12-05
発明の名称エアフィルタ用濾材及びその製造方法
出願人北越コーポレーション株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 39/16 20060101AFI20240610BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本開示の目的は、再生可能材料を含み、且つ生分解性を有し、更には十分な撥水性を有するエアフィルタ用濾材を提供することである。
【解決手段】本開示に係るエアフィルタ用濾材は、湿式不織布からなる濾材であり、前記濾材を構成する繊維が、叩解繊維と非叩解繊維とを含み、前記叩解繊維がフィブリル化リヨセル繊維であり、前記非叩解繊維が生分解性繊維であり、前記濾材がアルキルケテンダイマーを含むことを特徴とする。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
湿式不織布からなる濾材であり、
前記濾材を構成する繊維が、叩解繊維と非叩解繊維とを含み、
前記叩解繊維がフィブリル化リヨセル繊維であり、
前記非叩解繊維が生分解性繊維であり、
前記濾材がアルキルケテンダイマーを含むことを特徴とするエアフィルタ用濾材。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記アルキルケテンダイマーの濾材全体に対する含有量が、0.05~2.0質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項3】
前記非叩解繊維である前記生分解性繊維が、再生セルロース繊維、天然セルロース繊維及びポリ乳酸主体繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項4】
生分解性バインダーを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項5】
前記生分解性バインダーがポリビニルアルコール、ポリ乳酸、又は、ポリビニルアルコール及びポリ乳酸を含むことを特徴とする請求項4に記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項6】
前記アルキルケテンダイマーが前記生分解性バインダーの連続皮膜により被覆されていないことを特徴とする請求項4に記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項7】
濾材を構成する叩解繊維及び非叩解繊維を水に分散させた原料スラリーを湿式抄紙法によってシート化して湿潤シートを形成する抄紙工程と、
前記湿潤シートにアルキルケテンダイマーを付与する工程と、
アルキルケテンダイマーを付与した前記湿潤シートを熱乾燥して乾燥シートを形成する乾燥工程と、を有し、
前記叩解繊維がフィブリル化リヨセル繊維であり、前記非叩解繊維が生分解性繊維であることを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法。
【請求項8】
前記アルキルケテンダイマーを、乾燥後の濾材全体に対する含有量が0.05~2.0質量%の範囲となるように付与することを特徴とする請求項7に記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
【請求項9】
前記非叩解繊維である前記生分解性繊維が、再生セルロース繊維、天然セルロース繊維及びポリ乳酸主体繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7又は8に記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
【請求項10】
前記原料スラリー中に前記叩解繊維及び前記非叩解繊維ととともに生分解性バインダーを分散させたことを特徴とする請求項7又は8に記載のエアフィルタ濾材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、工場及びビルの空調、自動車客室、エアコン、空気清浄機、個人用保保護具などの種々の分野で使用されるエアフィルタ用濾材に関し、特に、環境負荷が小さく、且つ使用時の濾過性能の低下が小さいエアフィルタ用濾材に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ビル空調等に使用されるエアフィルタ用の中・高性能濾材としては、ガラス繊維濾材及びメルトブローン不織布濾材が主に使用される。ガラス繊維濾材は、不燃性であるため使用後は産業廃棄物として埋め立て処分される。このため、廃棄時の環境負荷が大きい。一方でメルトブローン不織布濾材は、原料として再生不可能で有限な化石資源(PP等)を主に使用しており、焼却処分された場合のライフサイクル全体での二酸化炭素排出量が大きい。又、使用後に環境に流出した場合、分解されず環境中に留まり続ける。以上の理由により、環境負荷が小さい、再生可能材料を含み、且つ生分解性を有する濾材が望まれている。
【0003】
これら問題を解決するために、フィブリル化リヨセル繊維、生分解性繊維、及び再生繊維又は半合成繊維を含有する濾材が提案されている(特許文献1又は特許文献2を参照。)。しかしながら、リヨセル繊維などのセルロース系繊維は吸湿性及び吸水性が高いため、高湿度の環境での使用や、水分を含む気流やダストが通過した場合に、繊維の膨潤や濾材構造の変化を引き起こし、エアフィルタ用濾材の濾過性能の低下、例えば、PF値の低下を引き起こす問題がある。尚、PF値は数1の式により定義され、このPF値が高いほど、ダスト粒子の捕集効率が高く、且つ圧力損失が低い、濾過性能が高い濾材であることを意味する。
【0004】
TIFF
2024081052000001.tif
26
150
ここで、透過率[%]=100-捕集効率[%]である。
【0005】
前記の問題を解決するためには、濾材に撥水性を付与する方法が有効であり、エアフィルタ用濾材に撥水性を付与する方法としては、フッ素系撥水剤を用いる方法が広く用いられている(例えば、特許文献3又は特許文献4を参照。)。しかしながら、フッ素系撥水剤を構成するパーフルオロアルキル化合物は、難分解性で且つ生物蓄積性が高いため、世界的にその使用を規制する動きがあり、本発明の目的には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-167659号公報
特開2006-326470号公報
特開2001-79318号公報
特開2014-98082号公報
【非特許文献】
【0007】
International Journal of Biological Macromolecules、2022、Vol.207、p.31-39
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記の通り、環境負荷が小さく、且つ使用時の濾過性能の低下が小さい濾材が求められているが、従来の技術では、これらの特性を兼ね備えた濾材を得ることが難しかった。従って、本開示の課題は、再生可能材料を含み、且つ生分解性を有し、更には十分な撥水性を有するエアフィルタ用濾材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るエアフィルタ用濾材は、湿式不織布からなる濾材であり、前記濾材を構成する繊維が、叩解繊維と非叩解繊維とを含み、前記叩解繊維がフィブリル化リヨセル繊維であり、前記非叩解繊維が生分解性繊維であり、且つ前記濾材がアルキルケテンダイマーを含むことを特徴とする。このような構成によれば、環境負荷が小さく、且つ使用時の濾過性能の低下が小さい濾材を得ることができる。
【0010】
本発明に係るエアフィルタ用濾材では、前記アルキルケテンダイマーの濾材全体に対する含有量が0.05~2.0質量%の範囲にあることが好ましい。これにより、十分な撥水性と高いPF値を有する濾材を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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