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公開番号2024054589
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160904
出願日2022-10-05
発明の名称ストロンチウム含有鉱物からのストロンチウム回収方法、ストロンチウムフェライト微粒子の製造方法及びストロンチウムフェライト微粒子
出願人国立大学法人東北大学,株式会社スーパーナノデザイン
代理人個人
主分類C22B 26/20 20060101AFI20240410BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】セレスタイトからストロンチウムを効率よく回収すること。コスト面及び品質面の両方に優れたストロンチウムフェライト微粒子を提供すること。
【解決手段】本発明に係るストロンチウム回収方法は、超臨界、亜臨界、又は気相の水系溶媒の反応場でストロンチウム含有鉱物を溶媒に分散する分散工程を含む。また、ストロンチウムフェライト微粒子の製造方法は、ストロンチウムイオンを含む溶液を、鉄(III)イオンを含む溶液と混合する混合工程と、超臨界、亜臨界、又は気相の水系溶媒の反応場で、前記混合工程によって得られた混合物からストロンチウムフェライト微粒子を得る微粒子化工程と、を含む。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
超臨界、亜臨界、又は気相の水系溶媒の反応場でストロンチウム含有鉱物を溶媒に分散する分散工程を含む、ストロンチウム含有鉱物からのストロンチウム回収方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
請求項1に記載のストロンチウム回収方法によって得られたストロンチウムイオンを含む溶液を、鉄(III)イオンを含む溶液と混合する混合工程と、
超臨界、亜臨界、又は気相の水系溶媒の反応場で、前記混合工程によって得られた混合物からストロンチウムフェライト微粒子を得る微粒子化工程と、
を含む、ストロンチウムフェライト微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記混合工程での鉄(III)イオンに対するストロンチウムイオンの混合比(Sr
2+
/Fe
3+
)は、モル比で0.083以上0.5以下である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
平均軸径が100nm以上1000nm以下であり、厚さが80nm以下である、六方晶系のストロンチウムフェライト微粒子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロンチウム含有鉱物からのストロンチウム回収方法、ストロンチウムフェライト微粒子の製造方法及びストロンチウムフェライト微粒子に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
産業廃棄物からの材料利用は、持続可能な社会を実現するためのグリーンケミストリー手法の開発を目指した重要な課題である。近年、様々なナノ材料が、その化学的・物理的特性により高機能を発揮するため、さらに研究が進んでいる。そのため、代替ナノ材料製造の持続可能なプロセスの設計には、前駆体の調製とプロセス中の反応副生成物廃棄物の観点から考慮する必要がある。
【0003】
M型ヘキサフェライト(例えば、SrFe
12

19
)は、イットリウム鉄ガーネットフェラインのように原料として高価な希土類金属を用いることなく、しかも、磁気特性、高耐食性、及びコスト面に優れることから、有望な磁石化合物である。例えば、バリウムフェライトの異方性定数及び異方性磁場は、ストロンチウムフェライトよりも約10%小さいことが知られている。そのため、医療機器、人工呼吸器、自動車のブレーキシステム・ロックシステム等のモーターには、ストロンチウムフェライトを原料とした磁石を用いることが好ましい。
【0004】
原料となるストロンチウム含有鉱物のうち、セレスタイト(天青石とも称される)は、硫酸ストロンチウム(SrSO

)からなる鉱物で、世界の主要生産国は中国、スペイン、メキシコ、アルゼンチン、トルコで、これらの国の鉱床地域で見つかるセレスタイトの純度は、90~95重量%である。
【0005】
従来、セレスタイト鉱石中のストロンチウムは、炭酸ストロンチウムとして回収され利用されている。炭酸ストロンチウムとして回収する方法としては、還元焙焼法やソーダ法が知られている。還元焙焼法は、セレスタイト鉱石をコークスの存在下で仮焼して硫化ストロンチウムとし、次いで硫化ストロンチウムを水の存在下にて、二酸化炭素又は炭酸ナトリウムと反応させて炭酸ストロンチウムとする方法である。一方のソーダ法は、セレスタイト鉱石を炭酸ナトリウム水溶液に投入して、炭酸ストロンチウムと硫酸ナトリウムとを生成させ、生成した炭酸ストロンチウムを分離、回収する方法である。
【0006】
しかしながら、セレスタイトは、溶解度が低く、還元焙焼法、ソーダ法のいずれを採用したとしても、セレスタイト鉱石から炭酸ストロンチウム回収するのには、多大な時間を要するのが現状である。
【0007】
そして、近年は、モーターの高性能化がよりいっそう求められており、高性能化のためには、ストロンチウムフェライト粒子の微細化が求められる。
【0008】
また、ストロンチウムフェライト粒子については、価格競争力も求められる。ストロンチウムのコストがストロンチウムフェライトの製造コストに大きく支配することとなる。主要生産地としては中国、スペイン、メキシコ等であるが、利用されていない安価な原料源の利用が求められている。セレスタイトは、その原料源となりうるが、ストロンチウムの安価な抽出法の探索は課題である。
【0009】
他方で、鉄酸性廃液等の廃酸は、メッキ、酸洗浄処理等の中間物又は廃液として工業的に大量に発生している。ストロンチウムフェライト粒子の供給側にとって、廃酸から鉄(III)イオンを回収し、当該鉄(III)イオンを原料にできれば、高い価格競争力を持てる点で優位性を持つことができる。
【0010】
また、廃酸は、特別管理産業廃棄物に指定されており、特別管理産業廃棄物処理基準に従った処理を要する。この処理には、1キログラム当たりで50~100円程度の処理費を要する。そのため、鉄鋼メーカーにとってみても、廃酸から鉄(III)イオンを回収してストロンチウムフェライト粒子の製造メーカーに供給することは、有用な価値がある。加えて、鉄(III)イオン回収後の酸を改めて再利用できる点でも、有用な価値がある。また、近年、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が提唱されており、廃酸の処理費用削減という経済的価値のみならず、環境保護ひいては企業コンプライアンスの向上という意味でも、廃酸からの鉄(III)イオンの回収、酸としての再利用は、有用な価値がある。
(【0011】以降は省略されています)

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