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公開番号2024088111
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203121
出願日2022-12-20
発明の名称リチウムイオン二次電池の検査方法及びこれを用いた製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社,株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 10/058 20100101AFI20240625BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた場合であっても、短時間で電池の良否を高精度に判定できるリチウムイオン二次電池の検査方法を提供する。
【解決手段】正極活物質としてリン酸鉄リチウムを含む正極、負極活物質として炭素材料を含む負極、及び正極及び負極の間に配置された電解質層を備えたリチウムイオン二次電池の検査方法であって、リチウムイオン二次電池の充電率をプラトー領域かつ、25~35%又は70~90%の範囲内に調節する充電率調節工程と、検査電源の電圧をリチウムイオン二次電池の電圧以上に設定する電圧設定工程と、リチウムイオン二次電池と検査電源とを接続し回路を構築する回路構築工程と、回路に流れる漏れ電流の上昇が収束するまで漏れ電流を測定する漏れ電流測定工程と、収束した前記漏れ電流に基づいて前記リチウムイオン二次電池の良否を判定する判定工程と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを含む正極、負極活物質として炭素材料を含む負極、及び前記正極及び前記負極の間に配置された電解質層を備えたリチウムイオン二次電池の検査方法であって、
前記リチウムイオン二次電池の充電率をプラトー領域かつ、25~35%又は70~90%の範囲内に調節する充電率調節工程と、
検査電源の電圧を前記リチウムイオン二次電池の電圧以上に設定する電圧設定工程と、
前記リチウムイオン二次電池と前記検査電源とを接続し回路を構築する回路構築工程と、
前記回路に流れる漏れ電流が収束するまで前記漏れ電流を測定する漏れ電流測定工程と、
収束した前記漏れ電流に基づいて前記リチウムイオン二次電池の良否を判定する判定工程と、を備える、
リチウムイオン二次電池の検査方法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記漏れ電流測定工程において、前記検査電源の電圧を時間の経過とともに上昇させる、請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記充放電工程において、前記リチウムイオン電池の電圧をV、電池温度をTとしたとき、前記リチウムイオン二次電池の充電率をdV/dTが-0.05mV/℃以上0.05mV/℃以下となる充電率まで調節する請求項1又は2に記載の検査方法。
【請求項4】
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを含む正極、負極活物質として炭素材料を含む負極、及び前記正極及び前記負極の間に配置された電解質層を備えたリチウムイオン二次電池を作製する作製工程と、
請求項1又は2に記載の検査方法を実施する検査工程と、を備える、
リチウムイオン二次電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願はリチウムイオン二次電池の検査方法及びこれを用いた製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は高出力・高容量を有しており、携帯電話やパソコン等の電源として広く用いられている。また、リチウムイオン二次電池は軽量で高エネルギー密度を有するため、ハイブリッド車や電気自動車等の車載用電源としても用いられている。
【0003】
リチウムイオン二次電池は、製造工程において、外部から微小な金属異物が混入される場合がある。このような金属異物は内部短絡を引き起こす原因になるため、電池の良否判定に影響を与える。
【0004】
従来、リチウムイオン二次電池の良否判定は、充電された電池を一定時間放置した後、放置前後の電圧降下量から判断していた。リチウムイオン二次電池は一定時間放置されると、自己放電により電圧が降下するが、電池内部に金属異物が混入されている場合、さらに電圧が降下する。従って、放置工程前後の電池の電圧降下量により電池の良否が判断可能である。しかしながら、このような放置工程を伴う従来の検査方法では、電池の良否判定に時間を要していた。
【0005】
特許文献1は、このような電池の良否判定時間を低減するために、次の検査方法を開示している。すなわち、特許文献1に記載の検査方法は、検査対象である蓄電デバイスに電源を接続して回路を構成し、回路に流れる電流IBにより蓄電デバイスの良否を判定する。また、同文献は、充電済みの蓄電デバイスと電源とにより回路を構成し、電源により回路に、蓄電デバイスを充電または放電する向きの電流IBを流す電流印加工程と、電流印加工程で回路に流れる電流IBの収束状況により蓄電デバイスの良否を判定する判定工程とを有し、電流印加工程では、電源の出力電圧VSを初期値から時間の経過とともに変化させていくことを開示している。
【0006】
このように特許文献1の検査方法は、電池と電源との間に流れる電流を測定しているため、良否判定時間が電圧降下量に基づくものよりも短くなる。また、電流測定であるため判定精度が高いことも特徴である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-113450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質として、オリビン型構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO

)が知られている。リン酸鉄リチウムは安全性が高いため、車載用のリチウムイオン二次電池に用いられることが期待されている。一方で、リン酸鉄リチウムはプラトー領域が広い。プラトー領域は電圧変化がほとんどないため、電圧降下量に基づいて電池の良否を判定することは困難である。また、プラトー領域以外の領域は電池の充電率の範囲が非常に狭いため、当該領域で良否判定を実施することは実用的ではない。
【0009】
そこで、本発明者らは、プラトー領域まで充電したリチウムイオン二次電池を、電池電圧と等しい電圧に調節した検査電源に接続し、回路に流れる漏れ電流を測定することで、電池の良否判定を実施することを検討した。上述の通り、プラトー領域は電圧変化がほとんどないが、自己放電により電圧は微小に変化する。この電圧の微小変化により、電池と検査電源との間に電位差が生じ、微弱な漏れ電流が回路に流れる。従って、本発明者らは、この微弱な漏れ電流に基づいて電池の良否判定が可能であると考えた。しかしながら、本発明者らは、検討を続けた結果、回路に流れる漏れ電流が電池温度の影響を受け、これにより良否判定の精度低下や長時間化が生じる場合があるという新たな課題に突き当たった。
【0010】
そこで、本開示の目的は、上記実情を鑑み、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた場合であっても、短時間で電池の良否を高精度に判定できるリチウムイオン二次電池の検査方法及びこれを用いた製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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