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公開番号2024087967
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022202893
出願日2022-12-20
発明の名称半導体装置
出願人サンケン電気株式会社
代理人個人,個人
主分類H01L 29/78 20060101AFI20240625BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】パワーMOSFETと同一の半導体基板に形成されたフリーホイールダイオードによってパワーMOSFETの保護を十分に行う。
【解決手段】トレンチ10A、10Bに関わる構造は、MOSFETとして機能する。トレンチ10C側においても、ゲート酸化膜14D、第2ゲート電極15Bが設けられている。ゲート酸化膜14Dはゲート酸化膜14Aよりも薄く形成されている。トレンチ10Cの上には、第2ゲート制御用電極19が形成され、第2ゲート電極15Bと第2ゲート制御用電極19は接続され、第2ゲート制御用電極19とソース電極18とは、抵抗素子Rを介して接続される。ソース電位がドレイン電位よりも高い場合に、トレンチ10Cで形成される疑似的なMOSFETはオンとなり、第2ゲート電位の絶対値はソース電位よりも小さくなり、フリーホイールダイオードの耐圧を高めることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1の導電型をもつ半導体材料で構成された第1の半導体層と、前記第1の導電型と逆の第2の導電型をもち前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層と、を具備し、表面側から前記第2の半導体層を貫通し前記第1の半導体層に達するように掘下げられた第1の溝が設けられ、表面側において前記第1の溝と接するように部分的に前記第1の溝の延伸方向に沿って形成された前記第1の導電型をもつ第1ソース領域が形成された半導体基板が用いられ、
前記半導体基板の表面側において、前記第2の半導体層及び前記第1ソース領域と接続され金属で構成された第1主電極と、
前記半導体基板の裏面側において前記第1の半導体層と接続された第2主電極と、
前記第1の溝内において第1ゲート絶縁膜を挟んで前記第1の溝の内面と対向する第1ゲート電極と、
を具備し、
前記第1主電極と前記第2主電極との間を流れる電流が、前記第1ゲート電極の電位によって制御される半導体装置であって、
前記半導体基板において前記第1の溝から離間した箇所に表面側から掘下げられた第2の溝と、
表面側において前記第2の溝と接するように部分的に前記第2の溝の延伸方向に沿って形成された前記第1の導電型をもつ第2ソース領域と、
前記半導体基板の表面側において前記第2の半導体層及び前記第2ソース領域と接続され金属で構成され、かつ前記第1主電極とは分離された第2ゲート制御用電極と、
前記第2の溝内において前記第1ゲート絶縁膜よりも薄い第2ゲート絶縁膜を挟んで前記第2の溝の内面と対向する第2ゲート電極と、
を具備し、
前記第2ゲート制御用電極は、前記第2ゲート電極と接続され、かつ抵抗素子を介して前記第1主電極と接続されたことを特徴とする半導体装置。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記第1主電極は、平面視において前記第1の溝の延伸方向において前記第1ソース領域の一部のみと接触し、前記抵抗素子は、前記第1ソース領域における前記第1主電極と接触しない領域を用いて形成された、
又は
前記第2ゲート制御用電極は、平面視において前記第2の溝の延伸方向において前記第2ソース領域の一部のみと接触し、前記抵抗素子は、前記第2ソース領域における前記第2ゲート制御用電極と接触しない領域を用いて形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体基板の厚さ方向において、
前記第1の半導体層と前記第2の半導体層の間に、前記第1の導電型をもち前記第1の半導体層よりも不純物濃度が低く、かつ前記第1の半導体層よりも薄い第3の半導体層が挿入されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の溝において、前記第1の半導体層、前記第2の半導体層、及び前記第1ゲート電極と絶縁され前記第1主電極と電気的に接続されたシールド電極が、前記第1ゲート電極の下側に設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板の表面に形成されたトレンチ(溝)内に制御電極が設けられた半導体装置の構造に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
半導体基板の表面側と裏面側との間の電流のオン・オフがゲート電極の電位で制御される半導体装置(パワー半導体素子:パワーMOSFET、IGBT等)が用いられている。こうした半導体装置においては、ゲート電極(制御電極)の電位によってゲート電極と対向する半導体層に形成されるチャネルが電流の経路となり、チャネルのオン・オフが制御されることによって、電流のオン・オフが制御される。また、半導体基板の表面側にトレンチ(溝)が形成され、ゲート電極がこのトレンチ内に設けられたトレンチ型の素子は、セルの微細化が容易であり、かつオン時の抵抗(オン抵抗)を低減することができるために、特に好ましく用いられている。トレンチ型の素子においては、トレンチの内壁に薄いゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)が形成され、トレンチの内壁を構成する半導体層とゲート電極とは、このゲート酸化膜を介して対向し、半導体層におけるこの部分におけるチャネルのオン・オフがゲート電極の電位(ゲート電位)で制御される。
【0003】
例えば、nチャネル型のパワーMOSFETにおいては、n型のドリフト層の上にp型のボディ層が形成され、ボディ層の上側に高濃度のn型のソース領域が形成される。トレンチはソース領域及びボディ領域を貫通するように形成され、オン時の電流は、ボディ層に形成されたチャネルを介して、ソース領域とドリフト層の間を流れ、更にドリフト層を厚さ方向に縦断してドレインに流れる。ここで、ボディ層とドリフト層との間にはpn接合が形成されるため、この部分はダイオード(ボディダイオード)として機能する。パワーMOSFETの通常動作時においては、ソース(ボディ層側の主電極)よりもドレイン(ドリフト層側の主電極)の電位が高くされるために、ボディダイオードは逆バイアスとなり、ボディ層とドリフト層の間のpn接合は導通せず、ボディ層に形成されたチャネルを介してのみ、電流が流れる。このため、ゲート電位によるチャネルのオン・オフの制御によって、ソースとドレインの間に流れる電流のオン・オフを制御することができる。
【0004】
一方、例えばこうしたパワーMOSFETの負荷としてコイル等のインダクタを接続し、そのオン・オフの切り替えの制御を行う場合には、パワーMOSFETがオンからオフ状態となった直後において、過渡的にソースの電位がドレインの電位よりも大幅に高くなる状況が発生しうる。こうした場合に、パワーMOSFETが過電流によって破壊することを抑制するために、ソース電位がドレイン電位よりも高くなった場合に順バイアスとなるようなダイオード(フリーホイールダイオード)を接続し、こうした場合に電流をフリーホイールダイオードに流してパワーMOSFETからバイパスさせることが好ましい。前記のような通常動作時には、ドレイン側の電位が高くなるためにフリーホイールダイオードは逆バイアスとなり、フリーホイールダイオードを介して電流は流れず、これによるパワーMOSFETの動作は影響を受けない。
【0005】
このようなフリーホイールダイオードの特性(極性)は、上記のボディダイオードと同様であるため、ボディダイオードをフリーホイールダイオードとして用いることもできる。ただし、ボディダイオードはパワーMOSFETにおけるボディ層とドリフト層によるpn接合で形成され、ボディ層とドリフト層は共にパワーMOSFETにおける通常のオン・オフ動作に適合するように設定されるため、フリーホイールダイオードとして最適となるようにボディ層とドリフト層を構成することは一般的には困難である。このため、ボディダイオードとは別に、ボディダイオードと同じ極性で同様にダイオードとして機能し、かつよりフリーホイールダイオードとして好ましい特性をもつ部分を同一の半導体基板に設け、ソース電位が高くなった場合には、ボディダイオードとこのダイオードに電流が流れる構成とすることが特に好ましい。
【0006】
ここで、このようなフリーホイールダイオードとしては、順方向で充分に電流が流せることが好ましいが、一般的に、ダイオードは順方向でも電圧がVF(順方向電圧)以下では、逆方向の場合と同様に僅かな電流しか流れない。ボディダイオードを構成するSiのpn接合においては、一般的にはVFは0.7V程度であるのに対して、フリーホイールダイオードとしては、VFがより小さいことが望まれる。
【0007】
このため、特許文献1には、パワーMOSFETにおけるボディダイオードとは別に、このようなVFが小さなダイオードとして機能する部分をパワーMOSFETと同一チップ上に形成した半導体装置が記載されている。ここでは、複数のトレンチが形成され、一部のトレンチにパワーMOSFETが、他のトレンチにこのようなダイオードとして機能する部分が、それぞれ形成される。
【0008】
図5は、この半導体装置9の構造を示す断面図である。この半導体装置9は、nチャネル型のパワーMOSFETと前記のようなダイオードとして機能する部分が組み合わされており、パワーMOSFETと、ダイオードとして機能する部分は、共に共通の半導体基板に形成されたトレンチを用いて形成されている。図1において、半導体材料(Si)で構成された半導体基板10において、3つのトレンチ(溝)10A~10Cが右から順に、表面(上面)側から掘り下げられて形成されており、右側のトレンチ10A、10BはMOSFETとして機能し、左側のトレンチ10Cはダイオードとして機能する。図5においては、これらのトレンチの延伸方向に垂直な断面が示されている。
【0009】
この半導体基板10においては、n型(第1の導電型)のドリフト層(第1の半導体層)11の上側に、p型(第2の導電型)のボディ層(第2の半導体層)12が積層して形成される。トレンチ10A~10Cは、半導体基板10の表面側からボディ層12を貫通し、その底面がドリフト層11中に来るように形成される。半導体基板10の表面におけるボディ層12には、トレンチ10A~10Cの各々の両側に隣接して、高濃度のn型の層(n

層)となるソース領域(第1ソース領域)13Aが選択的に形成されている。ボディ層12は、ドリフト層11の上にエピタキシャル成長、又はボディ層12が表面に設けられた状態の半導体基板10の表面にイオン注入等を行うことによって、形成することができる。ソース領域13Aは、ボディ層12の表面に局所的にイオン注入を行うことによって形成することができる。
【0010】
図5においては、トレンチ10Bに関わる構成要素のみに符号が設けられており、トレンチ10Aに関わる構造はトレンチ10に関わる構造と同一である。トレンチ10A、10B(第1の溝)は、その内面にゲート酸化膜(第1ゲート絶縁膜)14Aが形成された状態で、上側の第1ゲート電極(制御電極)15A、下側のシールド電極16によって埋め込まれている。第1ゲート電極15A、シールド電極16は、共に導電性の金属材料、あるいは高濃度に不純物が添加された導電性の高い多結晶シリコンで構成されている。また、第1ゲート電極15Aは、その側方にソース領域13、ボディ層12がありその底面がドリフト層11がある高さにあるように設定される。シールド電極16は、第1ゲート電極15Aよりも下側でドリフト層11がある高さに設けられる。第1ゲート電極15Aとシールド電極16の間は、酸化膜14Bによって絶縁されているため、これらの電位は独立とされる。シールド電極16とドリフト層11の間は、酸化膜14Cによって絶縁され、かつ、上記の構造により、シールド電極16とボディ層12との間も絶縁される。
(【0011】以降は省略されています)

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