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公開番号2024086951
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-28
出願番号2024067603,2020082583
出願日2024-04-18,2020-05-08
発明の名称生体検査装置および生体情報分析方法
出願人マクセル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A61B 5/11 20060101AFI20240621BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】非侵襲的な検査により、嚥下音を伴う甲状軟骨および舌骨の上下前後の2次元的な動作を嚥下ダイナミクスとして一見して把握できるようにする生体検査装置および生体情報分析方法を提供する。
【解決手段】本発明の生体検査装置では、嚥下動作をモデル化したモデル関数を喉頭部変位検出部によって検出される検出データに基づく距離情報にフィッティングさせたフィッティング結果から、甲状軟骨の上下動に伴う上下動成分と、甲状軟骨の前後動に伴う前後動成分とを抽出し、これらの抽出された上下動成分および前後動成分に基づいて甲状軟骨の上下方向および前後方向の挙動軌跡を示す2次元軌跡データ901を生成する。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
嚥下時の甲状軟骨の上下方向および前後方向の挙動に伴って生じる被検者の喉頭部における2つの位置間の距離の変化を検出する喉頭部変位検出部と被検者が嚥下する際の嚥下音を検出する嚥下音検出部とを保持する可撓性保持具を備える生体検査装置において、
前記可撓性保持具は、被検者の首に当て付けられる押さえ部と被検者の喉頭部に当接される2つのセンサ部とから成る4箇所の押圧ポイントで被検者の首に装着されるようになっており、前記2つのセンサ部にそれぞれ前記喉頭部変位検出部及び前記嚥下音検出部の少なくとも一方が設けられることを特徴とする生体検査装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記可撓性保持具は、その開放端を利用して被検者の首に装着されるようになっている略環状の首装着部材と、この首装着部材の内側に位置される一対の円弧状のセンサ保持部材とから構成され、
前記首装着部材は、その内側において、前記一対のセンサ保持部材の他端間が開放されるように前記一対のセンサ保持部材の一端をそれぞれ両側で保持し、
前記一対のセンサ保持部材のそれぞれの他端に前記センサ部が配置され、前記首装着部材の前記開放端を形成する対向する末端部に前記押さえ部が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の生体検査装置。
【請求項3】
前記センサ部は、被検者の首と接触することなく位置される前記各センサ保持部材と共に前記首装着部材とは独立に甲状軟骨の動きに追従することを特徴とする請求項2に記載の生体検査装置。
【請求項4】
前記喉頭部変位検出部は、甲状軟骨を両側から挟み込むように配置されて高周波信号を送受信する発信コイルおよび受信コイルにより構成され、前記嚥下音検出部がマイクロフォンから構成されることを特徴とする請求項1に記載の生体検査装置。
【請求項5】
前記喉頭部変位検出部及び前記嚥下音検出部からの検出データを処理する処理部をさらに備え、
前記喉頭部変位検出部から距離情報をサンプリングするサンプリング周波数と、前記嚥下音検出部から音声情報をサンプリングするサンプリング周波数とが互いに異なり、
前記処理部は、前記音声情報の嚥下音波形から包絡線を示す波形を得るとともに、前記距離情報の前記サンプリング周波数と前記音声情報の前記サンプリング周波数とが一致するように前記包絡線を示す波形に対応する包絡線信号をリサンプリングする、
ことを特徴とする請求項1に記載の生体検査装置。
【請求項6】
前記距離情報をサンプリングする前記サンプリング周波数がA(Hz)であり、前記音声情報をサンプリングする前記サンプリング周波数がA×N(Hz)であるときに、前記処理部は、前記包絡線信号を1/Nにリサンプリングして、前記距離情報の前記サンプリング周波数と前記音声情報の前記サンプリング周波数とを一致させることを特徴とする請求項5に記載の生体検査装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記包絡線に関して最大振幅を示すピーク点に対応する時間を取得することを特徴とする請求項5に記載の生体検査装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記包絡線において、嚥下音が生じている時間区間を取得することを特徴とする請求項5に記載の生体検査装置。
【請求項9】
前記喉頭部変位検出部からの検出データを処理する処理部をさらに備え、
前記処理部は、嚥下動作をモデル化したモデル関数を前記喉頭部変位検出部によって検出される前記検出データに基づく距離情報にフィッティングさせたフィッティング結果から、甲状軟骨の上下動に伴う上下動成分と、甲状軟骨の前後動に伴う前後動成分とを抽出し、これらの抽出された上下動成分および前後動成分に基づいて、甲状軟骨の上下方向および前後方向の挙動を同時に1つの軌跡グラフで示す2次元軌跡データを生成するとともに、前記軌跡グラフ上における各点の符号付きの曲率を算出することを特徴とする請求項1に記載の生体検査装置。
【請求項10】
前記処理部は、最大の曲率をとる前記軌跡グラフ上の点の符号を取得するとともに、この取得した点の座標原点からの幾何距離を取得することを特徴とする請求項9に記載の生体検査装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の嚥下に関する検査を行なうための生体検査装置、および、生体の嚥下に伴って得られる生体情報を分析するための生体情報分析方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
主要な死因の一つに肺炎が知られている。その中で、嚥下(swallow)にまつわる障害を意味する嚥下障害(dysphagia)が誘発する誤嚥性肺炎は約6割以上を占めている。
【0003】
嚥下障害の主要な原因疾患は脳卒中であり、その急性期患者の8割に嚥下障害が生じることが知られている。また、脳卒中のような明らかな原因疾患がなくても、年齢が上がるにつれて嚥下障害を有する割合が増加することも知られており、高齢化社会においては、今後、誤嚥性肺炎および嚥下障害の増加が見込まれている。
【0004】
そのため、従来から、嚥下障害を診断するための様々な検査が試みられている。例えば、嚥下障害を正確に評価および把握できる方法として、嚥下造影(Videofluoroscopic Examination of Swallowing: VF)が一般的に知られている。このVFでは、硫酸バリウムなどの造影剤を含む食塊とX線透視装置とを用いて、被検者における嚥下時の食塊の動きや舌骨・喉頭部の挙動がモニターされる。この場合、嚥下運動は、一連の早い動きであるため、一般にビデオに記録して評価される。しかしながら、VFは、潜在的に誤嚥や窒息などの可能性を有する検査であることから注意を要し、また、大型装置であるX線透視装置が必要であることから、被曝や時間的制約、高コストなどの問題も伴う。また、内視鏡を用いて嚥下障害を評価する嚥下内視鏡検査(Videoendoscopic Examination of Swallowing:VE)も知られているが、VFと同様の問題を伴う。このように、VFやVEのような臨床検査は、直接的に喉の動きを見るため、正確に診断できるが、侵襲性が高く、また、所定の設備が必要であるため、どこでも簡単に行なえるというものでもない。
【0005】
これに対し、嚥下障害の簡便な検査法として、触診(反復唾液嚥下テスト(RSST:Repetitive Saliva Swallowing Test))、聴診(頸部聴診法)、観察(水飲みテストおよびフードテスト)、または、質問紙による主観評価などのスクリーニング検査も知られているが、日常的な検査として実施できるものの、定量的な評価が難しく、再現性および客観性に乏しいという問題がある。
【0006】
以上のような問題に鑑み、近年、嚥下状態を共有・記録する方法が幾つか提案されている。例えば、特許文献1は、頸部にマイクを装着し、聴診に相当する音声データをデジタルデータとして保存して、波形解析により嚥下を検出する装置を開示している。また、特許文献2は、マイクに加えて頸部に磁気コイルを装着し、音声データに加えて触診に相当する嚥下時の甲状軟骨の動作データをデジタルデータとして保存して、生体の嚥下に関する検査およびその結果表示を行なう生体検査装置を開示している。この生体検査装置は、具体的には、甲状軟骨を挟み込むように送信コイルと受信コイルとを配設することにより、嚥下時の舌骨の上下前後の2次元的な挙動に付随して生じる甲状軟骨部の左右方向の変位をコイル間の距離情報として計測している。このような検査形態によれば、触診および聴診に相当する距離情報および音声情報を同時に非侵襲的に取得でき、それにより、距離情報と音声情報とを組み合わせて嚥下動作を評価することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013―017694号公報
特開2009―213592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述した特許文献2の生体検査装置では、距離情報と音声情報とが時系列波形として独立に表示される。そのため、嚥下状態の評価は、時間的な変化のタイミングなどに関し、2種類の波形、すなわち、距離情報に基づく動作波形と音声情報に基づく嚥下音波形とを見比べることによりなされることになる。しかしながら、特に距離情報に基づく動作波形は、舌骨の挙動を甲状軟骨を介して間接的に観測した結果であり、甲状軟骨の上下前後の2次元的な動作を間接的に左右の1次元の動作に見立てていることから、実際の嚥下ダイナミクスを時系列波形から解釈することが困難であり、検査者は、音声情報および距離情報の波形変化から総合的な嚥下挙動を推測するしかない。このような2つの独立した時系列波形の表示に基づく評価形態では、嚥下挙動が具体的にどのようになっているかを一見して把握しづらいという問題がある。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、非侵襲的な検査により、嚥下音を伴う甲状軟骨および舌骨の上下前後の2次元的な動作を嚥下ダイナミクスとして一見して把握できるようにする生体検査装置および生体情報分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の生体検査装置は、
嚥下時の甲状軟骨の上下方向および前後方向の挙動に伴って生じる被検者の喉頭部における2つの位置間の距離の変化を検出する喉頭部変位検出部からの検出データを処理する処理部を備え、
前記処理部は、嚥下動作をモデル化したモデル関数を前記喉頭部変位検出部によって検出される前記検出データに基づく距離情報にフィッティングさせたフィッティング結果から、甲状軟骨の上下動に伴う上下動成分と、甲状軟骨の前後動に伴う前後動成分とを抽出し、これらの抽出された上下動成分および前後動成分に基づいて甲状軟骨の上下方向および前後方向の挙動軌跡を示す2次元軌跡データを生成することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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