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公開番号2024085063
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199388
出願日2022-12-14
発明の名称製紙用フェルト洗浄剤、製紙用フェルト洗浄装置、および、製紙用フェルトの洗浄方法
出願人アクアス株式会社
代理人弁理士法人日峯国際特許事務所
主分類D21F 1/32 20060101AFI20240619BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】低温での保管であっても凍結や沈殿、高温であっても、分離による不均一化が生じず、腐敗しにくく、発泡性が低く、さらに保管や運搬に要するコストの低い薬剤である製紙用フェルトの洗浄に用いることができる製紙用フェルト洗浄剤、このような製紙用フェルト洗浄剤を用いて製紙用フェルトの洗浄を行う製紙用フェルト洗浄装置、および、製紙用フェルトの洗浄方法を提供する。
【解決手段】非イオン界面活性剤を65質量%以上93質量%以下含有する製紙用フェルト洗浄剤、このような製紙用フェルト洗浄剤を用いる洗浄装置、および、洗浄方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
非イオン界面活性剤を65質量%以上93質量%以下含有することを特徴とする製紙用フェルト洗浄剤。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の製紙用フェルト洗浄剤。
【請求項3】
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテルであることを特徴とする請求項2に記載の製紙用フェルト洗浄剤。
【請求項4】
前記非イオン界面剤の含有量が、70質量%以上93質量%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の製紙用フェルト洗浄剤。
【請求項5】
請求項1に記載の製紙用フェルト洗浄剤を用いて製紙用フェルトの洗浄を行うフェルト洗浄装置であって、
前記製紙用フェルト洗浄剤を連続的に供給する洗浄剤供給ラインと、
前記製紙用フェルト洗浄剤を希釈するための希釈水を連続的に供給する希釈水供給ラインと、
前記洗浄剤供給ラインと前記希釈水供給ラインとに接続され内部で前記製紙用フェルト洗浄剤と前記希釈水とを混合して洗浄液を連続的に調製する合流配管部および当該合流配管部の前記洗浄液流れ方向下流に前記合流配管部に接続されたスタティックミキサーを備え、前記洗浄液を前記製紙用フェルトに供給する洗浄液供給ラインと、
を備えたことを特徴とする製紙用フェルト洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄液供給ラインが、前記洗浄液を前記製紙用フェルトに向かって吐出するシャワー手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の製紙用フェルト洗浄装置。
【請求項7】
前記シャワー手段が、摺動シャワーであることを特徴とする請求項6に記載の製紙用フェルト洗浄装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の製紙用フェルト洗浄装置により製紙用フェルトの洗浄をおこなうことを特徴とする製紙用フェルトの洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低温での保管であっても凍結や沈殿、高温であっても、分離による不均一化が生じず、腐敗しにくく、発泡性が低く、さらに保管や運搬に要するコストの低い薬剤である製紙用フェルトの洗浄に用いることができる製紙用フェルト洗浄剤、このような製紙用フェルト洗浄剤を用いて製紙用フェルトの洗浄を行う製紙用フェルト洗浄装置、および、製紙用フェルトの洗浄方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
製紙用フェルト(以下、「フェルト」とも云う)は抄紙機のプレスパートで水分を含んだ紙(湿紙)から水分を除去しながら、湿紙を運搬するために用いられる。ここで、製紙用フェルトが、紙の原料である木材や古紙に含まれる樹脂成分により汚染され、目詰まりすると、その吸水機能が阻害されて、湿紙に水分むらが生じて切断する、いわゆる、紙切れが起こりやすくなる。紙切れが生じると、その復帰に、製紙設備の停止や稼働再開のための時間が必要となり著しく生産性が低下する。このような生産性の低下を予防するためにフェルトの洗浄が必要となる。
【0003】
ここで、このようなフェルトの洗浄に用いられる製紙用フェルト洗浄成分のうち、きわめて高い洗浄効果が期待されるものとして引用文献1~3などにポリオキシアルキレンアルキル基を有する非イオン界面活性剤を含有する洗浄液が提案されている。
【0004】
これらは、上記非イオン界面活性剤を通常0.002~0.02質量%程度含有する洗浄液としてフェルト洗浄に用いられる。しかしながら、このような洗浄液は水を大量に含むので、運搬性、保管性、そして、貯蔵性に難があり、かつ、これらを解消するためにはコストがかかる。このために通常、非イオン界面活性剤の含有量が10~20質量%程度の洗浄剤として運搬、保管、貯蔵され、フェルト洗浄に用いる直前に、たとえば図4にモデル的に示すフェルト洗浄装置の一例である従来の製紙用フェルト洗浄装置Bにより、希釈されて洗浄液としてフェルト洗浄に用いられる。以下、図4により従来のフェルト洗浄技術について説明する。
【0005】
洗浄剤タンクT’にはポリオキシアルキレンアルキル基を有する非イオン界面活性剤を4~10質量%含有して残余が水の、従来のフェルト洗浄剤W1’が収容されている。この製紙用フェルト洗浄剤W1’はポンプP’に接続するフレキシブル配管H1’により洗浄剤タンクT’外に取り出され、フレキシブル配管H2’を通って逆止弁CV’を備えた送液ラインL1’に至る。
【0006】
送液ラインL1’に供給された製紙用フェルト洗浄剤W1’は合流配管部I1’で、製紙用フェルト洗浄剤W1’を希釈するための希釈水を連続的に供給する希送水配管WL2’を流れる希釈水と混合して希釈され、上記非イオン界面活性剤をたとえば0.02質量%含有する洗浄液が調製される。そしてこの洗浄液はラインL2’に複数設けられたシャワーSWからプレスパートに設置された製紙用フェルトFに供給され、この製紙用フェルトFを洗浄する(なお、以下、このように洗浄剤を連続的に希釈しながら製紙用フェルトを洗浄する装置を「連続希釈式製紙用フェルト洗浄装置」とも云う)。
【0007】
しかしながら、実際の製紙工場の抄紙機のプレスパートでの、製紙用フェルトに対するこのような現状の洗浄方法では、従来技術文献1~3で示された洗浄剤を用いても、本来得られるはずの高い洗浄効果は発揮されず、その結果、製紙用フェルトに汚れが蓄積して目詰まりし、吸水機能が低下するので、湿紙中の含水率が高くなって紙切れが頻発するとともに、その対策としてフェルトを短い期間で交換することが必要となるなど、これら洗浄方法での洗浄効果には満足できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-069022号公報
特開2010-150701号公報
特開2006-016737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記したような課題を解決する、すなわち、ポリオキシアルキレンアルキル基を有する非イオン界面活性剤を含有しながら上記の従来技術の洗浄剤で生じていた様々な欠点を解消できる、すなわち低温での保管であっても凍結や沈殿、高温であっても、分離による不均一化が生じず、腐敗しにくく、発泡性が低く、さらに保管や運搬に要するコストの低い薬剤である製紙用フェルト洗浄剤、この製紙用フェルト洗浄剤の優れた洗浄性能を発揮可能とする製紙用フェルト洗浄装置、および、製紙用フェルトの洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するにあたり、本発明者らは従来の製紙用フェルト洗浄装置について、詳細に検討をおこなった。その結果、期待通りの洗浄効果が得られない原因として、製紙用フェルトに供給される洗浄液中の非界面活性剤の濃度むら、そして、洗浄液を調製するためのフェルト洗浄剤の腐敗とそれに起因するスライムが挙げられ、これらが複合的に組み合わさることにより本来発揮されるべき洗浄効果が得られていないことを解明し、これら問題を解決できる製紙用フェルト洗浄剤と、この製紙用フェルト洗浄剤と組み合わせることによりその優れた洗浄性能を発揮可能とする製紙用フェルト洗浄装置、および、製紙用フェルトの洗浄方法を見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明の製紙用フェルト洗浄剤は、上記課題を解決するために、非イオン界面活性剤を65質量%以上93質量%以下含有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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