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公開番号2024048608
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022154619
出願日2022-09-28
発明の名称板紙
出願人大王製紙株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類D21H 27/00 20060101AFI20240402BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】美粧性及び印刷適性を良好にし、裏巻きで保管された際のカールの発生を抑制できる板紙を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る板紙は、少なくとも表層及び裏層を備え、上記表層の全パルプ成分に対する広葉樹未晒クラフトパルプの含有量が5質量%以上50質量%以下であり、上記表層の525℃燃焼法における紙中灰分が上記裏層より少なく、上記表層と上記裏層との紙中灰分の差が5%以下であり、上記表層が紙力増強剤を含有し、上記表層における上記紙力増強剤の含有量が固形分換算で、1.0kg/t以上9.9kg/t以下であり、上記表層の全パルプ成分における繊維長が0.2mm以下であるパルプ繊維の平均繊維幅が17.3μm以上17.8μm以下である。上記表層の表面に滑剤からなる塗工膜を有し、上記塗工膜の塗工量が固形分換算で0.01g/m2以上0.10g/m2以下であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも表層及び裏層を備え、
上記表層の全パルプ成分に対する広葉樹未晒クラフトパルプの含有量が5質量%以上50質量%以下であり、
上記表層の525℃燃焼法における紙中灰分が上記裏層より少なく、上記表層と上記裏層との紙中灰分の差が5%以下であり、
上記表層が紙力増強剤を含有し、
上記表層における上記紙力増強剤の含有量が固形分換算で、1.0kg/t以上9.9kg/t以下であり、
上記表層の全パルプ成分における繊維長が0.2mm以下であるパルプ繊維の平均繊維幅が17.3μm以上17.8μm以下である板紙。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
上記表層の紙中灰分が10%以下である請求項1に記載の板紙。
【請求項3】
上記表層の表面に滑剤からなる塗工膜を有し、
上記塗工膜の塗工量が固形分換算で0.01g/m

以上0.10g/m

以下である請求項1又は請求項2に記載の板紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、板紙に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
段ボール用途等に用いられる板紙は、木製や樹脂容器製に比べて軽量であり、クッション性を有することから内容物の破損しにくいため、精密機器をはじめ様々な分野で用いられている。このような段ボールケース用には、高い強度が要求されることから、表層を構成するパルプとしては、針葉樹未晒クラフトパルプが広く用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-173207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、針葉樹未晒クラフトパルプは繊維が長く太いため、印刷適性が良好ではない。針葉樹未晒クラフトパルプを用いた場合、板紙の強度を向上できるが、白色度が低くなり、美粧性に劣るおそれがある。
【0005】
一方、広葉樹未晒パルプを配合する場合、針葉樹に比べて繊維が細く短いことで、繊維が密に詰まり、針葉樹未晒クラフトパルプよりも印刷適性が向上するが、印刷時に紙ムケが生じるおそれがある。さらに、針葉樹未晒クラフトパルプよりパルプ強度が低下するおそれもある。また、板紙の巻取は、汚れの付着を防止するために、一般的に印刷面となる表層を内側にして巻取る裏巻きで仕上げられ、保管および運搬されることが多い。このため、板紙は表側に巻きぐせが付き、表側にカールが発生し易くなる製品であり、仮に広葉樹未晒パルプを表層のみに配合すると、表層の繊維が密に詰まることから、保管状態によっては吸放湿により更に表側にカールが発生しやすくなるという課題がある。板紙の巻取を表巻きで仕上げることも可能だが、その場合は、表層への汚れの付着を防止するために、外装紙で包装する必要があり、手間と費用が掛かる問題がある。
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、美粧性及び印刷適性を良好にし、裏巻きで保管された際のカールの発生を抑制できる板紙を提供することを目的と
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る板紙は、少なくとも表層及び裏層を備え、上記表層の全パルプ成分に対する広葉樹未晒クラフトパルプの含有量が5質量%以上50質量%以下であり、上記表層の525℃燃焼法における紙中灰分が上記裏層より少なく、上記表層と上記裏層との紙中灰分の差が5%以下であり、上記表層が紙力増強剤を含有し、上記表層における上記紙力増強剤の含有量が固形分換算で、1.0kg/t以上9.9kg/t以下であり、上記表層の全パルプ成分における繊維長が0.2mm以下であるパルプ繊維の平均繊維幅が17.3μm以上17.8μm以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、美粧性及び印刷適性を良好にし、裏巻きで保管された際のカールの発生を抑制できる板紙を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る板紙は、少なくとも表層及び裏層を備え、上記表層の全パルプ成分に対する広葉樹未晒クラフトパルプの含有量が5質量%以上50質量%以下であり、上記表層の525℃燃焼法における紙中灰分が上記裏層より少なく、上記表層と上記裏層との紙中灰分の差が5%以下であり、上記表層が紙力増強剤を含有し、上記表層における上記紙力増強剤の含有量が固形分換算で、1.0kg/t以上9.9kg/t以下であり、上記表層の全パルプ成分における繊維長が0.2mm以下であるパルプ繊維の平均繊維幅が17.3μm以上17.8μm以下である。
【0010】
当該板紙は、表層の全パルプ成分に対する広葉樹未晒クラフトパルプの含有量が5質量%以上50質量%以下であり、上記表層の全パルプ成分における繊維長が0.2mm以下であるパルプ繊維の平均繊維幅が17.3μm以上17.8μm以下である。これにより、表層に含まれる微細な繊維を低減して表面が密にならないようにすることで、印刷時の紙ムケを抑制し、印刷適性を良好にできるとともに、裏巻きで保管された際のカールの発生を抑制できる。また、表層の白色度を適度な範囲に調整することにより美粧性を向上できる。上記表層が紙力増強剤を含有し、上記表層における上記紙力増強剤の含有量が固形分換算で、1.0kg/t以上9.9kg/t以下であることで、罫割れを抑制しつつ広葉樹未晒クラフトパルプを含有していても強度を良好に維持できる。上記表層の525℃燃焼法における紙中灰分が上記裏層より少なく、上記表層と上記裏層との紙中灰分の差が5%以下であることで、表層と裏層とのパルプ繊維の詰まりの差が軽減されることで、表層と裏層とのパルプ繊維の吸放湿による伸縮差が低減し、裏巻きで保管された際のカールの発生を抑制できる。
従って、当該板紙は、美粧性及び印刷適性を良好にし、裏巻きで保管された際のカールの発生を抑制できる。
なお、本発明における美粧性とは、適度な白色度を有し、印刷前に汚れが目立たないことを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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