TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024051835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158188
出願日2022-09-30
発明の名称繊維状セルロース複合樹脂、繊維状セルロース含有物、及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法
出願人大王製紙株式会社
代理人弁理士法人永井国際特許事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240404BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】強度の高い繊維状セルロース複合樹脂、及び強度の高い繊維状セルロース複合樹脂を製造する方法を提供する。
【解決手段】繊維状セルロース及び樹脂を含み、繊維状セルロースはヒドロキシ基の一部又は全部がカルバメート基で置換されたFine率Aが25%以上、フィブリル化率が1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースであることを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂である。また、その製造方法においては、原料パルプを抄紙して帯状のパルプシートとし、このパルプシートに、尿素及び尿素の誘導体の少なくともいずれか一方を塗工し加熱してカルバメート化パルプシートとし、このカルバメート化パルプシートを解繊してFine率Aを25%以上、フィブリル化率を1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースとし、このカルバメート化マイクロ繊維セルロース及び樹脂を混練する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
繊維状セルロース及び樹脂を含み、
前記繊維状セルロースは、ヒドロキシ基の一部又は全部がカルバメート基で置換されたFine率Aが25%以上、フィブリル化率が1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースである、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記繊維状セルロースの原料繊維は、Fine率Aが20%以上、かつフリーネス300~700mlである、
請求項1に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
【請求項3】
カルバメート化マイクロ繊維セルロースの含有率が1~90質量%である、
請求項1に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
【請求項4】
ヒドロキシ基の一部又は全部がカルバメート基で置換されたFine率Aが25%以上、フィブリル化率が1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースと、
無水マレイン酸変性樹脂と、を含む、
ことを特徴とする繊維状セルロース含有物。
【請求項5】
原料パルプを抄紙して帯状のパルプシートとし、
このパルプシートに、尿素及び尿素の誘導体の少なくともいずれか一方を塗工し加熱してカルバメート化パルプシートとし、
このカルバメート化パルプシートを解繊してFine率Aを25%以上、フィブリル化率を1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースとし、
このカルバメート化マイクロ繊維セルロース及び樹脂を混練して繊維状セルロース複合樹脂とする、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維状セルロース複合樹脂、繊維状セルロース含有物、及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)等の各種樹脂には、当該樹脂の強度を向上するために、パルプを解繊して得たマイクロ繊維セルロース等の微細繊維を補強材(フィラー)として含ませることがある。しかしながら、微細繊維は乾燥の過程で凝集し易く、一旦凝集すると樹脂との混練時にかかるシェアでは解れずに凝集塊として残ることがある。微細繊維が凝集塊として残ると、当該微細繊維が補強材として機能しないばかりか、かえって樹脂の強度を落とす可能性もある。
【0003】
他方、補強材としてパルプの解繊度合いを抑えた繊維を用いると、繊維の分散性は向上するが、樹脂中において繊維同士が三次元ネットワークを形成しなくなり、樹脂の強度が十分に向上しなくなる可能性がある。
【0004】
この点、微細繊維の分散性に関しては、微細繊維が親水性であるのに対し樹脂は疎水性である点に着目し、微細繊維のヒドロキシ基をカルバメート基で置換する提案もある(例えば、特許文献1等。)。しかしながら、この提案は、凝集していない微細繊維の樹脂中における分散性を高めるという点では非常に有益であるが、いったん凝集してしまった微細繊維の分散性を高めるという点に関しては効果が薄い。したがって、微細繊維の凝集をできる限り抑えることによって樹脂中における微細繊維の分散性を向上させ、もって強度の高い繊維状セルロース複合樹脂を製造する方法の開発が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-1876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、強度の高い繊維状セルロース複合樹脂、繊維状セルロース含有物、及び強度の高い繊維状セルロース複合樹脂を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前述したようにマイクロ繊維セルロース等の微細繊維は乾燥の過程で凝集し易いことから、解繊後の繊維の形状が大きな影響を有していると考え、このことを前提に鋭意検討した。結果、同じ繊維サイズの微細繊維であっても枝分かれしている部分が多いほど、詳細にはFine率Aが同じ微細繊維であってもフィブリル化率が大きい微細繊維ほど、繊維の枝分かれしている部分同士が乾燥の過程で強固に凝集してしまうということを知見した。このような知見のもと上記課題を解決する下記の手段を想到した。
【0008】
すなわち、繊維状セルロース及び樹脂を含み、
前記繊維状セルロースは、ヒドロキシ基の一部又は全部がカルバメート基で置換されたFine率A25%以上、フィブリル化率1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースである、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂である。
【0009】
また、原料パルプを抄紙して帯状のパルプシートとし、
このパルプシートに、尿素及び尿素の誘導体の少なくともいずれか一方を塗工し加熱してカルバメート化パルプシートとし、
このカルバメート化パルプシートを解繊してFine率A25%以上、フィブリル化率1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースとし、
このカルバメート化マイクロ繊維セルロース及び樹脂を混練して繊維状セルロース複合樹脂とする、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法である。
【0010】
さらに、ヒドロキシ基の一部又は全部がカルバメート基で置換されたFine率Aが25%以上、フィブリル化率が1.0%以下のカルバメート化マイクロ繊維セルロースと、
無水マレイン酸変性樹脂と、を含む、
ことを特徴とする繊維状セルロース含有物である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許