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公開番号2024039540
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-22
出願番号2022144162
出願日2022-09-09
発明の名称印刷用塗工紙
出願人三菱製紙株式会社
代理人
主分類D21H 19/38 20060101AFI20240314BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】ダル調であって、白紙部分の文字の可読性を有し及び印刷部分が白紙部分よりも光沢を有し、並びにひじわの発生を抑えた印刷用塗工紙を提供することである。
【解決手段】課題は、パルプ及び填料を含有する基紙と、前記基紙の少なくとも片面に対して1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記塗工層において前記基紙を基準にして最外に位置する最外塗工層が重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン及び有機顔料、並びにバインダーを少なくとも含有し、前記カオリンが体積基準で求められる粒度分布において粒子径2μm以下である粒子の累積頻度が84体積%以上であり、前記軽質炭酸カルシウムの比表面積が12m2/g以上25m2/g以下である印刷用塗工紙によって解決できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
パルプ及び填料を含有する基紙と、前記基紙の少なくとも片面に対して1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記塗工層において前記基紙を基準にして最外に位置する最外塗工層が重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン及び有機顔料、並びにバインダーを少なくとも含有し、前記カオリンが体積基準で求められる粒度分布において粒子径2μm以下である粒子の累積頻度が84体積%以上であり、前記軽質炭酸カルシウムの比表面積が12m

/g以上25m

/g以下である印刷用塗工紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダル調の印刷用塗工紙に関する。ダル調の印刷用塗工紙とは、白紙部分の光沢がマット調とグロス調との間で、印刷部分が白紙部分よりも高い光沢を有する印刷用塗工紙である。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
印刷機メーカー各社がデジタル印刷機を発表する中、印刷業においては、依然としてオフセット印刷機を、雑誌、書籍、画集、写真集、アート集、美術書、MOOK本、冊子、カタログ、カレンダー、チラシ及びパンフレットなどの商業印刷物の生産に活用する。さらに、商業印刷物を多数部生産する場合はオフセット輪転印刷機を活用する。
印刷に使用する用紙は、光沢紙及びマット紙だけに限らない。近年の用紙は、光沢感及び艶消し感、平滑の程度、色合い、手触り感及び嵩高さなど様々な品質が存在する。雑誌、美術書、MOOK本、カタログ及びパンフレットのような文字と写真とが混在する商業印刷物では、商業印刷物の利用者が納得する写真印刷品質及び文字の可読性が必要になる。従来では、写真印刷品質を満たす観点から、比較的高い光沢を有する印刷用塗工紙を使用する。しかしながら、高い光沢を有する印刷用塗工紙は光反射によって文字の可読性に劣る。近時の傾向は、白紙部分の光沢を抑えかつ印刷部分が白紙部分に比べて比較的高い光沢を有するダル調の印刷用塗工紙を使用する。ダル調の印刷用塗工紙を使用した商業印刷物は、印刷された文字の可読性を有しかつ写真などの印刷部分に光沢を有することができる。
【0003】
例えば、原紙上に顔料及び接着剤を含有する下塗り層と上塗り層との塗工層を設けた塗工紙において、原紙がパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有し、下塗り層が顔料として体積分布平均粒子径3.5~20μmであるデラミネーテッドクレーを顔料100重量部当たり50重量部以上含有し、上塗り層が体積分布平均粒子径0.80μm以下であるカオリンを顔料100重量部あたり70重量部以上含有し、塗工紙の密度が1.00g/cm

以下であることを特徴とするダル調塗工紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。前記ダル調塗工紙は、嵩高でラフな手触り及び高い印刷光沢度を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-133278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダル調の印刷用塗工紙では、ISO8254-1:2009「Paper and boad-Measurement of specular gloss-Part 1:75 degree gloss with a converging beam, TAPPI method」に準拠して求められる光沢度が35%以上65%以下である。ダル調の印刷用塗工紙は、マット調よりも光沢を有しかつグロス調よりも光沢を有しない。ダル調の印刷用塗工紙は、白紙部分の光沢を抑えるために、基紙の製造における抄紙工程のプレスパート及びドライヤーパート並びに基紙乃至塗工紙の製造におけるカレンダー処理などにおいて、白紙光沢を増す製造条件を採用し難い。よって、ダル調の印刷用塗工紙は、基紙乃至塗工紙において緻密化及び均一化に欠く傾向を有する。例えば、ダル調は、カレンダー処理に依存するのではなく、基紙及び最外塗工層の材料及びその組み合わせなどによって平滑性、有孔性及び寸法安定性のバランスによって得ることができる。
【0006】
一方で、オフセット輪転印刷機及び高速のオフセット枚葉印刷機はインキを素早く乾燥するために乾燥装置を備える。ダル調の印刷用塗工紙は、基紙乃至印刷用塗工紙において緻密化及び均一化に欠く傾向に起因して、印刷機の乾燥装置において紙の表面にちりめん状の用紙の皺、すなわち「ひじわ」を発生し易い。
【0007】
本発明の目的は、ダル調であって、文字の可読性を有し及び印刷部分が白紙部分よりも高い光沢を有し、並びにひじわの発生を抑えた印刷用塗工紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の目的は、以下によって達成される。
【0009】
パルプ及び填料を含有する基紙と、前記基紙の少なくとも片面に対して1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記塗工層において前記基紙を基準にして最外に位置する最外塗工層が重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン及び有機顔料、並びにバインダーを少なくとも含有し、前記カオリンが体積基準で求められる粒度分布において粒子径2μm以下である粒子の累積頻度が84体積%以上であり、前記軽質炭酸カルシウムの比表面積が12m

/g以上25m

/g以下である印刷用塗工紙。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、ダル調であって、文字の可読性を有し及び印刷部分が白紙部分よりも高い光沢を有し、並びにひじわの発生を抑えた印刷用塗工紙を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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