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公開番号2024054299
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2024019047,2023101455
出願日2024-02-10,2023-06-21
発明の名称蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ
出願人株式会社KY7
代理人
主分類D21H 19/18 20060101AFI20240409BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【解決手段】紙系素材は、紙系の基材の少なくとも片方の表面に、非合成樹脂系の疎水性有機化合物を付着した部分としての表面付着部が設けられている。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
紙系の基材の少なくとも片方の表面に、前記基材の前記表面を露出させている、紙系素材。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記基材の少なくとも片方の表面に、非合成樹脂系の疎水性有機化合物を付着した部分としての表面付着部が設けられている、請求項1に記載の紙系素材。
【請求項3】
前記疎水性有機化合物が、生分解性を有する有機化合物である、
請求項2に記載の紙系素材。
【請求項4】
前記基材の前記表面から前記基材の内側の部分に、前記疎水性有機化合物を付着した部分としての内側付着部を形成している、
請求項2又は3に記載の紙系素材。
【請求項5】
前記表面付着部は、層を形成している、
請求項2又は3に記載の紙系素材。
【請求項6】
前記基材の前記表面から前記基材の内側の部分に、前記疎水性有機化合物を付着した部分としての内側付着部を形成し、
前記内側付着部と前記表面付着部が連続している、
請求項2又は3に記載の紙系素材。
【請求項7】
前記非合成樹脂系の前記疎水性有機化合物が、ワックス類である、
請求項2又は3に記載の紙系素材。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の紙系素材から形成された、
蓋体。
【請求項9】
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有し且つ表面に樹脂コート層をする容器に対して接合可能に形成されており、
前記紙系素材のうち前記基材の前記表面を露出した部分に前記樹脂コート層が接合することができるように構成されている、
請求項8に記載の蓋体。
【請求項10】
請求項8に記載の蓋体と、
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紙系素材、蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ、及び紙系素材の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
カップ等の容器類や蓋等に例示される包装用部材は、特許文献1に示すように、これまでコストや成形性等の観点でプラスチック製のものを汎用されてきた。プラスチックについては、環境負荷の大きさが問題となっている。特に、石油系の合成樹脂等といった通常の合成プラスチックには廃棄処分後において自然分解されずに自然界に長期間残ってしまう課題が認められていた。この課題に対して、包装用部材の素材としてプラスチックを使用する場合においても、生分解性プラスチックを用いることが検討されてきた。しかしながら、生分解性プラスチックは、通常の合成プラスチックと比較した場合に、自然分解性を有するものの、コスト面での改善を強く要請される。こうした点に鑑み、包装用部材には、プラスチックに比べて環境負荷の少ない素材(非プラスチック系素材)として紙系の素材を用いることが検討されている。紙系の素材を用いて包装用部材を得る方法としては、例えば、紙系素材に基づきブランク材を得て、ブランク材の加工によって包装用部材を得るという方法が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-84646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装用部材が蓋体であり、蓋体が紙系素材としてのシート(紙シート)から形成されたブランク材を加工することで得られたものである場合においては、耐水性を向上させるために両面に樹脂層を形成したシートで蓋体を形成することも考えられる。しかしながら、容器の表面には、通常、容器の防水用に樹脂コート層が形成されているため、樹脂層を構成する樹脂材料の材質によっては樹脂コート層を構成する樹脂との接着性が損なわれ、シール法で容器と蓋体とを接着することが困難になる虞を生じうる。したがって、容器の表面に形成された樹脂コート層を構成する樹脂の種類が多様化しても容器と蓋体とをヒートシール法で接着することを可能とする点で改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的の一つは、非プラスチック系の素材としての紙系素材において、ヒートシール性を有する紙系素材および、紙系素材を用いた蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ、及び紙系素材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次の(1)から(13)にかかる発明を要旨としている。
【0007】
(1)紙系の基材の少なくとも片方の表面に、前記基材の前記表面を露出させている、紙系素材。
(2)前記基材の少なくとも片方の表面に、非合成樹脂系の疎水性有機化合物を付着した部分としての表面付着部が設けられている、上記(1)に記載の紙系素材。
(3)前記疎水性有機化合物が、生分解性を有する有機化合物である、上記(2)に記載の紙系素材。
(4)前記基材の前記表面から前記基材の内側の部分に、前記疎水性有機化合物を付着した部分としての内側付着部を形成している、上記(2)又は(3)に記載の紙系素材。
(5)前記表面付着部は、層を形成している、上記(2)又は(3)に記載の紙系素材。
(6)前記基材の前記表面から前記基材の内側の部分に、前記疎水性有機化合物を付着した部分としての内側付着部を形成し、前記内側付着部と前記表面付着部が連続している、上記(2)又は(3)に記載の紙系素材。
(7)前記非合成樹脂系の前記疎水性有機化合物が、ワックス類である、上記(2)又は(3)に記載の紙系素材。
(8)上記(1)又は(2)に記載の紙系素材から形成された、蓋体。
(9)上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有し且つ表面に樹脂コート層をする容器に対して接合可能に形成されており、前記紙系素材のうち前記基材の前記表面を露出した部分に前記樹脂コート層が接合することができるように構成されている、上記(8)に記載の蓋体。
(10)上記(8)に記載の蓋体と、上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器とを有し、前記蓋体を前記容器に接合した、蓋体付き容器。
(11)前記容器は、表面に樹脂コート層を有し、前記紙系素材のうち前記基材の前記表面を露出した部分に前記樹脂コート層が接合している、上記(10)に記載の蓋体付き容器。
(12)上記(9)に記載の蓋体と、上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器とを有する、蓋体と容器の組み合わせ。
(13)基材を、非合成樹脂系の疎水性有機化合物と水と非水系溶媒とを含む浸漬液に浸漬する浸漬工程と、前記浸漬液を含む前記基材を乾燥する乾燥工程と、を含む、紙系素材の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紙系素材において、ヒートシール性を有する紙系素材、紙系素材を用いた蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ、及び紙系素材の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1Aは、本発明にかかる第1例の紙系素材の一実施例を模式的に示す断面図である。図1Bは、図1Aの破線で囲まれた領域XS1の部分を拡大した状態の一例を示す拡大断面図であり、本発明にかかる第1例の紙系素材の一実施例を模式的に示す拡大断面図である。
図2Aは、本発明にかかる第1例の紙系素材の一実施例を示す平面図である。図2Bは、図2Aの破線で囲まれた領域XS2の部分を拡大した状態の一例を示す拡大平面図であり、本発明にかかる第1例の紙系素材の一実施例を模式的に示す拡大平面図である。
図3Aは、本発明にかかる第2例の紙系素材の一実施例を模式的に示す断面図である。図3Bは、図3Aの破線で囲まれた領域XS3の部分を拡大した状態の一例を示す拡大断面図であり、本発明にかかる第2例の紙系素材の一実施例を模式的に示す拡大断面図である。
図4Aは、本発明にかかる第3例の紙系素材の一実施例を模式的に示す断面図である。図4Bは、図4Aの破線で囲まれた領域XS4の部分を拡大した状態の一例を示す拡大断面図であり、本発明にかかる第3例の紙系素材の一実施例を模式的に示す拡大断面図である。
図5Aは、本発明にかかる第4例の紙系素材の一実施例を模式的に示す断面図である。図5Bは、図5Aの破線で囲まれた領域XS5の部分を拡大した状態の一例を示す拡大断面図であり、本発明にかかる第4例の紙系素材の一実施例を模式的に示す拡大断面図である。
図6Aは、本発明にかかる第5例の紙系素材の一実施例を模式的に示す断面図である。図6Bは、図6Aの破線で囲まれた領域XS6の部分を拡大した状態の一例を示す拡大断面図であり、本発明にかかる第5例の紙系素材の一実施例を模式的に示す拡大断面図である。
図7は、本発明にかかる第6例の紙系素材の一実施例を模式的に示す断面図である。
図8Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第1例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。図8Bは、図8AのA-A線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。図8Cは、図8Bの破線で囲まれた領域XS7の部分を拡大した状態の一例を示す拡大断面図である。
図9Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第2例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。図9Bは、図9AのB-B線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図10Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第2例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。図10Bは、図10AのC-C線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図11Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第3例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。図11Bは、図11AのD-D線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。図11Cは、小蓋部を開く場合の蓋体の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図12Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第3例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。図12Bは、図12AのE-E線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図13Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第3例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。図13Bは、図13AのF-F線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図14Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第4例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。図14Bは、図14AのG-G線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。図14C、図14Dは、本発明にかかる紙系素材を用いた第4例の蓋体の他の一実施例を模式的に示す断面図である。
図15は、本発明にかかる紙系素材を用いた第5例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。
図16A、図16Bは、本発明にかかる紙系素材を用いた第6例の蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。
図17Aは、蓋体付き容器の一実施例を表す平面図である。図17Bは、図17AのH-H線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図18Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第7例の蓋体の一実施例を模式的に示す斜視図である。図18Bは、図18AのI-I線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図19Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第8例の蓋体の一実施例を模式的に示す斜視図である。図18Bは、図18AのJ-J線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図20Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第9例の蓋体の一実施例を模式的に示す斜視図である。図20Bは、図20AのK-K線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図21Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第7例の蓋体の一実施例を模式的に示す斜視図である。図21Bは、図21AのL-L線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図22A及び図22Bは、本発明にかかる紙系素材を用いた蓋体を製造するためのブランク材を説明するための平面図である。
図23Aは、本発明にかかる紙系素材を用いた第7例の蓋体の一実施例を模式的に示す斜視図である。図23Bは、図23AのM-M線縦断面の状態の一例を模式的に示す断面図である。
図24は、蓋体付き容器の一実施例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかる紙系素材について詳細に説明する。特に、紙系素材がシートである場合を例として、説明を続ける。また、本発明にかかる紙系素材を用いた蓋体について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、蓋体は、コーヒーカップのような各種の飲料物を入れる容器(カップ)に対して用いられる蓋体を例として挙げて説明するが、飲料物を入れる容器の蓋体に限定されるものではなく、飲料物以外の食料品を収容する容器の蓋体としても適用することが可能である。また、本発明に係る蓋体は、飲食物以外の各種物品、例えばボルトやナット等といった部品や、上記した以外の物品を収容することのできる容器にも適用することができる。さらに、本発明に係る蓋体は、平面視したときの形状が円形状であるものの例を用いて以下においては説明するが、蓋体の形状は平面視したときに円形状であるものに限定されることはなく、楕円形状、矩形状、三角形状などの多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等、円形状以外の各種の形状にも適用することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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