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公開番号2024022070
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022125403
出願日2022-08-05
発明の名称工業用織物
出願人日本フイルコン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D21F 1/10 20060101AFI20240208BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】上面側織物および下面側織物を接結する力を十分に確保しつつ、表面平滑性の低下を抑える工業用織物を提供する。
【解決手段】上面側経糸および上面側緯糸を含む上面側織物と、下面側経糸および下面側緯糸を含む下面側織物と、上面側織物および下面側織物を接結するとともに上面側織物の一部および下面側織物の一部を構成する接結経糸と、を備える工業用織物は、上下に隣接する一対の接結経糸からなる第1経糸対と、上下に隣接する上面側経糸および下面側経糸からなる第2経糸対と、を備える。上面側経糸は、上面側緯糸のみに織り込まれ、下面側経糸は、下面側緯糸のみに織り込まれ、緯方向に3組並んだ第1経糸対と、緯方向に3組並んだ第1経糸対の横に隣接して配置された第2経糸対とによって形成される織り込みパターンが繰り返される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上面側経糸および上面側緯糸を含む上面側織物と、下面側経糸および下面側緯糸を含む下面側織物と、前記上面側織物および前記下面側織物を接結するとともに前記上面側織物の一部および前記下面側織物の一部を構成する接結経糸と、を備える工業用織物であって、
上下に隣接する一対の前記接結経糸からなる第1経糸対と、
上下に隣接する前記上面側経糸および前記下面側経糸からなる第2経糸対と、を備え、
前記上面側経糸は、前記上面側緯糸のみに織り込まれ、
前記下面側経糸は、前記下面側緯糸のみに織り込まれ、
緯方向に3組並んだ前記第1経糸対と、緯方向に3組並んだ前記第1経糸対の横に隣接して配置された前記第2経糸対とによって形成される織り込みパターンが繰り返されることを特徴とする工業用織物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第1経糸対をなす一対の前記接結経糸は、第1接結経糸および第2接結経糸により構成され、
前記上面側織物を面直方向に見て、前記第1接結経糸および前記第2接結経糸が平面視で重なる範囲が50パーセント未満であることを特徴とする請求項1に記載の工業用織物。
【請求項3】
下記の数式1で算出される前記上面側経糸、前記下面側経糸および前記接結経糸を含む経糸の経糸密度が90パーセント以上になることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
DW=(D×M/25.4)×100 ・・・数式1
前記DWは、経糸密度であり、前記Dは、上面側経糸、下面側経糸または接結経糸の直径(ミリメートル)であり、前記Mは、1インチ当りの経糸本数であるメッシュを示す。
【請求項4】
前記接結経糸は、共通の織り込みパターンで前記上面側緯糸および前記下面側緯糸に織り込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項5】
前記上面側経糸および前記接結経糸は、前記上面側緯糸の上側を通って上面側ナックルを形成し、
緯方向に隣接する2組の前記第1経糸対によって形成される前記上面側ナックルの位置は、経方向において1本以上の前記上面側緯糸のずれを有し、
緯方向に隣接する前記第1経糸対および前記上面側経糸によって形成される前記上面側ナックルの位置は、経方向において1本以上の前記上面側緯糸のずれを有することを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項6】
前記上面側経糸および前記接結経糸を含む上面側に位置する経糸は、前記上面側緯糸を1本ずつ上下に織り込む織り込みパターンを形成することを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項7】
前記下面側経糸および前記接結経糸は、前記下面側緯糸の下側を通って下面側ナックルを形成し、
緯方向に隣接する2組の前記第1経糸対によって形成される前記下面側ナックルの位置は、経方向において1本以上の前記下面側緯糸のずれを有し、
緯方向に隣接する前記下面側経糸および前記第1経糸対によって形成される前記下面側ナックルの位置は、経方向において1本以上の前記下面側緯糸のずれを有することを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項8】
前記下面側経糸および前記接結経糸を含む下面側に位置する経糸は、1本の前記下面側緯糸の下側を通り、連続する3本の前記下面側緯糸の上側を通る織り込みパターンを繰り返し形成することを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項9】
連続した3組の前記第1経糸対の両側に隣接して1組の前記第2経糸対がそれぞれ配置され、且つ1組の前記第2経糸対の両側に連続した3組の前記第1縦糸対がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機に用いられる工業用織物に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、抄紙機に用いられる工業用織物として、経糸と緯糸を製織した抄紙網が広く使われている。抄紙網に求められる特性は様々であるが、例えば、特許文献1には、上面側経糸と隣接する下面側経糸とを一組とした複数の経糸対が、上面側織物と下面側織物とを接合する経糸接結糸からなる第1の経糸対と、経糸接結糸を有しない第2の経糸対とを有する工業用二層織物が開示されている。この工業用二層織物の完全組織において、第1の経糸対が4組配置され、第2の経糸対が4組配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-017340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、上面側織物と下面側織物を接結する力が弱くなって、上面側織物と下面側織物が内部で摩擦するおそれがある。一方で、経糸接結糸が上面側織物から下面側織物に織り込まれる箇所においては、上面側織物に窪みが生じることから、織物を構成する経糸における経糸接結糸の本数の比率が大きすぎると、織物の表面平滑性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、上面側織物および下面側織物を接結する力を十分に確保しつつ、表面平滑性の低下を抑える工業用織物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、上面側経糸および上面側緯糸を含む上面側織物と、下面側経糸および下面側緯糸を含む下面側織物と、上面側織物および下面側織物を接結するとともに上面側織物の一部および下面側織物の一部を構成する接結経糸と、を備える工業用織物であって、上下に隣接する一対の接結経糸からなる第1経糸対と、上下に隣接する上面側経糸および下面側経糸からなる第2経糸対と、を備える。上面側経糸は、上面側緯糸のみに織り込まれ、下面側経糸は、下面側緯糸のみに織り込まれ、緯方向に3組並んだ第1経糸対と、緯方向に3組並んだ第1経糸対の横に隣接して配置された第2経糸対とによって形成される織り込みパターンが繰り返される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上面側織物および下面側織物を接結する力を十分に確保しつつ、表面平滑性の低下を抑える工業用織物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施例に係る工業用織物の完全組織を示す意匠図である。
図1に示す工業用織物の経糸に沿った経方向の断面図である。
第2実施例に係る工業用織物の完全組織を示す意匠図である。
図3に示す工業用織物の経糸に沿った経方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、「経糸」とは、製紙用の多層織物をループ状のベルトとした場合に、紙原料の搬送方向に沿って伸びている糸であり、「緯糸」とは、経糸に対して交差する方向に伸びている糸である。また、「上面側織物」とは、多層織物を抄紙網として利用する場合に、抄紙網の両面のうち紙原料が搬送される上面側に位置する織物であり、「下面側織物」とは、抄紙用ベルトの両面のうち主として駆動ローラが当接する下面側に位置する織物である。なお、単に「表面」とは、上面側織物や下面側織物の露出している側の面であり、上面側織物の「表面」とは、抄紙網における外面側に相当し、下面側織物の「表面」とは、抄紙網における内面側に相当する。
【0010】
また、「意匠図」とは織物組織の最小の繰り返し単位であって織物の完全組織に相当する。つまり、「完全組織」が前後左右に繰り返されて「織物」が形成される。また、「ナックル」とは経糸が1本又は複数本の緯糸の上、又は下を通って表面に露出した部分をいう。
(【0011】以降は省略されています)

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