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公開番号2024084378
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2022198622
出願日2022-12-13
発明の名称化成処理剤
出願人日本パーカライジング株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C23C 22/34 20060101AFI20240618BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】化成後の外観及び塗装後の曝露試験やVDA621-415法等により評価される耐食性に優れ、且つ幅広い温度域で使用できる、金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理剤を提供する。
【解決手段】金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理剤であって、フッ素イオンの供給源と、ジルコニウムを含有するイオンの供給源Aと、アルミニウムを含有するイオンの供給源Bと、下記式(i)で表される構造単位をモル換算で90%以上含有する水溶性もしくは水分散性の高分子又はその塩Cと、が配合される化成処理剤である。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理剤であって、
フッ素イオンの供給源と、
ジルコニウムを含有するイオンの供給源Aと、
アルミニウムを含有するイオンの供給源Bと、
下記式(i)で表される構造単位をモル換算で90%以上含有する水溶性もしくは水分散性の高分子又はその塩Cと、が配合され、下記式(1)を満たす化成処理剤。
(Ac+Bc)×(pH-3)

≧0.38 ・・・式(1)
但し、X=7.2×12
(-1.6×(Ac+Bc))
TIFF
2024084378000008.tif
40
170
ここで、前記式(1)において、Acは前記化成処理剤中の、前記供給源Aに由来するジルコニウム元素濃度であって、0.02g/L以上2g/L以下であり、
Bcは前記化成処理剤中の、前記供給源Bに由来するアルミニウム元素濃度であって0.02g/L以上2g/L以下であり、
Acに対するBcの比Bc/Acが0.03以上10.0以下であり、
前記化成処理剤中の前記高分子又はその塩Cの濃度は、0.0001g/L以上(0.16×Ac+0.23)g/L以下であり、
pHは前記化成処理剤のpHであって3.8以上6.0以下である。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
前記金属材料は鉄材、亜鉛又は亜鉛系メッキ材、アルミニウム材、アルミニウム合金材、アルミニウム系メッキ材、マグネシウム材、及びマグネシウム合金材のうち少なくとも1つ以上である、請求項1に記載の化成処理剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理剤に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、耐食性に優れ、密着性も良好な表面処理を施すことを可能とする金属表面処理用処理液が開発されている。例えば、特許文献1には、Hf(IV)、Ti(IV)及びZr(IV)から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む化合物A、上記化合物Aに含まれる金属の合計モル濃度の少なくとも5倍モル濃度のフッ素を組成物中に存在させるに十分な量のフッ素含有化合物、アルカリ土類金属の群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンB、Al、Zn、Mg、Mn及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属イオンC、硝酸イオン、を含有することを特徴とするアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム又はマグネシウム合金の表面処理用組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第03/074761号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表面処理は、密着性、耐食性以外に仕上がり性として外観も重要視されている。また、耐食性試験においては一般的な塩水噴霧試験(SST)やJASO-M609法などよりも実環境条件に近い曝露試験や腐食試験が近年重要視されている。さらに、環境負荷低減の観点から、化成処理温度を低温化することも重要視されている。一方、従来の表面処理技術において、化成後の外観と耐食性を両立させたものはない。
本発明は、化成後の外観及び塗装後の曝露試験やVDA621-415法等により評価される耐食性に優れ、且つ幅広い温度域で使用できる、金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フッ素イオンの供給源と、ジルコニウムを含有するイオンの供給源Aと、アルミニウムを含有するイオンの供給源Bと、特定の水溶性もしくは水分散性の高分子又はその塩Cが配合された化成処理剤が、特定のパラメーターを満たすことで、耐食性及び化成処理後外観に優れた化成皮膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、以下のものを含む。
[1]金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理剤であって、
フッ素イオンの供給源と、
ジルコニウムを含有するイオンの供給源Aと、
アルミニウムを含有するイオンの供給源Bと、
下記式(i)で表される構造単位をモル換算で90%以上含有する水溶性もしくは水分散性の高分子又はその塩Cと、が配合され、下記式(1)を満たす化成処理剤。
(Ac+Bc)×(pH-3)

≧0.38 ・・・式(1)
但し、X=7.2×12
(-1.6×(Ac+Bc))
TIFF
2024084378000001.tif
40
170
ここで、前記式(1)において、Acは前記化成処理剤中の、前記供給源Aに由来するジルコニウム元素濃度であって、0.02g/L以上2g/L以下であり、
Bcは前記化成処理剤中の、前記供給源Bに由来するアルミニウム元素濃度であって0.02g/L以上2g/L以下であり、
Acに対するBcの比Bc/Acが0.03以上10.0以下であり、
前記化成処理剤中の前記高分子又はその塩Cの濃度は、0.0001g/L以上(0.16×Ac+0.23)g/L以下であり、
pHは前記化成処理剤のpHであって3.8以上6.0以下である;
[2]前記金属材料は鉄材、亜鉛又は亜鉛系メッキ材、アルミニウム材、アルミニウム合金材、アルミニウム系メッキ材、マグネシウム材、及びマグネシウム合金材のうち少なくとも1つ以上である、[1]に記載の化成処理剤;などである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、化成処理後の外観、及び塗装後の曝露試験やVDA621-415法等により評価される耐食性に優れ、且つ幅広い温度域で使用できる、金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味し、「A~B」は、A以上B以下であることを意味する。
以下に、本発明の一実施形態に係る化成処理剤について説明する。
【0009】
(化成処理剤)
本実施形態に係る化成処理剤は、フッ素イオンの供給源と、ジルコニウムを含有するイオンの供給源Aと、アルミニウムを含有するイオンの供給源Bと、式(i)で表される構造単位をモル換算で90%以上有する水溶性もしくは水分散性の高分子又はその塩Cと、を水性媒体に所定量配合してなる。この化成処理剤を用いることにより、金属材料に対して、塗装後耐食性、皮膜外観に優れた化成皮膜を形成できる。
【0010】
本実施形態に係る化成処理剤は、フッ素イオンの供給源、供給源A、供給源B、及び所定の高分子又はその塩Cのみが、水性媒体に配合されたものであってもよいし、その他の成分がさらに配合されたものであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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