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公開番号2024082531
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022196445
出願日2022-12-08
発明の名称ケミカルルーピング燃焼システム
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類C01B 32/50 20170101AFI20240613BHJP(無機化学)
要約【課題】ケミカルルーピング燃焼システム全体のエネルギ効率を向上させる。
【解決手段】ケミカルルーピング燃焼システムは、空気を用いて、金属粒子を酸化させる空気塔と、炭化水素が燃料として供給されると共に、空気塔から酸化された金属粒子および窒素を含むガスが供給され、燃料を用いて金属粒子を還元して二酸化炭素を含む混合ガスを排出する燃料塔と、混合ガスに含まれる二酸化炭素と窒素とを分離して、二酸化炭素を取り出す分離器と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ケミカルルーピング燃焼システムであって、
空気を用いて、金属粒子を酸化させる空気塔と、
炭化水素が燃料として供給されると共に、前記空気塔から酸化された金属粒子および窒素を含むガスが供給され、前記燃料を用いて金属粒子を還元して二酸化炭素を含む混合ガスを排出する燃料塔と、
前記混合ガスに含まれる二酸化炭素と窒素とを分離して、二酸化炭素を取り出す分離器と、
を備える、ケミカルルーピング燃焼システム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載のケミカルルーピング燃焼システムであって、さらに、
前記燃料塔から排出される前記混合ガスが供給され、前記混合ガスを介して、前記燃料塔内で発生する熱を回収する熱交換器と、
前記熱交換器により熱が回収された前記混合ガスに含まれる水を除去する脱水器と、を備え、
前記分離器は、前記熱交換器により回収された熱を利用して、前記脱水器により水が除去された前記混合ガスに含まれる二酸化炭素と窒素とを分離する、ケミカルルーピング燃焼システム。
【請求項3】
請求項2に記載のケミカルルーピング燃焼システムであって、
前記燃料塔には、前記燃料に加えてさらに酸素を含むガスが供給される、ケミカルルーピング燃焼システム。
【請求項4】
請求項2に記載のケミカルルーピング燃焼システムであって、さらに、
前記空気塔の下流側、かつ、前記燃料塔の上流側に配置されたループシールであって、前記空気塔から前記燃料塔への窒素の流入を抑制し、酸素を含むガスが供給されるループシールを備える、ケミカルルーピング燃焼システム。
【請求項5】
請求項4に記載のケミカルルーピング燃焼システムであって、
前記脱水器は、
温度スイング式の脱水器であり、
前記熱交換器により回収された熱を利用して、前記混合ガスに含まれる水を除去する、ケミカルルーピング燃焼システム。
【請求項6】
請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載のケミカルルーピング燃焼システムであって、さらに、
前記空気塔に要求される要求発熱量を取得し、前記要求発熱量を取得すると、前記燃料塔に供給される酸素を含むガスとしての空気の流量を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記要求発熱量がW
AR
(kW)であり、前記燃料の低位発熱量がLHV
fuel
(kJ/mol)であり、前記空気塔における酸化反応時の酸素1mol当たりの発熱量がΔh
AR
(kJ/mol)であり、前記燃料塔における還元反応時の前記燃料1mol当たりの吸熱量がΔh
FR
(kJ/mol)であり、空気中の酸素濃度がX
O2
である場合に、前記燃料塔に供給される酸素を含むガスの流量を、下記式(1)で算出される流量Q
air
_
FR
の30%以上300%以下になるように制御する、ケミカルルーピング燃焼システム。
TIFF
2024082531000012.tif
19
170
【請求項7】
請求項6に記載のケミカルルーピング燃焼システムであって、さらに、
前記燃料塔内の温度を取得する温度取得部を備え、
前記制御部は、前記温度取得部により取得された温度に応じて、前記燃料塔に供給される空気の流量Q
air
_
FR
を制御する、ケミカルルーピング燃焼システム。
【請求項8】
請求項7に記載のケミカルルーピング燃焼システムであって、
前記制御部は、
前記燃料塔内の目標温度から、前記温度取得部により取得された温度を差し引いた差がゼロ以上の場合に、前記差に予め設定された定数を乗じた流量Q
air
_
FR
の空気を前記燃料塔に供給されるように制御し、
前記差が負の場合には、前記燃料塔に酸素を含むガスが供給されないよう制御する、ケミカルルーピング燃焼システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルルーピング燃焼システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
二酸化炭素を本質的に分離可能なケミカルルーピング燃焼システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたシステムでは、固体酸素キャリアとしての金属が空気反応器で空気中の酸素と反応して酸化され、酸化された金属が燃料反応器で燃料により還元された後、再び空気反応器で酸化される。燃料反応器からは、二酸化炭素および水蒸気を含む煙道ガスが排出される。煙道ガス中の水蒸気は冷却や凝縮によって二酸化炭素から分離される。分離された二酸化炭素に対して、液化または圧縮が行われる。非特許文献1には、混合ガス中の二酸化炭素を吸着して、二酸化炭素を分離する吸着材としてのゼオライトについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2013-522149号公報
【非特許文献】
【0004】
Joe McEwen, Jim-Dario Hayman, and A. Ozgur Yazaydin. "A comparative study of CO2, CH4 and N2 adsorption in ZIF-8, Zeolite-13X and BPL activated carbon." Chemical Physics volume 412, 1 February 2013, Pages 72-76
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたシステムでは、燃料反応器から排出された煙道ガス中に含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物などは、煙道ガスが汚染物質除去装置に供給することにより除去されている。しかしながら、特許文献1には、空気反応器で供給される空気中に含まれる窒素の除去については何ら言及されていない。一方で、空気反応器から燃料反応器への流入する窒素を抑制して、燃料反応器から排出される煙道ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度を向上させるために、空気反応器と燃料反応器との間にループシールを備えるケミカルルーピング燃焼システムが知られている。しかしながら、ループシールによる完全なガスシールは困難である。燃料反応器への窒素の漏れ出しを最小限に防ぐためには、ループシール内の金属粒子を増加させる必要がある。しかしながら、ループシールを増加させるためにループシールを大型化すると、空気反応器で昇温した金属粒子が燃料反応器まで移動に要する時間が長くなる。この結果、システム内を移動中の金属粒子の放熱損失が増加し、失った分の熱量を燃料反応器内で加熱する必要があるため、ケミカルルーピング燃焼システムのエネルギ効率が低下する。非特許文献1には、ゼオライトの吸着性能について開示されているが、ケミカルルーピング燃焼システムについては言及されていない。
【0006】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ケミカルルーピング燃焼システム全体のエネルギ効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、ケミカルルーピング燃焼システムが提供される。このケ
ミカルルーピング燃焼システムは、空気を用いて、金属粒子を酸化させる空気塔と、炭化水素が燃料として供給されると共に、前記空気塔から酸化された金属粒子および窒素を含むガスが供給され、前記燃料を用いて金属粒子を還元して二酸化炭素を含む混合ガスを排出する燃料塔と、前記混合ガスに含まれる二酸化炭素と窒素とを分離して、二酸化炭素を取り出す分離器と、を備える。
【0009】
この構成によれば、分離器により燃料塔から排出される混合ガス中の二酸化炭素と窒素とが分離されるため、燃料塔に窒素が流入することを抑制する装置(例えば、大型化したループシールなど)を備えなくてもよい。この結果、これらの装置を通過することにより発生する金属粒子の熱損失を抑制できるため、本構成では、システム全体のエネルギ効率が向上する。
【0010】
(2)上記態様のケミカルルーピング燃焼システムにおいて、さらに、前記燃料塔から排出される前記混合ガスが供給され、前記混合ガスを介して、前記燃料塔内で発生する熱を回収する熱交換器と、前記熱交換器により熱が回収された前記混合ガスに含まれる水を除去する脱水器と、を備え、前記分離器は、前記熱交換器により回収された熱を利用して、前記脱水器により水が除去された前記混合ガスに含まれる二酸化炭素と窒素とを分離してもよい。
脱水器により混合ガス中の水を除去するために、燃料塔から排出される混合ガスが冷却される。その結果、混合ガスの顕熱が廃熱として捨てられていた。本構成では、混合ガスの廃熱が分離器による二酸化炭素と窒素との分離に利用されるため、システム全体のエネルギ効率が向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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