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公開番号2024119016
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-02
出願番号2023141755
出願日2023-08-31
発明の名称半導体組成物、これを含む薄膜及び該薄膜の製造方法
出願人株式会社QDジャパン
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類C01G 49/12 20060101AFI20240826BHJP(無機化学)
要約【課題】 Fe2ZnS2系の半導体組成物、これを含む薄膜、及び該薄膜の製造方法の提供。
【解決手段】 半導体組成物はZnS及びFeS2の固溶体からなる。半導体薄膜はZnFe2O4からなる亜鉛フェライト層と、前記の半導体組成物からなる半導体層と、が界面で接した構造を含む。かかる半導体薄膜は、亜鉛フェライト層の表面に水素ガスを接触させて還元処理する還元処理工程、水素ガスの供給を停止して硫化水素ガスを接触させてS2-イオンを表面から内部に拡散させて表面近傍にFeS及びFeS2を形成させる硫化水素処理工程と、硫化水素ガスの供給を停止して保持しFeS及びFeS2をZnS及びFeS2の固溶体とする保持工程と、を含む。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
ZnS及びFeS

の固溶体からなることを特徴とする半導体組成物。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
Zn
1-x
Fe
2+

Fe
3+



からなる亜鉛フェライト層の一部に、ZnS及びFeS

の固溶体からなる半導体層が形成されていることを特徴とする半導体薄膜。
【請求項3】
前記半導体層は前記固溶体とは別にFeS及び/又はFeS

を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体薄膜。
【請求項4】
Zn
1-x
Fe
2+

Fe
3+



からなる亜鉛フェライト層の表面に水素ガスを接触させて還元処理しつつ、前記表面に硫化水素ガスを接触させてS
2-
イオンを前記表面から内部に拡散させて前記表面近傍にFeS及びFeS

を形成させる硫化水素処理工程と、
前記硫化水素ガスの供給を停止して保持しFeS及びFeS

をZnS及びFeS

の固溶体とする保持工程と、
を含むことを特徴とする半導体薄膜の製造方法。
【請求項5】
前記硫化水素処理工程は、水素ガスによる還元処理工程後に、水素ガスの供給を停止し該水素ガスを硫化水素に置換して処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項4記載の半導体薄膜の製造方法。
【請求項6】
前記亜鉛フェライト層を基板上に水溶液反応にて与える亜鉛フェライト膜形成工程を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体薄膜の製造方法。
【請求項7】
前記亜鉛フェライト膜形成工程、前記硫化水素処理工程、及び前記保持工程の一連の工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項6記載の半導体薄膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Fe

ZnS

系の半導体組成物、これを含む薄膜及び該薄膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
硫化鉄は、地球上に豊富に存在する元素であるFeとSからなり、自然界でもパイライト(黄鉄鉱)として広く存在している。かかる硫化鉄を化学量論組成からSを多く又は少なく調整すると、それぞれp型及びn型の導電性を示す固形半導体として機能することが知られている。また、硫化鉄に不純物を添加し導電性が得られることも知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、パイライト型の結晶構造を有する二硫化鉄(FeS

)を含む硫化鉄にAl、Ga、InなどのIIIb族元素を混ぜたn型半導体を開示している。かかるn型半導体は、塩化鉄(FeCl

)とチオ尿素(NH

CSNH

)とを用いたスプレー熱分解法、及び500℃程度の硫黄蒸気雰囲気で焼成する硫化法を併用して得られるとしている。ここでは、二価の鉄を三価の元素で置き換えるとn型の導電性を示すが、天然で産出されるパイライト(FeS

)に不純物として含まれるMn、Ni、Co等の遷移金属の如きではドーパントとして用いたとしても三価だけでなく二価にもなり易いため、安定したn型の導電性を示さないとしている。一方、Fe
2+
とのイオン半径の差が比較的小さいIIIb族元素をドーパントとして用いれば、導電型をn型に良好に制御でき、しかも再現性を格段に向上させ得ると述べている。
【0004】
ここまで半導体としての二硫化鉄(FeS

)の合成方法はいくつか提案されている。例えば、特許文献2では、硫黄(S)の融点よりも高い温度で、酸化第二鉄(Fe



)、硫化水素(H

S)及びSを反応させるFeS

の製造方法が開示されている。また、特許文献3では、硫酸鉄(FeSO

)の水和物と、チオ硫酸ナトリウム(Na





)と、Sとを混合し、pHを1.0~7.0の範囲に調整して水熱処理するFeS

の製造方法が開示されている。
【0005】
更に、FeS

のFeの一部をZnで置き換えたFe
1-x
Zn



(X=0~1)において、Fe:Zn比を2:1とするとき、0.5eV程度のバンドギャップを有することが知られており(例えば、非特許文献1の理論計算を参照)、かかるFe

ZnS

系の半導体組成物が太陽電池をはじめとした各種光学機器の光吸収材の用途に好適であると考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-189128号公報
特表2010-540387号公報
特開2011-256090号公報
【非特許文献】
【0007】
Jun Hu, Yanning Zhang, Matt Law, and Ruqian Wu;"Increasing the Band Gap of Iron Pyrite by Alloying with Oxygen"; Journal of the American Chemical Society 2012, 134, 32, 13216-13219
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、Fe

ZnS

系の半導体組成物については、上記した非特許文献1に示すような理論計算が行われてはいるものの、具体的な製造方法については未だ確立されておらず、結果として、具体的なFe

ZnS

系の半導体組成物も提供されていない。
【0009】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、Fe

ZnS

系の半導体組成物、これを含む薄膜、及び該薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者らは、Fe

ZnS

系の半導体組成物の製造方法において、亜鉛フェライト(ZnFe



)を用いることに着目した。ところが、上記したFeS

系のように、ZnFe



をH

Sと反応させようとしても、反応は進行し得ず、Fe

ZnS

系の半導体組成物は得られなかった。そして鋭意研究の結果、Zn
1-x
Fe
2+

Fe
3+



(0<x=<1)金属酸化物を金属イオンの還元体とする前処理を行った上でH

Sと反応させることに想到し、本発明を完成させたものである。更に、亜鉛フェライトの形成に水溶液法を用いることで、高温環境に曝す必要がなく基板の融通性に富むことや、真空プロセスを経ないため製造性に優れるといった利点もある。
(【0011】以降は省略されています)

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