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公開番号2024117644
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2023023854
出願日2023-02-17
発明の名称鉄殿物の生成方法
出願人DOWAホールディングス株式会社,国立大学法人 岡山大学,卯根倉鉱業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01G 49/00 20060101AFI20240822BHJP(無機化学)
要約【課題】2価鉄含有水中の2価鉄を3価鉄に酸化して鉄殿物を効率よく生成することができる鉄殿物の生成方法を提供する。
【解決手段】本発明による鉄殿物の生成方法は、2価の鉄イオンと砒素とを含み、pHが2.50以上3.00以下である鉄塩水溶液に3価の鉄イオン源を添加しつつ、前記鉄塩水溶液のpHを3.60以上3.90以下に調整することにより沈殿物を形成し、前記鉄塩水溶液から前記沈殿物を分離することにより、前記鉄塩水溶液由来の砒素を除去して分離溶液を得る砒素除去工程と、前記分離溶液を鉄酸化細菌含有槽に注入して、前記分離溶液中の鉄イオンを酸化して鉄殿物を得る酸化工程と、を含む鉄殿物の生成方法であって、前記酸化工程では、pH調整剤を前記鉄酸化細菌含有槽に添加し前記鉄酸化細菌含有槽内のpHを3.00以上4.50以下に調整する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
2価の鉄イオンと砒素とを含み、pHが2.50以上3.00以下である鉄塩水溶液に3価の鉄イオン源を添加しつつ、前記鉄塩水溶液のpHを3.60以上3.90以下に調整することにより沈殿物を形成し、前記鉄塩水溶液から前記沈殿物を分離することにより、前記鉄塩水溶液由来の砒素を除去して分離溶液を得る砒素除去工程と、
前記分離溶液を鉄酸化細菌含有槽に注入して、前記分離溶液中の鉄イオンを酸化して鉄殿物を得る酸化工程と、を含む鉄殿物の生成方法であって、
前記酸化工程では、pH調整剤を前記鉄酸化細菌含有槽に添加し前記鉄酸化細菌含有槽内のpHを3.00以上4.50以下に調整する、鉄殿物の生成方法。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記酸化工程では前記鉄酸化細菌含有槽内のpHを3.25以上4.25以下に調整する、請求項1に記載の鉄澱物の生成方法。
【請求項3】
前記3価の鉄イオン源は、前記酸化工程で形成された鉄殿物、またはポリ硫酸第二鉄と前記酸化工程で形成された鉄殿物との混合物である、請求項1に記載の鉄澱物の生成方法。
【請求項4】
前記pH調整剤は水酸化ナトリウムである、請求項1に記載の鉄澱物の生成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄殿物の生成方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
2価鉄を含有する酸性廃液として金属鉱山から発生する鉱山廃水がある。金属鉱山では、主として硫化鉱物を採掘するため、採掘後には黄鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱等の鉱物が残り、これらが地下水及び空気中の酸素と反応して酸性で2価鉄、更には重金属として砒素を含んだ鉱山廃水が発生する。
【0003】
この鉱山廃水は2価鉄が平均で1000mg/L~1200mg/Lと多量に含まれている上に、pHが2~3程度と低いため、そのまま公共用水域に放流することはできない。このような鉱山廃水を公共用水域に放流するには、含有されている砒素と併せて2価鉄を分離除去する必要がある。
【0004】
2価鉄の除去法としては、2価鉄を3価鉄に酸化し、水酸化第二鉄として沈澱除去する方法がある。例えば、特許文献1及び特許文献2には、鉄酸化細菌によって2価鉄を3価鉄に酸化する鉄酸化工程を含む酸性抗廃水の処理方法が提案されている。また、鉄酸化細菌を含む処理槽に空気を吹き込むこと(曝気処理)についても記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-058955号公報
特開2013-107027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された発明における鉄酸化方法では、未だ回収率が低く、更なる改良の余地があるものと考えられた。そこで、本発明では、2価鉄を3価鉄に酸化して鉄殿物を効率よく生成することができる鉄殿物の生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鉄殿物の生成方法の要旨構成は以下のとおりである。
【0008】
(1)2価の鉄イオンと砒素とを含み、pHが2.50以上3.00以下である鉄塩水溶液に3価の鉄イオン源を添加しつつ、前記鉄塩水溶液のpHを3.60以上3.90以下に調整することにより沈殿物を形成し、前記鉄塩水溶液から前記沈殿物を分離することにより、前記鉄塩水溶液由来の砒素を除去して分離溶液を得る砒素除去工程と、
前記分離溶液を鉄酸化細菌含有槽に注入して、前記分離溶液中の鉄イオンを酸化して鉄殿物を得る酸化工程と、を含む鉄殿物の生成方法であって、
前記酸化工程では、pH調整剤を前記鉄酸化細菌含有槽に添加し前記鉄酸化細菌含有槽内のpHを3.00以上4.50以下に調整する、鉄殿物の生成方法。
【0009】
(2)前記酸化工程では前記鉄酸化細菌含有槽内のpHを3.25以上4.25以下に調整する、前記(1)に記載の鉄澱物の生成方法。
【0010】
(3)前記3価の鉄イオン源は、前記酸化工程で形成された鉄殿物、またはポリ硫酸第二鉄と前記酸化工程で形成された鉄殿物との混合物である、前記(1)又は(2)に記載の鉄澱物の生成方法。
(【0011】以降は省略されています)

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