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公開番号2024077126
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022188984
出願日2022-11-28
発明の名称ハブユニット軸受
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人貴和特許事務所
主分類F16C 33/78 20060101AFI20240531BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】溝肩部に対する嵌合力を確保して、摺接環がハブに対して軸方向内側に移動することを有効に抑えられるハブユニット軸受を提供する。
【解決手段】ハブ3の外周面のうち、回転フランジ10と軸方向外側の内輪軌道9aとの間に位置する部分に、中心軸を含む断面の輪郭形状が略凸円弧形のクラウニング部28を備えた溝肩部27を設ける。シール装置5を、摺接環20とシールリング21とを含んで構成し、このうちの摺接環20の嵌合筒部31を、溝肩部27のうちでクラウニング部28を含む範囲に外嵌する。また、シールリング21に備えられた少なくとも1本のシールリップ36a、36b、36c、36dの先端部を、摺接環20を構成する嵌合筒部31の外周面又は側板部32の軸方向内側面に摺接させる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
外周面に複列の内輪軌道を有し、かつ、前記外輪よりも軸方向外側に位置する部分に径方向外側に突出した回転フランジを有する、ハブと、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、
摺接環及びシールリングを有し、前記外輪の内周面と前記ハブの外周面との間に存在する転動体設置空間の軸方向外側の開口を塞ぐ、シール装置と、を備え、
前記ハブは、外周面のうち、前記回転フランジと軸方向外側の前記内輪軌道との間に位置する部分に、中心軸を含む断面の輪郭形状が略凸円弧形のクラウニング部を備えた溝肩部を有し、
前記摺接環は、前記溝肩部のうちで前記クラウニング部を含む範囲に外嵌される嵌合筒部、及び、該嵌合筒部の軸方向外側の端部から径方向外側に向けて伸長する側板部を有し、
前記シールリングは、前記外輪の軸方向外側の端部に固定され、かつ、前記嵌合筒部の外周面又は前記側板部の軸方向内側面にその先端部を摺接させた少なくとも1本のシールリップを有する、
ハブユニット軸受。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記クラウニング部の径方向高さと、前記摺接環の内周面と前記クラウニング部の頂部との締め代(半径値)の合計は、前記クラウニング部の頂部における直径の0.225%未満である、請求項1に記載したハブユニット軸受。
【請求項3】
前記側板部は、前記回転フランジから軸方向内側に離隔して配置されており、
前記シール装置は、前記回転フランジの軸方向内側面と前記側板部の軸方向外側面との間を密封する、複数のリップ部を有する密封部材を備える、
請求項1~2のうちのいずれか1項に記載したハブユニット軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ハブユニット軸受に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の車輪は、ハブユニット軸受により、懸架装置に対して回転自在に支持される。ハブユニット軸受は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有し、かつ、外輪よりも軸方向外側に位置する部分に径方向外側に突出した回転フランジを有するハブと、複列の外輪軌道と複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体とを備える。外輪は、懸架装置に支持固定される。ハブの回転フランジには、車輪のホイール及び制動用回転体が結合固定される。
【0003】
なお、ハブユニット軸受に関して、軸方向外側とは、車両に組み付けた状態での車両の幅方向外側をいい、軸方向内側とは、車両に組み付けた状態での車両の幅方向中央側をいう。
【0004】
ハブユニット軸受は、外部からの泥水などの侵入を防止するため、外輪の内周面とハブの外周面との間に存在する転動体設置空間の軸方向外側の開口を塞ぐシール装置をさらに備える。従来、このようなシール装置として、外輪の軸方向外側の端部に支持固定され、かつ、それぞれの先端部をハブの軸方向中間部外周面又は回転フランジの軸方向内側面に全周にわたり摺接させた複数のシールリップを有するシールリングが広く知られている。
【0005】
ハブの軸方向中間部外周面及び回転フランジの軸方向内側面には、総型の研削砥石である回転砥石を用いた仕上げの研削加工が施される。総型の研削砥石を用いてハブの表面に研削加工を施す際には、回転フランジの軸方向内側面に、対数螺旋状、すなわち渦巻状の研削筋目が形成される可能性がある。このような研削筋目が形成されると、シールリップの先端部が回転フランジの軸方向内側面に貼り付いて摩擦抵抗が増大したり、シールリップの先端部が研削筋目の凹部の内側に深く入り込み、ハブが回転した際に、径方向に往復移動させられて振動し、シール鳴きと呼ばれる異音が発生したりする可能性がある。
【0006】
その対策として、特開2017-129197号公報(特許文献1)には、外輪の軸方向外側の端部に支持固定されたシールリングと、ハブの外周面のうち回転フランジと軸方向外側の内輪軌道との間に存在する円筒面状の溝肩部に圧入外嵌された金属板製の摺接環とを備えたシール装置が記載されている。このシール装置では、シールリングを構成する複数のシールリップの先端部を、表面粗さが良好で、加工筋目が素材の長手方向に一定な摺接環の表面に摺接させている。このため、シールリップの先端部の貼り付きによる摩擦抵抗の増大や異音の発生を抑えることができる。
【0007】
ところで、ハブユニット軸受には、主に自動車が旋回走行する際に、路面反力に基づくモーメント荷重が負荷される。この際、溝肩部を含む、回転フランジの根元部の表面には、回転曲げ荷重が加わる。これに伴い、該表面には、半回転するごとに凹形状の変形と凸形状の変形とが交互に繰り返される態様の、繰り返し運動が生じる。このため、溝肩部に対する摺接環の嵌合力が不足していると、溝肩部に生じる凹凸変形の繰り返し運動を推進力として、摺接環がクリープを伴ってハブに対し軸方向内側に移動する可能性がある。摺接環がハブに対して軸方向内側に移動すると、摺接環の表面に対するシールリップの先端部の軸方向の締め代が増大して、シールトルクが増大する可能性があるため、好ましくない。さらに、回転フランジの根元部と摺接環との間に隙間が生じてしまい、該隙間から水が侵入する可能性もある。
【0008】
これに対して、特開2017-129197号公報に記載の従来構造では、摺接環の径方向内側の端部に備えられた嵌合筒部を、素材となる金属板をU字形に折り返してなる高剛性の筒部としている。これにより、溝肩部に対する摺接環の嵌合筒部の嵌合力を高めている。さらに、前記従来構造では、溝肩部に形成された角形(略台形状)の断面形状を有する径方向突起部を、摺接環の嵌合筒部に対し、軸方向内側から対向させている。これにより、嵌合筒部と径方向突起部との係合に基づいて、摺接環がハブに対し軸方向内側に移動することを抑えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-129197号公報
特開2017-180599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特開2017-129197号公報に記載の従来構造では、径方向突起部を乗り越えさせてから、溝肩部のうちで径方向突起部よりも軸方向外側部分に摺接環を外嵌するため、溝肩部に対する摺接環の嵌合力を確保することが難しくなる。また、摺接環の嵌合筒部を高剛性としているため、径方向突起部を乗り越えさせるのに大きな力が必要となり、摺接環を溝肩部に圧入外嵌する作業が困難になる。
(【0011】以降は省略されています)

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