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公開番号2024076861
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188662
出願日2022-11-25
発明の名称飲食品用缶蓋
出願人東洋製罐株式会社
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類B65D 17/32 20060101AFI20240530BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】開口形成に際してスコア以外の箇所での破断が有効に防止され、スムーズに開口形成可能なスコアが形成された飲食品用缶蓋を提供する。
【解決手段】エンドとタブから成り、前記エンドには、開口予定部を区画するスコアが形成され、前記タブがリベット加工によりエンドに取付けられて成る飲食品用缶蓋において、前記スコアが、破断可能な主スコアと、該主スコアに隣接し且つ主スコアよりも内方に位置する補助スコアとから成り、前記主スコアは、スコア加工部においてスコアを形成しなかった場合の仮想厚みに対するスコア残厚が、主スコア残厚率よりも大きく且つ91%以下である高スコア残厚部分を有することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
エンドとタブから成り、前記エンドには、開口予定部を区画するスコアが形成され、前記タブがリベット加工によりエンドに取付けられて成る飲食品用缶蓋において、
前記スコアが、破断可能な主スコアと、該主スコアに隣接し且つ主スコアよりも内方に位置する補助スコアとから成り、
前記主スコアは、スコア加工部においてスコアを形成しなかった場合の仮想厚みに対するスコア残厚が、主スコア残厚率よりも大きく且つ91%以下である高スコア残厚部分を有することを特徴とする飲食品用缶蓋。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
前記アルミニウム合金が、使用済みアルミニウム製飲料缶のリサイクル材を含有する請求項1記載の飲食品用缶蓋。
【請求項3】
請求項1又は2記載の飲食品用缶蓋を、飲食品が充填された缶に適用して成ることを特徴とする飲食品充填缶。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドと、該エンドに形成されたスコアを引裂き開封するためのタブとから成るアルミニウム合金製の缶蓋に関するものであり、より詳細には、開口形成に際してスコア以外の箇所での破断が有効に防止され、スムーズに開口形成可能なスコアが形成された飲食品用缶蓋に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ビールや清涼飲料等の飲料や食品を充填するための缶として、アルミニウムやスチール等の金属から成る缶体にアルミニウム製缶蓋を取り付けて成る飲食品缶が広く使用されている。かかるアルミニウム製缶蓋は、一般に、エンドと、エンドに形成されたスコアを引裂き、スコアで区画された開口を形成するためのタブとから成っている。
缶蓋に利用される材料には、強度、成形性及び耐食性等が要求される。すなわちエンドには、炭酸飲料等を内容物とする陽圧缶の場合や、内容物の殺菌等により減圧となる陰圧缶の場合でも、缶蓋が変形しない優れた耐圧強度を有することや、スコアが意図せず破断することがない靭性が要求される。一方、タブは、開口を形成する際に折れや裂け等が生じない破断強度が要求される。
【0003】
ところで、飲食品用缶蓋においては、エンドに取り付けられたタブを引き上げ、スコアに沿ってエンドを引裂くことにより開口形成を行うが、初期開封部分は、タブの取り付けのためのコイニング加工によりパネル部等に比して薄肉化されているため、スコアの破断に際してスコア以外の箇所での破断(脱線)が生じやすいという問題がある。
缶蓋に使用されるアルミニウム合金板として、下記特許文献1には、Si:0.05~0.20質量%、Fe:0.10~0.30質量%、Cu:0.05~0.20質量%、Mn:0.30~0.70質量%、Mg:3.5~6.0質量%を含有するとともに、Cr:0.01~0.15質量%、及び、Zr:0.01~0.15質量%のうちの少なくとも1種を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなり、板厚方向中央であって表面と平行な面をSEMで観察したときの圧延方向における方位変化間隔の平均値が500~750nmである、アルミニウム合金板が記載されており、このアルミニウム合金板から成る缶蓋によれば、耐圧強度の低下が防止できると共に、スコア部の引裂き性の低下や、開缶時にスコア脱線や開缶力の増大によるタブ折れといった開缶不良を防止できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-56168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1においては、特定の組成を有するアルミニウム合金板を用いることが必要であり、汎用のアルミニウム材はもちろん、後述するリサイクル材を含有するアルミニウム合金を用いた場合にも、スコアの破断に際してスコア以外の箇所での破断(脱線)の発生を防止し得ることが望まれている。
【0006】
すなわち、内容物を消費した飲料缶(Used Beverage Cans、以下「UBC」ということがある)は、ほぼ100%に近い割合で回収されて、アルミニウム製飲料缶においては、アルミニウム地金に再生されてリサイクルに使用される。缶体(缶ボディ)は、一般にMn含有量の多い3000系アルミニウム合金が用いられているが、缶蓋(エンド及びタブ)は、強度、成形性及び耐食性等の観点から、3000系アルミニウム合金よりも強度に優れるMg含有量の多い5000系アルミニウム合金が使用されている。
【0007】
従って、UBCから成る再生アルミニウム合金は、アルミニウム製飲料缶全体の重量に占める割合が大きい3000系アルミニウム合金に近い組成となり、5000系アルミニウム合金に比してMn含有量が多く、Mg含有量が少ないことから、缶蓋への使用は難しく、缶蓋においては、新規アルミニウム地金を使用せざるを得なかった。しかしながら、新規アルミニウム地金の製造には、多量の電力が必要であり、それに伴う二酸化炭素の排出量も大きく環境負荷の観点から、缶蓋においてもリサイクル材を利用できることが要望されている。
【0008】
UBCから成る再生アルミニウム合金を用いることに起因するこのような問題を解決した缶蓋として、本出願人は、合金元素の各成分量を調整することにより、優れた耐圧強度を有する缶蓋が提供できることを見出した(特願2021-191242)。
しかしながら、上記UBCから成る再生アルミニウム合金のようにMn量の多いアルミニウム合金においては、Al-Fe-Mn-Si系晶出物が増加することに起因して、エンドに亀裂が生じやすい傾向があり、5000系アルミニウム合金板から成る缶蓋よりも開封操作に際してスコア以外の箇所でエンドが破断されてしまうおそれがある。
【0009】
また内容物がビールや炭酸飲料等のように、缶内が陽圧になる場合に、スコアの初期開封時に、内圧の解放と同時にそのガス圧により開口予定部が急激に上方に押し上げられ、スコアが破断されてしまい、その勢いによってはその開口予定部がパネル部から分離して吹き飛ばされるという所謂ポップミサイル現象を生じる場合がある。このポップミサイル現象を防止するために、部分的に高残厚スコアを設けることにより急激な開口予定部の押し上げを抑制することが一般的である。この高残厚スコア部は意図的に開きづらくしているため、最も開封時の破断(脱線)リスクが高い個所でもある。
このような開封時のスコアの脱線が生じるとスムーズにスコアの破断ができないだけでなく、開口形成ができない等の問題を生じる場合もある。
【0010】
従って本発明の目的は、原材料の種類にかかわらず、開口形成に際してスコア以外の箇所での破断が有効に防止され、スムーズに開口形成可能なスコアが形成された飲食品用缶蓋を提供することである。
また本発明の目的は、アルミニウムUBCを原料とする再生アルミニウム合金を含有する場合であっても、開口形成に際してスコア以外の箇所での破断が有効に防止された飲食品用缶蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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