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公開番号2024070171
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2022180618
出願日2022-11-10
発明の名称死後画像を用いて出血の有無を画像診断支援する装置、方法およびプログラム
出願人国立大学法人神戸大学
代理人弁理士法人グローバル知財
主分類A61B 6/03 20060101AFI20240515BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】死後画像診断において、ヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血もしくは筋出血の有無を高精度で予測可能な画像診断支援方法、画像診断支援装置及び画像診断支援プログラムを提供する。
【解決手段】入力部2、演算処理部3、予測出力部4及びメモリ部5を備える。入力部2は、CT,MRI等の画像取得装置10で取得した死後画像データ11を入力するものであり、演算処理部3で予測された出血の有無の予測結果を、予測出力部4から表示装置20へ出力する。メモリ部5には、画像診断支援プログラム7が格納されており、演算処理部3がプログラム7を実行する。遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データと、教師あり生前医用画像データとを用いて学習した学習済みの人工知能(AI)モデル6は、死後画像データからヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血や筋出血の有無を高精度で予測する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンピュータが、
死後画像データを入力し、
遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データと、教師あり生前医用画像データとを用いて学習した学習済みの人工知能モデルを用いて、ヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血もしくは筋出血の有無を予測することを特徴とする画像診断支援方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記人工知能モデルは、教師あり生前医用画像データを用いて学習した後、遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データを用いて学習したモデルであることを特徴とする請求項1に記載の画像診断支援方法。
【請求項3】
前記死後画像データと前記生前医用画像データは、頭部の画像データであり、
頭部の画像のスライス毎の出血予測スコアを算出した結果から、頭蓋内出血の有無を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像診断支援方法。
【請求項4】
前記死後画像データと前記生前医用画像データは、骨折部位の画像データであり、
骨折部位の画像のスライス毎の出血予測スコアを算出した結果から、骨折に伴う出血の有無を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像診断支援方法。
【請求項5】
死後画像データを入力する入力部と、
遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データと、教師あり生前医用画像データとを用いて学習した学習済みの人工知能モデルと、
ヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血もしくは筋出血の有無を予測する予測出力部、
を備えたことを特徴とする画像診断支援装置。
【請求項6】
前記死後画像データと前記生前医用画像データは、頭部の画像データであり、
頭部の画像のスライス毎の出血予測スコアを算出し前記スライス毎の出血予測スコアを記憶するメモリ部を更に備え、
前記予測出力部は、前記スライス毎の出血予測スコアの結果から、頭蓋内の出血の有無を予測することを特徴とする請求項5に記載の画像診断支援装置。
【請求項7】
プログラムを格納するメモリ部と、前記プログラムを実行する演算処理部とを備える情報提供装置であって、
前記演算処理部が前記プログラムを実行することにより、
死後画像データを入力する入力部と、
遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データと、教師あり生前医用画像データとを用いて学習した学習済みの人工知能モデルを用いて、ヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血もしくは筋出血の有無を予測する予測出力部とを実現する画像診断支援装置。
【請求項8】
コンピュータに、
死後画像データを入力するステップと、
遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データと、教師あり生前医用画像データとを用いて学習した学習済みの人工知能モデルを用いて、ヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血もしくは筋出血の有無を予測するステップ、
を実行させるための画像診断支援プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、解剖を行う前に、死後画像診断(PMI:Postmortem
Imaging)によって、ヒトの体腔内における出血の有無を予測する技術に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
我が国における剖検率は依然として低く、医療の質の維持に不可欠な死因究明を支えるため、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層診断装置)やMRI(Magnetic
Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)等によって撮影された死後画像を用いて、生前に生じた病変や創傷等の異常を診断する死後画像診断(PMI)が用いられるようになってきた。また、このPMIを用いて、剖検を行うべき症例の適切な選択や、剖検が行えない場合の死因診断の補助手段としての使用や、剖検時の所見の見落としを防ぎ、かつ解剖を効率化するというニーズが存在する。例えば、法医解剖では頭部・胸部・腹部の三大体腔を解剖するが、頭部を解剖する前に頭蓋内出血の有無がPMIで予測されていれば、頭部解剖手技の事前の工夫が可能となるほか、感染症などの場合は頭部解剖を避けることができ、労力の軽減と解剖担当者の安全の確保が可能となる。
【0003】
生きているヒトの診断のためにCT等によって撮影される生前医用画像では、人工知能(AI:Artificial Intelligence)学習のために大規模なデータセットが多数公開されているのに対して、遺体を撮影する死後画像では未だにほぼ存在せず、死後画像を用いてAI学習させることは困難である。
【0004】
一方、放射線科医と法医学者とでは、CT画像による診断に求める内容が異なる。すなわち、生存患者の場合はCT画像による診断結果が治療方針の決定に重要であるが、死亡患者においては剖検結果に基づく死因診断が最も重要な目的となることから、その予診となる死亡時における画像診断は、生存患者ほどの正確性は求められず、出血の有無等、解剖手順や手技に影響を与えるような所見の有無を正確に知ることができれば十分である。
【0005】
ここで、出血の有無は、骨折が生じた時期を判断するための重要な指標となる。死亡前と死亡後のいずれの時期に骨折したかの診断は、生体反応すなわち出血の状態を見て、血流があったときに生じたものか否かによって診断することができるからである。
また、骨折の検査についても、一般に患者の胸側から身体を切開して解剖を行うため、例えば、頸椎前方部分の骨折の確認は容易であるが、頸椎の背側の構造に骨折があるか否かを調べることは余計な手間と労力がかかる。しかし、死亡時のCT画像から頸椎骨折が無いことの蓋然性が高いと分かれば、無駄な労力をかけずに解剖を進めることができる。
【0006】
頭蓋内出血について、CT画像を活用して判断する技術としては、頭部CT画像の評価のためのコンピュータベースの方法があり、頭蓋内出血等につき、コンピュータが、深層学習に基づいて出血の同定、位置特定、及び定量化する頭部CT画像の分析方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の技術では、深層学習として畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用する。
しかしながら、特許文献1の技術は、頭部外傷や、急性出血性卒中、虚血性脳卒中などが疑われる生存患者についての初期評価や治療方針の決定に用いるために、コンピュータによって実行される方法であり、畳み込みニューラルネットワークを使用して、CT画像から出血部位を含む異常部位の体積の計算などを予測するものであるが、死亡患者における剖検結果に基づいて、法医学者が出血の有無を実際に目視確認した結果を含めて、より高精度に出血の有無を予測できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2019-500110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、CTやMRI等によって撮影された死後画像であって、法医学者が遺体の解剖結果を用いて出血の有無をラベル付けした教師あり死後画像データは、少数のデータしか存在しないのが実情である。その原因として、未だ死後画像を撮る施設が少ないことや、死後の遺体を対象とする事例や、それを専門に扱う法医学者などが少ないことが考えられる。
医用画像を対象とした深層学習の研究・開発の進展は著しいが、その一方で、このような実情から、死後画像を対象にした深層学習による診断はあまり試みられていない。生前医療画像では人工知能モデルの開発のために大規模なデータセットが多数公開されているが、死後画像ではモデルの学習は困難である。死後画像の人工知能(AI)による診断が可能になると剖検の必要性をより高精度に判別することができるようになり、我が国の法医不足の現状の改善に大変有用と考えられる。
【0009】
かかる状況に鑑みて、本発明は、死後画像診断において、ヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血もしくは筋出血の有無を高精度で予測可能な画像診断支援方法、画像診断支援装置及び画像診断支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明の画像診断支援方法は、コンピュータが、死後画像データを入力し、遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データと、教師あり生前医用画像データとを用いて学習した学習済みの人工知能モデルを用いて、ヒトの体腔内における出血の有無、又は、皮下出血もしくは筋出血の有無を予測する。
遺体の解剖結果を用いた教師あり死後画像データと、教師あり生前医用画像データとを用いて学習した学習済みの人工知能モデルを用いることにより、精度の高い人工知能モデルを作製することができ、高精度で出血の有無を予測することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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