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公開番号2024061006
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2022168643
出願日2022-10-20
発明の名称蒸気発生装置の制御方法、蒸気発生装置および蒸気発生システム
出願人国立大学法人 東京大学
代理人弁理士法人フィールズ国際特許事務所
主分類F22B 3/02 20060101AFI20240425BHJP(蒸気発生)
要約【課題】簡易的な手法で蒸気を削減可能であり、かつエネルギー利用効率を高めることが可能な蒸気発生装置の制御方法、蒸気発生装置および蒸気発生システムを提供する。
【解決手段】
本発明の一の態様によれば、吸着剤を投入する投入口31Aおよび吸着剤を排出する排出口31Bを有する缶体31と、缶体31に蒸気を供給する蒸気供給ライン32と、缶体31内に配置される熱交換器33とを備え、吸着材が、ミクロポアフィリング型の吸着を示し、缶体31に供給される蒸気の流量が下記式(1)に基づいて決定された流量となるように制御され、
minj=mad×(qeq-q0) …(1)
上記式(1)中、minjは蒸気の流量(kg/h)であり、madは吸着材の絶乾時の流量(kg/h)であり、qeqは液体が沸騰する温度での吸着材の平衡吸着量(%)であり、q0は吸着材の投入時の吸着量(%)である、蒸気発生装置30の制御方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上部に吸着材を連続的に投入する投入口および底部に前記吸着材を連続的に排出する排出口を有する缶体と、一端が前記缶体に接続され、前記缶体内の前記吸着材に蒸気を供給する蒸気供給ラインと、前記缶体内に配置され、かつ発熱した前記吸着材と熱交換する液体が前記缶体の前記底部から前記上部に向けて流れる熱交換器とを備える移動床式の蒸気発生装置の制御方法であって、
前記吸着材が、ミクロポアフィリング型の吸着を示すものであり、
前記缶体に供給される前記蒸気の流量が、下記式(1)に基づいて決定された流量となるように制御され、

inj
=m
ad
×(q
eq
-q

) …(1)
上記式(1)中、m
inj
は蒸気流量(kg/h)であり、m
ad
は前記吸着材の絶乾時の流量(kg/h)であり、q
eq
は前記液体が沸騰する温度での前記吸着材の平衡吸着量(%)であり、q

は前記吸着材の投入時の吸着量(%)である、蒸気発生装置の制御方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記吸着材が、Dubinin-Astakhov式またはLangmuir式に従う吸着材である、請求項1に記載の蒸気発生装置の制御方法。
【請求項3】
前記吸着材が、ゼオライト、シリカゲル、および活性炭の少なくともいずれかである、請求項2に記載の蒸気発生装置の制御方法。
【請求項4】
前記液体が、水である、請求項1に記載の蒸気発生装置の制御方法。
【請求項5】
上部に吸着材を連続的に投入する投入口および底部に前記吸着材を連続的に排出する排出口を有する缶体と、一端が前記缶体に接続され、前記缶体内の前記吸着材に蒸気を供給する蒸気供給ラインと、前記缶体内に配置され、発熱した前記吸着材と熱交換する液体が前記缶体の前記底部から前記上部に向けて流れる熱交換器と、前記蒸気供給ラインを流れる前記蒸気の流量を制御する制御部を備える移動床式の蒸気発生装置であって、
前記吸着材が、ミクロポアフィリング型の吸着を示すものであり、
前記制御部が、前記缶体に供給される前記蒸気の流量が下記式(1)に基づいて決定された流量となるように前記蒸気の流量を制御し、

inj
=m
ad
×(q
eq
-q

) …(1)
上記式(1)中、m
inj
は前記蒸気の流量(kg/h)であり、m
ad
は前記吸着材の絶乾時の流量(kg/h)であり、q
eq
は前記液体が沸騰する温度での前記吸着材の平衡吸着量(%)であり、q

は前記吸着材の投入時の吸着量(%)である、蒸気発生装置。
【請求項6】
前記吸着材が、Dubinin-Astakhov式またはLangmuir式に従う吸着材である、請求項5に記載の蒸気発生装置。
【請求項7】
前記吸着材が、ゼオライト、シリカゲル、および活性炭の少なくともいずれかである、請求項6に記載の蒸気発生装置。
【請求項8】
前記液体が、水である、請求項5に記載の蒸気発生装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれか一項に記載の蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置よりも前段に配置され、かつ前記蒸気供給ラインの他端が接続された蒸気発生装置とを備える、蒸気発生システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気発生装置の制御方法、蒸気発生装置および蒸気発生システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
廃棄物処理施設においては、廃棄物を焼却する際に廃熱が生じるので、現在、この廃熱を利用することが重要視されている。廃熱を配管によって輸送することも可能であるが、輸送距離が長距離となると、配管による輸送が困難である。
【0003】
そこで、この廃熱をゼオライトの水蒸気脱離に用い、熱需要がある場所でこの水蒸気を脱離させたゼオライトに蒸気を供給して、発熱させるゼオライトボイラが提案されている(非特許文献1参照)。ゼオライトボイラは、ゼオライトが水分を吸着すると発熱するという原理を利用したものである。このゼオライトボイラによれば、廃熱を利用して、ゼオライトから水蒸気を脱気させるとともに、輸送距離が長距離の場合の問題も解決できる。
【0004】
近年、カーボンニュートラルの観点から、ゼオライトボイラにおいては、燃料(蒸気)の消費の削減を図り、エネルギー利用効率を向上させることが検討されている。ここで、ゼオライトボイラにおいては、ゼオライトに多くの蒸気を吸着させた方が、ゼオライトは多くの熱を発するので、ゼオライトに最大限まで蒸気を吸着させた方が、エネルギー利用効率が良いと考えられてきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
藤井祥万等、「製糖工場からの未利用熱を利用した熱化学エネルギー貯蔵および輸送システムにおけるゼオライトボイラーの設計」(Design of zeolite boiler in thermochemical energy storage and transport system utilizing unused heat from sugar mill)、アプライドエネルギー、2019年3月15日、238巻、561-571頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ゼオライトを連続的に流しながら蒸気を発生させ、発熱したゼオライトと水との熱交換によって蒸気を発生させる間接熱交換方式のゼオライトボイラにおいては、ゼオライトは、高温で排出されてしまう。すなわち、ゼオライトは、余分な熱を持って排出される。したがって、ゼオライトに最大限まで蒸気を吸着させた場合には、エネルギー利用効率が低い。また、エネルギー利用効率を向上させるために、複雑な数値解析を行うと、多大な手間を要する。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、簡易的な手法で蒸気を削減可能であり、かつエネルギー利用効率を高めることが可能な蒸気発生装置の制御方法、蒸気発生装置、これを備える蒸気発生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]上部に吸着材を連続的に投入する投入口および底部に前記吸着材を連続的に排出する排出口を有する缶体と、一端が前記缶体に接続され、前記缶体内の前記吸着材に蒸気を供給する蒸気供給ラインと、前記缶体内に配置され、かつ発熱した前記吸着材と熱交換する液体が前記缶体の前記底部から前記上部に向けて流れる熱交換器とを備える移動床式の蒸気発生装置の制御方法であって、前記吸着材が、ミクロポアフィリング型の吸着を示すものであり、前記缶体に供給される前記蒸気の流量が、下記式(1)に基づいて決定された流量となるように制御され、

inj
=m
ad
×(q
eq
-q

) …(1)
上記式(1)中、m
inj
は蒸気流量(kg/h)であり、m
ad
は前記吸着材の絶乾時の流量(kg/h)であり、q
eq
は前記液体が沸騰する温度での前記吸着材の平衡吸着量(%)であり、q

は前記吸着材の投入時の吸着量(%)である、蒸気発生装置の制御方法。
【0009】
[2]前記吸着材が、Dubinin-Astakhov式またはLangmuir式に従う吸着材である、上記[1]に記載の蒸気発生装置の制御方法。
【0010】
[3]前記吸着材が、ゼオライト、シリカゲル、および活性炭の少なくともいずれかである、上記[2]に記載の蒸気発生装置の制御方法。
(【0011】以降は省略されています)

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