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公開番号
2024114111
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-23
出願番号
2023019552
出願日
2023-02-11
発明の名称
ボイラ
出願人
川重冷熱工業株式会社
代理人
個人
主分類
F22D
1/18 20060101AFI20240816BHJP(蒸気発生)
要約
【課題】エコノマイザの伝熱面積を大きくすることなく、エコノマイザでの排熱回収量を増加させる。
【解決手段】ヒートポンプ20とエコノマイザ10を用いてボイラの排ガスから熱を回収し、ボイラへの給水の加熱を図る装置において、エコノマイザ10に中間ヘッダー16、18を追設し、ヒートポンプ20の熱源用の循環水回路(循環水ライン)22を追加することで、エコノマイザ10の中段部での給水量を増大させ、エコノマイザ管内流速を増大することで、エコノマイザ10の伝熱面積を大きくすることなく、エコノマイザ10での排熱回収量を増加させる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒートポンプとエコノマイザを用いてボイラの排ガスから熱を回収し、ボイラへの給水の加熱を図る装置において、エコノマイザ内の給水を流す配管が接続される上部ヘッダーと下部ヘッダーとの間に少なくとも一つの中間ヘッダーを設けて、ヒートポンプ熱源用の給水の循環経路を追加するようにしたことを特徴とするボイラ。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
前記循環経路を流れる給水の一部をヒートポンプの加熱側の被加熱流体として抜き出してフラッシュタンクに導入し、ヒートポンプで回収した熱量を付加して昇温した給水から蒸気を取り出すようにした請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
エコノマイザを用いてボイラの排ガスから熱を回収し、ボイラへの給水の加熱を図る装置において、エコノマイザ内の給水を流す配管が接続される上部ヘッダーと下部ヘッダーとの間に少なくとも一つの中間ヘッダーを設けて、ボイラへの給水の循環経路を追加するようにしたことを特徴とするボイラ。
【請求項4】
前記循環経路を流れる給水の一部を抜き出してフラッシュタンクに導入し、給水から蒸気を取り出すようにした請求項3に記載のボイラ。
【請求項5】
エコノマイザを用いてボイラの排ガスから熱を回収し、ボイラへの給水の加熱を図る装置において、エコノマイザ内の給水を流す配管が接続される上部ヘッダーと下部ヘッダーとの間に少なくとも一つの中間ヘッダーを設けて、エコノマイザ下段側へは常温の給水を供給することを維持し、排ガスからの熱回収量を増加することを可能とした循環経路を追加するようにしたことを特徴とするボイラ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エコノマイザの伝熱面積を大きくすることなく、エコノマイザでの排熱回収量を増加させることができるボイラシステムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ボイラ排ガスから排熱回収する手段として、エコノマイザを用いた排熱回収に加え、排ガスからさらに熱回収するヒートポンプを組み合わせることやボイラの放熱損失を回収するためにボイラ室の温かい空気からの熱回収するヒートポンプと組み合わせて、エコノマイザに供給する給水を加温するハイブリッドボイラシステム技術が知られている。この場合、エコノマイザ入口給水温度が上がりエコノマイザでの収熱量が低下する。エコノマイザでの収熱量低下を改善するためには、エコノマイザの伝熱面積を大きくしなければならないという課題がある。また、エコノマイザの排ガス下流側に排ガス熱回収タイプのヒートポンプを追加し、エコノマイザの伝熱面積を大きくすることなく、ボイラ排ガスからの排熱回収を行う形態(特許文献1)も知られているが、排ガス熱回収タイプのヒートポンプ熱源用の排ガス熱交換器を追加する必要があり、排ガス系統の圧力損失の増加に加え、排ガスダクトの形状が複雑になるという課題がある。
【0003】
また、特許文献2には、エコノマイザ(熱交換器)に中間ヘッダーを設けることで、エコノマイザの分割を容易とし、メンテナンス性を向上させることが開示されている。この技術は、分割構造によって、エコノマイザを独立して機能させることができ、伝熱管の漏洩補修時の犠牲管を減らすと共に、補修作業の作業性向上を実現するものである。ここで特徴となっている中間ヘッダーは、単純にエコノマイザを分割することを目的としており、収熱アップを図るものではなく、そのようなシステム構成とはなっていない。
【0004】
さらに、特許文献3には、排ガス系統を分割することで、複数の熱源を一つのエコノマイザ(熱交換器)で収熱可能とすることが開示されている。ここで特徴となっているエコノマイザは、ダクト分割及び共通ヘッダーによって構成されるため、中間ヘッダーを活用する技術とは構造及び機能が異なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-247167号公報
特開2017-89909号公報
特開2014-25372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、エコノマイザでの収熱量低下を改善するためには、エコノマイザの伝熱面積を大きくしなければならないという課題がある。そして、特許文献1に開示された技術では、エコノマイザの伝熱面積を大きくすることなく、ボイラ排ガスからの排熱回収を行うことが可能であるが、排ガス熱回収タイプのヒートポンプ熱源用の排ガス熱交換器を追加する必要があり、排ガス系統の圧力損失の増加に加え、排ガスダクトの形状が複雑になるという課題がある。また、従来技術の排ガスからのヒートポンプによる排熱回収では、排ガスは気体でありエネルギー密度が低いため、ヒートポンプの排ガス熱交換器が大きくなるという課題もある。
【0007】
また、上述したように、特許文献2に開示された技術では、中間ヘッダーは単純にエコノマイザを分割することを目的としているため、本発明で提案するような中間ヘッダーとは目的(収熱アップ)及びシステム構成が異なっている。さらに、特許文献3に開示された技術では、エコノマイザはダクト分割及び共通ヘッダーによって構成されるため、本発明で提案するような中間ヘッダーの活用とは構造及び機能が異なっている。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、従来のエコノマイザに中間ヘッダーを追設し、ヒートポンプ熱源用の循環水ラインを追加することで、エコノマイザ中段部での給水量を増大させ、エコノマイザ管内流速を増大することで、エコノマイザの伝熱面積を大きくすることなく、エコノマイザでの排熱回収量を増加させることができるボイラシステムを提供することを目的とする。また、エコノマイザ上部ヘッダーには、低い温度の給水が供給されるため、エコノマイザ中段部での廃熱回収量の増加に加え、エコノマイザ下段部で低い温度の給水による効率的な熱回収が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
通常は、エコノマイザに通水する給水量は、ボイラ蒸発量と一致するため、エコノマイザにボイラ蒸発量以上の給水量を通過させることはできない。このため、エコノマイザで排ガスから回収できる熱量はボイラ蒸発量と同じ給水量で回収可能な排熱回収量に制限される。そこで、従来のエコノマイザに中間ヘッダーを追設し、ヒートポンプ熱源用の循環水ラインを追加することで、エコノマイザ中段部での給水量を増大させ、エコノマイザ管内流速を増大することで、エコノマイザの伝熱面積を大きくすることなく、エコノマイザでの排熱回収量を増加させる。循環水は、ヒートポンプの熱源とすることで、回収した熱量をボイラ給水熱源として有効利用することが可能となり、またエコノマイザ給水入口温度が上昇することもないため、上部ヘッダーに供給される低い温度の給水によりエコノマイザ下段部で効率的な熱回収が可能となり、エコノマイザの伝熱面積を増やすことも不要となる。また、排ガスダクト側は従来から変更なく、またエコノマイザの伝熱面積も従来相当としたまま、エコノマイザの通水量をボイラ蒸発量以上とでき、ヒートポンプ熱源用の排ガス熱交換器を追加も不要であり、排ガス系統の圧力損失の増加もないことに加え、排ガスダクトの形状は複雑となることなく、より多くの排ガスからの熱回収を可能とする。また、ヒートポンプの熱源がエネルギー密度の高い液体(給水)となることで、ヒートポンプの熱交換器も小さくすることが可能となる。
【0010】
本発明のボイラは、ヒートポンプとエコノマイザを用いてボイラの排ガスから熱を回収し、ボイラへの給水の加熱を図る装置において、エコノマイザ内の給水を流す配管が接続される上部ヘッダーと下部ヘッダーとの間に少なくとも一つの中間ヘッダーを設けて、ヒートポンプ熱源用の給水の循環経路(循環水ライン)を追加するようにしたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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