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公開番号2024055678
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162785
出願日2022-10-07
発明の名称密封装置
出願人内山工業株式会社
代理人協明国際弁理士法人
主分類F16C 33/80 20060101AFI20240411BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】比較的容易に組み立てることができ、かつ、より確実に封止対象への異物等の侵入を防止することができる密封装置を提供する。
【解決手段】密封装置10は、フランジ32に設けられた複数のボルト穴33に圧入されるボルト34によりフランジ32に取り付けられるスリンガ11を備える。そして、当該スリンガ11は、中空円板状の本体部12、弾性シール13及びスリンガ円筒部14を備える。本体部12は、ボルト34が挿入される挿通孔12aを有する。弾性シール13は、弾性部材からなり、本体部12の挿通孔12a周辺に一体的に形成される。スリンガ円筒部14は、本体部12の内径側端部から軸L方向に延び、外輪2の外周面2aとの間に隙間による第1ラビリンス41を形成する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材を備える軸受装置において、円筒状の内側部材に設けられた外径方向へ延びるフランジと外側部材との間の環状隙間を封止する密封装置であって、
前記フランジに設けられた複数のボルト穴に圧入されるボルトにより前記フランジに取り付けられるスリンガを備え、
前記スリンガが、
前記ボルトが挿入される挿通部を有する中空円板状の本体部と、
前記本体部の挿通部周辺に一体的に形成される弾性部材からなる弾性シールと、
前記本体部の内径側端部から軸方向に延び、前記外側部材の外周面との間に隙間による第1ラビリンスを形成するスリンガ円筒部と、
を備える、密封装置。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記スリンガが、前記外側部材の外周側に前記フランジと間隔をおいて一体的に設けられたナックルに近接対向して配置され、前記ナックルとの間に隙間による第2ラビリンスを形成する円板部をさらに備える、請求項1記載の密封装置。
【請求項3】
前記スリンガが、前記ナックルの外周面との間に隙間により第3ラビリンスを形成する延長部をさらに備える、請求項2記載の密封装置。
【請求項4】
前記外側部材に取り付けられるシール部材をさらに備え、
前記シール部材が、
前記外側部材に嵌合される支持部材と、
前記支持部材に固着され、前記フランジに弾接される又は前記フランジに近接配置される、弾性部材製のシールリップと、
を備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の密封装置。
【請求項5】
前記シール部材は、前記外側部材の外周面に嵌合される構成であって、
前記スリンガ円筒部が、
前記外側部材の外周面に嵌合されたシール部材の外周面に対向する第1円筒部と、
前記外側部材の外周面と対向し、前記第1円筒部より小径の第2円筒部と、
を備え、
前記第1円筒部及び前記第2円筒部が、前記シール部材が取り付けられた前記外側部材の外周面に沿って屈曲するラビリンスを形成する、請求項4記載の密封装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、相対的に同軸回転する外側部材及び内側部材を備える軸受装置に適用される密封装置に関し、特に、円筒状の内側部材が備えるフランジと外側部材との間の環状隙間を封止する密封装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、相対的に同軸回転する外側部材及び内側部材を備える軸受装置において、外側部材と内側部材との間の環状隙間を封止する密封装置が広く使用されている。例えば、円筒状の内側部材がフランジを備え、当該フランジと外側部材との間の被シール空間に適用される密封装置として種々の構成が提案されている(例えば、特許文献1-5参照)。
【0003】
例えば、特許文献1-4は、中心部に内側部材の円筒部に整合する貫通穴を備えるスリンガが、フランジのインナ側(内側部材の円筒部側)に固定される密封装置を開示している。そして、特許文献1は、スリンガの先端に外側部材の外周面に対向するリップを配置した構成を開示している。特許文献2は、スリンガの先端に対向する外側部材の外周面にリップを有するシール部材を配置した構成を開示している。特許文献3は、外側部材の内周面にリップを有するシール部材を配置した構成を開示している。特許文献4は、特許文献3が開示するようなシール部材に加えて、フランジの外径に圧入される円環状のダストカバーを設けた密封装置を開示している。このダストカバーは軸方向に延びる張出部を備え、張出部の先端を外側部材に取り付けられるナックルの側面と僅かな隙間を介して対向配置することでラビリンスシールを構成している。また、特許文献5は、フランジとスリンガとの間にOリングを介装した構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実開昭61-134404号公報
特開2012-082912号公報
特許第4812263号公報
特開2012-071654号公報
特許第5422868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1-3が開示する構成では、シール部材のリップが封止対象の近傍のみに配置されており、異物等はリップ付近まで容易に到達し、滞留してしまうため好ましくない。また、特許文献4では、ラビリンスシールが正常に機能すれば、異物等の侵入を抑制することができるが、フランジの外径に圧入される構成では内側部材に変形等が生じた場合、ダストカバーは容易に移動してしまう。この移動により、ダストカバーの先端部のみで形成されたラビリンスシールが機能しなくなると、異物等はリップ付近まで容易に到達することになる。一方、特許文献5は、フランジとスリンガとの間にOリングを配置することにより泥水の侵入を防止しているが、Oリングを取り付けるための作業が必要となるため組立てが煩雑になってしまう。このように、上述の従来の密封装置は、十分に満足のできるものとはいえなかった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、比較的容易に組み立てることができ、かつ、より確実に封止対象への異物等の侵入を防止することができる密封装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用している。本発明は、相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材を備える軸受装置において、円筒状の内側部材に設けられた外径方向へ延びるフランジと外側部材との間の環状隙間を封止する密封装置を前提としている。本発明に係る密封装置は、フランジに設けられた複数のボルト穴に圧入されるボルトによりフランジに取り付けられるスリンガを備える。そして、当該スリンガは、中空円板状の本体部、弾性シール及びスリンガ円筒部を備える。本体部は、ボルトが挿入される挿通部を有する。弾性シールは、弾性部材からなり、本体部の挿通部周辺に一体的に形成される。スリンガ円筒部は、本体部の内径側端部から軸方向に延び、外側部材の外周面との間に隙間による第1ラビリンスを形成する。
【0008】
本構成では、スリンガをフランジに取り付けるだけで弾性シールによるスリンガとフランジとの間の封止と、スリンガ円筒部によるフランジと外側部材との間の環状隙間の封止とを実現することができる。また、スリンガがボルトの圧入によりフランジに固定されているため、スリンガの移動を防止することができる。したがって、スリンガの移動に起因して第1ラビリンスの機能が低下することもない。
【0009】
以上の構成において、スリンガが、外側部材の外周側にフランジと間隔をおいて一体的に設けられたナックルに近接対向して配置され、当該ナックルとの間に隙間による第2ラビリンスを形成する円板部をさらに備える構成を採用することができる。
【0010】
この構成では、フランジと外側部材との間の環状隙間から、外側部材にフランジと離間した状態で配置されたナックルにわたってスリンガ円筒部が配置される。そして、スリンガをフランジに取り付けるだけで、スリンガ円筒部と外側部材との間の隙間によって第1ラビリンスが構成されるとともに、スリンガ円板部とナックルとの間の隙間によって第2ラビリンスが構成される。したがって、第1ラビリンスの作用に加えて第2ラビリンスの作用によりフランジと外側部材との間の環状隙間の近傍に異物等が侵入することをより確実に防止することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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