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公開番号2024049387
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2023166358
出願日2023-09-27
発明の名称静電荷像現像用トナーの製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類G03G 9/08 20060101AFI20240402BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】トナー粒子の粒度分布が狭く、高温高湿環境下での保存後でも高い帯電性を示し、かつ、高温高湿環境下での画像の印刷においてカブリの発生を抑制する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】下記工程1及び工程2を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法。
工程1:水系媒体中で結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂粒子を、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体の存在下で凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程2:工程1で得られた凝集粒子を融着させて、融着粒子を得る工程
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程1及び工程2を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法。
工程1:水系媒体中で結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂粒子を、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体の存在下で凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程2:工程1で得られた凝集粒子を融着させて、融着粒子を得る工程
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体が、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコール型のトリブロック共重合体である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項3】
ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体中、ポリエチレングリコールセグメントの含有量が5質量%以上90質量%以下である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項4】
工程1が、水系媒体中で結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル系樹脂を含有する樹脂粒子を、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体の存在下で凝集させて、凝集粒子を得る工程である、請求項1~3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項5】
工程2が、ナフタレン環を有する両親媒性分子の存在下で、工程1で得られた凝集粒子を加熱し融着させて、融着粒子を得る工程である、請求項1~4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項6】
工程1におけるポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体の使用量が、結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下である、請求項1~5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナーの開発が求められている。高画質化に対応して、粒径分布が狭く、小粒径であり、高速化に対応できる定着性のトナーを得る方法として、微細な樹脂粒子等を水系媒体中で凝集、融着させてトナーを得る、凝集融着法(乳化凝集法、凝集合一法)による、所謂ケミカルトナーの製造が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、発色性の向上した静電荷像現像用トナーを提供することを目的として、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と着色剤とを含有するコア部と、前記コア部を被覆し、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層と、を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーが記載されている。
また、特許文献2には、多数枚印字に際しての帯電安定性に優れ、また、印字画像にムラが生じることのない耐久性に優れる負帯電性トナーとして、着色剤、ワックス成分及びアニオン型自己水分散型ポリエステル樹脂を分散・溶解した疎水性溶剤溶液に水性媒体を添加し、転相乳化して得られるトナー母粒子に、個数平均一次粒子径が7~60nmの疎水性シリカ微粒子及び個数平均一次粒子径が10~40nmの疎水性酸化チタン微粒子と共に、個数平均一次粒子径が100~600nmの疎水性α型アルミナ微粒子及び/又は個数平均一次粒子径が100~600nmの疎水性シリカ微粒子が外添処理された負帯電性トナーにおいて、前記外添剤粒子における疎水化処理がシランカップリング剤による疎水化処理であることを特徴とする負帯電性トナーが記載されている。
更に、特許文献3には、粒度分布及び保存性に優れる、トナー及びその製造方法を提供することを目的として、アニオン性基を有する結着樹脂を主体とする母体微粒子を凝集及び融合させてトナーを製造する方法であって、(a)前記母体微粒子の懸濁液を準備する工程と、(b)臨界ミセル濃度以上のいずれかの濃度の水溶液の表面張力が45mN/m以上である非イオン性界面活性剤の存在下、前記母体微粒子の懸濁液中の前記母体微粒子を凝集して凝集体を作製する工程と、(c)前記凝集体を融合して母粒子を作製する工程と、(d)前記母粒子を用いてトナーを作製する工程と、を備える、製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-184073号公報
特開2011-59693号公報
特開2010-237551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、国内で製造したトナーカートリッジ、及びプリンタの輸出が増加したことで、船舶での輸送においては、通常の使用環境をはるかに超える高温高湿環境になることがあり、そのような環境にも耐えうる性能がトナーにも要求されるようになった。本発明者らが検討を進めたところ、特許文献1記載の静電荷像現像用トナーのように、ケミカルトナーの製造時に結晶性ポリエステル樹脂とポリオキシエチレンアルキルエーテル等の界面活性剤とを用いた場合、船舶での輸送環境のような高温高湿環境において、上記の結晶性ポリエステル樹脂及び界面活性剤がトナー粒子の表面に露出することで帯電量が大幅に低下し、カブリ現象などの印刷トラブルが生じることを見出した。一方、高温高湿環境下での帯電量の低下及び界面活性剤のトナー粒子の表面への露出を完全に抑制するために、凝集時に界面活性剤を全く使用せずにケミカルトナーを製造すると、水中での凝集粒子安定性が不足するために、粗大粒子の発生や粒度分布のブロード化などの問題により、印刷画質が大幅に低下することを見出した。
本発明は、トナー粒子の粒度分布が狭く、高温高湿環境下での保存後でも高い帯電性を示し、かつ、高温高湿環境下での画像の印刷においてカブリの発生を抑制する静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ケミカルトナー製造時に、特定の構造を有する界面活性剤の存在下で、結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂粒子を凝集させることで、結晶性ポリエステル樹脂を使用してもトナー粒子における粗大粒子の発生や粒度分布のブロード化が抑制され、高温高湿下で保存された後においても高い帯電性を示すと共に、印刷時においてカブリの発生が抑制された静電荷像現像用トナーが得られる静電荷像現像用トナーの製造方法を見出した。
本発明は、以下の〔1〕に関する。
〔1〕 下記工程1及び工程2を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法。
工程1:水系媒体中で結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂粒子を、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体の存在下で凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程2:工程1で得られた凝集粒子を融着させて、融着粒子を得る工程
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トナー粒子の粒度分布が狭く、高温高湿環境下での保存後でも高い帯電性を示し、かつ、高温高湿環境下での画像の印刷においてカブリの発生を抑制する静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[静電荷像現像用トナーの製造方法]
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、水系媒体中で結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂粒子を、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体の存在下で凝集させて、凝集粒子を得る工程1、及び工程1で得られた凝集粒子を融着させて、融着粒子を得る工程2を含む。
以上の製造方法により、トナー粒子の粒度分布が狭く、高温高湿環境下での保存後でも高い帯電性を示し、かつ、高温高湿環境下での画像の印刷においてカブリの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが得られる。
【0009】
本発明の製造方法により、トナー粒子の粒度分布が狭く、高温高湿環境下での保存後でも高い帯電性を示し、かつ、高温高湿環境下での画像の印刷においてカブリの発生を抑制する静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
界面活性剤は水系媒体中でポリエステル樹脂粒子や凝集粒子を分散安定化させる機能を持ち、凝集融着法によるケミカルトナーの製造において、重要な役割を有する化合物である。しかし、一般的に界面活性剤は水溶性を示すために電気伝導性が高く、製造後のトナー内部に界面活性剤が残留していると、高温高湿環境下で界面活性剤がトナー表面に移行し、界面活性剤を起点として帯電時の電荷がリークすると考えられる。また、結晶性ポリエステル樹脂を用いてトナーを製造した場合、高温高湿環境下で結晶性ポリエステル樹脂がトナー表面に移動することも帯電量の低下の要因になると考えられる。本発明者らが検討を進めた結果、ケミカルトナーの製造工程において、特に樹脂粒子を凝集する凝集工程時に系を安定化させるために用いる界面活性剤が、得られるトナーの帯電性に大きく影響することを見出した。
【0010】
改善策を鋭意検討したところ、本発明者らは、ケミカルトナーの製造に、界面活性剤として、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体を用いることで、得られるケミカルトナーを高温高湿環境下に保管した後も高い帯電性を維持し、良好な印刷画像が得られることを見出した。これは、上記ブロック共重合体中の疎水的なポリプロピレングリコール鎖が疎水性の高い結晶性ポリエステル樹脂由来のドメインに吸着し、親水的なポリエチレングリコール鎖がトナー中で寄り集まって、結晶性ポリエステルの分散性が向上すると考えられる。更に、上記ブロック共重合体が高分子であるため、高温高湿環境下で保存された場合でも、結晶性ポリエステル樹脂及び界面活性剤のトナー表面への移行が抑制されることで、トナーの帯電量低下が抑制され、高温高湿環境下での画像の印刷においてカブリの発生が抑制されると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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