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公開番号2024048716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022154785
出願日2022-09-28
発明の名称積層体の製造方法
出願人株式会社プライムポリマー
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類B29C 44/00 20060101AFI20240402BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】射出発泡成形体の特徴である軽量性および剛性を有するとともに、クッション性、触感および外観にも優れた成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】可動型と固定型から成る金型を用意し、可動型に表皮層となる表皮材を装着する工程(1)、金型を特定の開いた状態にしてキャビティを形成する工程(2)、キャビティに熱可塑性樹脂組成物を射出する工程(3)、金型を型締め完了状態にて2~20秒保持する工程(4)、可動型を型開き方向に移動させることで、熱可塑性樹脂組成物の厚さを210~600%に拡大して発泡体を形成する工程(5)、冷却する工程(6)、可動型を型閉じ方向に移動させ、表皮材が貼合された発泡体を特定の厚さに圧縮して保持する工程(7)、再び可動型を型開き方向に移動させ、表皮材が貼合された発泡体を圧縮状態から解放する工程(8)を含む、基材と表皮層を有する積層体の製造方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
射出発泡成形体からなる基材と、前記基材の表面に貼合された表皮層とを含む積層体の製造方法であって、
可動型と固定型から成る金型を用意し、前記可動型に前記表皮層となる表皮材を装着する工程(1)、
前記工程(1)の後、前記金型を予め規定された型締力以下の状態で、かつ、前記表皮材の厚さに加えて10mm以下分開いた状態にしてキャビティを形成する工程(2)、
前記工程(2)の後、前記キャビティに、熱可塑性樹脂(D)および発泡剤(H)を含む熱可塑性樹脂組成物を射出する工程(3)、
前記工程(3)の後、前記金型を型締め完了状態にて2~20秒間保持する工程(4)、
前記工程(4)の後、前記可動型を型開き方向に移動させることで、前記熱可塑性樹脂組成物の厚さを210~600%に拡大して発泡体を形成する工程(5)、
前記工程(5)の後、その状態で5秒以上冷却する工程(6)、
前記工程(6)の後、前記可動型を型閉じ方向に移動させ、前記表皮材が貼合された発泡体を、前記(5)で広げた厚さの4~90%の厚さに圧縮して0.1秒以上保持する工程(7)、および
前記工程(7)の後、再び前記可動型を型開き方向に移動させ、前記表皮材が貼合された発泡体を圧縮状態から解放する工程(8)
を含み、かつ、
前記表皮材の厚さをt、
前記工程(5)における拡大後の熱可塑性樹脂組成物の厚さをV1、
前記工程(7)における圧縮後の発泡体の厚さをV2、
前記工程(8)における解放後の基材の厚さをV3
とした場合に、(V1+t)>(V3+t)>(V2+t)の関係を満たす、積層体の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂(D)が、プロピレン系重合体(E)である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂組成物が、エチレン・α-オレフィン共重合体(F)を含む、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂組成物が、充填剤(G)を含む、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる発泡剤(H)の含有量が、前記熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、1~8質量部である、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
前記発泡剤(H)が、二酸化炭素系発泡剤および窒素系発泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
前記表皮層が、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマーのシートまたはフィルム、織布、不織布、編み物、起毛布、紙、金属箔、およびネット状物からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
前記基材が、その板厚方向断面において、表面側からソリッドスキン層(A1)/発泡層(B1)/発泡層(C)/発泡層(B2)/ソリッドスキン層(A2)(裏面)の5層からなり、
前記ソリッドスキン層(A1)および(A2)が、気泡状の発泡構造が観測されない層であり、
前記発泡層(B1)および(B2)が、下記条件(b-i)~(b-iii)を満たす層であり、
前記発泡層(C)が、断面の板厚方向の湾曲したセル壁を有する、請求項1または2に記載の積層体の製造方法:
(b-i)セル内部が気体で満たされ、周りをセル壁で囲まれた発泡セル構造を有する;
(b-ii)平面方向のセルの平均径が75μm以上400μm以下である;
(b-iii)板厚方向断面のセルの平均径が平面方向のセルの平均径に対して、1以上6以下の長さを持つセルからなる。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物を原料とした射出発泡成形体からなる基材と、前記基材の表面に貼合された表皮層とを含む積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂からなる射出発泡成形体は、比重が小さく、成形性やリサイクル性に優れていることから、日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、家電製品、機械部品、電気部品、自動車部品など、種々の分野で利用されている。自動車部品では、自動車の安全性や居住性、快適性の向上、さらにIT機器の増加に伴い、車載重量は増加する傾向があることから、プロピレン系重合体を含むプロピレン系樹脂組成物の使用比率が伸びてきている。特に、プロピレン系樹脂組成物からなる発泡成形体は軽量かつ成形外観に優れていることから、自動車部品に好適に使用されている。
【0003】
プロピレン系重合体などの熱可塑性樹脂からなる射出発泡成形体の製造方法の一つとして、キャビティ容積が可変である金型を用い、発泡剤を含む溶融熱可塑樹脂を充填する際にはキャビティ容積を小さくしておき、充填後にキャビティ容積を拡大することで積極的に気泡発生を促進させる成形方法(コアバック法)が知られている。
【0004】
また、コアバック法において、充填後にキャビティ容積を拡大することで積極的に気泡発生を促進させた後、発泡体が固化しないうちに、発泡した成形体を圧縮する成形方法も提案されており(例えば、特許文献1~3参照)、これらの発泡体は基本的に表層がソリッドスキン層で内部に発泡層を持つ3層構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-318542号公報
特開2009-196284号公報
特開2009-208299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
射出発泡成形体は、発泡剤を含有した樹脂を金型のキャビティに充填して表面を固化させた後に内部を発泡させるため、表層にソリッドスキン層と呼ばれる未発泡のソリッド樹脂層と、内部に発泡した層とを有する3層構造体であり、一般に発泡構造体と呼ばれる剛性と軽量化を併せ持った成形体である。しかし、表層がソリッド状であり、発泡層も発泡倍率が低いため成形体の表面は硬く、加えて成形時に発生するスワールマークと呼ばれる外観不良が発生するという問題があり、さらに成形体表面は触るとプラスチッキー感があり、高級感に乏しい成形体になるという問題もある。
【0007】
そこで本発明の目的は、射出発泡成形体の特徴である軽量性および剛性を有するとともに、クッション性、触感および外観にも優れた成形体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様の例を以下に示す。
[1] 射出発泡成形体からなる基材と、前記基材の表面に貼合された表皮層とを含む積層体の製造方法であって、
可動型と固定型から成る金型を用意し、前記可動型に前記表皮層となる表皮材を装着する工程(1)、
前記工程(1)の後、前記金型を予め規定された型締力以下の状態で、かつ、前記表皮材の厚さに加えて10mm以下分開いた状態にしてキャビティを形成する工程(2)、
前記工程(2)の後、前記キャビティに、熱可塑性樹脂(D)および発泡剤(H)を含む熱可塑性樹脂組成物を射出する工程(3)、
前記工程(3)の後、前記金型を型締め完了状態にて2~20秒間保持する工程(4)、
前記工程(4)の後、前記可動型を型開き方向に移動させることで、前記熱可塑性樹脂組成物の厚さを210~600%に拡大して発泡体を形成する工程(5)、
前記工程(5)の後、その状態で5秒以上冷却する工程(6)、
前記工程(6)の後、前記可動型を型閉じ方向に移動させ、前記表皮材が貼合された発泡体を、前記(5)で広げた厚さの4~90%の厚さに圧縮して0.1秒以上保持する工程(7)、および
前記工程(7)の後、再び前記可動型を型開き方向に移動させ、前記表皮材が貼合された発泡体を圧縮状態から解放する工程(8)
を含み、かつ、
前記表皮材の厚さをt、
前記工程(5)における拡大後の熱可塑性樹脂組成物の厚さをV1、
前記工程(7)における圧縮後の発泡体の厚さをV2、
前記工程(8)における解放後の基材の厚さをV3
とした場合に、(V1+t)>(V3+t)>(V2+t)の関係を満たす、積層体の製造方法。
【0009】
[2] 前記熱可塑性樹脂(D)が、プロピレン系重合体(E)である、項[1]に記載の積層体の製造方法。
[3] 前記熱可塑性樹脂組成物が、エチレン・α-オレフィン共重合体(F)を含む、項[1]または[2]に記載の積層体の製造方法。
【0010】
[4] 前記熱可塑性樹脂組成物が、充填剤(G)を含む、項[1]~[3]のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
[5] 前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる発泡剤(H)の含有量が、前記熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、1~8質量部である、項[1]~[4]のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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