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公開番号2024046427
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151817
出願日2022-09-22
発明の名称耐火被覆鋼材の製造方法及び耐火被覆鋼材
出願人積水ハウス株式会社
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類B05D 3/12 20060101AFI20240327BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】鉄骨造建築物の耐火被覆工法に使用される冷間圧延鋼材に対して、下塗材の塗布を省いても耐火塗料の付着性を好適に確保し得る耐火被覆鋼材の製造方法を提供する。
【解決手段】鋼材1の表面にショットブラスト処理によって凹凸部を形成するブラスト工程と、鋼材に形成された凹凸部の上にカチオン電着塗装によって梨地状の樹脂塗膜2を形成する電着塗装工程と、を行った後、樹脂塗膜2の上に耐火塗料3を塗布する。ブラスト工程で鋼材1の表面に形成される凹凸部の最大高さRに対し、その上に電着塗装工程で形成される樹脂塗膜2の厚さが相対的に小さいので、樹脂塗膜2の表面にも梨地状の残存凹凸部が残り、その残存凹凸部が、その上に塗布される耐火塗料3の付着性を向上させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鋼材の表面にショットブラスト処理によって凹凸部を形成するブラスト工程と、
前記凹凸部の上に、前記凹凸部の最大高さよりも膜厚が薄くなるように、カチオン電着塗装によって樹脂塗膜を形成する電着塗装工程と、
前記樹脂塗膜の上に耐火塗料を塗布する耐火塗料塗布工程と、
を備えることを特徴とする耐火被覆鋼材の製造方法。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
請求項1に記載された耐火被覆鋼材の製造方法において、
前記鋼材が冷間圧延鋼材であることを特徴とする耐火被覆鋼材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載された耐火被覆鋼材の製造方法において、
前記電着塗装工程によって形成される樹脂塗膜の平均厚さを、前記ブラスト工程によって形成される前記凹凸部の最大高さの30~50%とする
ことを特徴とする耐火被覆鋼材の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載された耐火被覆鋼材の製造方法において、
前記ブラスト工程では、前記鋼材の表面に粒径1.2~1.4mmの鋼球を投射して、最大高さ40~60μmRzの前記凹凸部を形成し、
前記電着塗装工程では、前記凹凸部の上に厚さ15~30μmの樹脂塗膜を形成し、
前記耐火塗料塗布工程では、少なくとも前記電着塗装後の前記樹脂塗膜の表面に残った残存凹凸部が埋まる厚さに前記耐火塗料を塗布する
ことを特徴とする耐火被覆鋼材の製造方法。
【請求項5】
鋼材の表面にショットブラスト処理によって形成された凹凸部と、
前記凹凸部の上にカチオン電着塗装によって形成された、前記凹凸部の最大高さよりも膜厚の小さい樹脂塗膜と、
前記樹脂塗の上に塗布された耐火塗料の塗膜と、
を備えることを特徴とする耐火被覆鋼材。
【請求項6】
請求項5に記載された耐火被覆鋼材において、
前記鋼材は冷間圧延鋼材からなり、
前記耐火塗料は、少なくとも前記電着塗装後の樹脂塗膜の表面に残った残存凹凸部が埋まる厚さに塗布された
ことを特徴とする耐火被覆鋼材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、鉄骨造建築物に使用される耐火被覆鋼材の製造方法と、該製造方法によって製造される耐火被覆鋼材に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
鉄骨造建築物において、躯体を構成する鋼材の表面に発泡剤を含有させた耐火塗料を塗布し、その耐火塗料を火災時に発泡させて断熱層を形成する耐火被覆工法が公知である。その耐火塗料は、火災時に塗膜温度が250~300℃になるとポリ燐酸アンモニウム等の発泡成分が分解して炭化層を形成し、アクリル系、ポリウレタン系、酢酸ビニル系等の樹脂成分が溶融して二酸化炭素、アンモニア、水蒸気等のガスを発生させることにより炭化層を膨らませて、元の塗膜の20~50倍程度の厚さの断熱層を形成する。かかる耐火塗料は通常、建築物の施工現場において、組み上げられた鋼材の表面にスプレー、ローラー、刷毛等を用いて塗布される。
【0003】
耐火塗料が塗布される鋼材は、主として建築構造用圧延鋼材または一般構造用圧延鋼材である。それらの圧延鋼材には熱間圧延鋼材と冷間圧延鋼材の2種類があるが、工業化住宅等の躯体には冷間圧延による形鋼や鋼管が多用されており、その使用量は熱間圧延鋼材を大きく上回っている。
【0004】
熱間圧延鋼材は、圧延工程により表面に酸化皮膜(黒皮)が形成されて、その酸化被膜が防錆効果を発揮する。しかし、熱間圧延鋼材を常温下で再圧延して得られる冷間圧延鋼は、酸化皮膜のない平滑な表面に仕上がる。そのままでは錆びやすいので、建築用の冷間圧延鋼材にはカチオン電着塗装を施すなどして表面に樹脂塗膜を形成することが行われている。
【0005】
冷間圧延鋼材の平滑な表面に対してカチオン電着塗装の樹脂塗膜は良好に付着するが、その電着塗装面に対する耐火塗料の付着性は低い。そこで、耐火塗料の付着性を高めるために、電着塗装面の下地処理が必要になる。一般的な塗装工事では、塗料の付着性を高めるために下地面を目荒らしすることがあるが、電着塗装によって建築用鋼材の表面に形成される樹脂塗膜の厚さは15~20μmと極めて薄いので、目荒らしによって樹脂塗膜が広範囲に剥がれると防錆性能が失われてしまう。そのため従来は、耐火塗料の下地処理として電着塗装面に、二液性変性エポキシ樹脂や一液速乾エポキシシーラー等の下塗材をスプレー、ローラー、刷毛等で塗布することが多い。
【0006】
特許文献1には、耐火塗料を塗布するための下塗材として、水硬性セメント、合成樹脂エマルション、繊維剤及び/または中空状フィラーからなる水性防食プライマーを使用することが開示されている。また、特許文献2には、キレート変性エポキシ樹脂、ケチミン化合物、アニオン交換型化合物、有機溶剤等を含有する防錆性下塗材を使用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-212472号公報
特開2006-36969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
建築用鋼材は通常、工場で所望の寸法に切断され、孔あけや溶接等の加工が行われてから施工現場に搬入される。そして多くの場合、鋼材に耐火塗料を塗布する作業は施工現場で鋼材を組み上げてから行われる。したがって施工現場では、下塗材の塗布と、それに続く耐火塗料の塗布を、いずれも人力作業で行うことになる。スプレーや刷毛塗り等による塗装作業を施工現場で二度にわたって行うのは、建築工事の施工効率を著しく低下させる要因になっている。
【0009】
本願が開示する発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、鉄骨造建築物に使用される冷間圧延鋼材に対して下塗材の塗布を省いても耐火塗料の付着性を好適に確保し得る耐火被覆鋼材の製造方法と、該製造方法によって製造される耐火被覆鋼材を提供することにより、建築工事の施工効率を大きく改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願が開示する発明に係る耐火被覆鋼材の製造方法は、鋼材の表面にショットブラスト処理によって凹凸部を形成するブラスト工程と、前記凹凸部の上に、前記凹凸部の最大高さよりも膜厚が薄くなるように、カチオン電着塗装によって樹脂塗膜を形成する電着塗装工程と、前記樹脂塗膜の上に耐火塗料を塗布する耐火塗料塗布工程と、を備えるものとして特徴付けられる。
(【0011】以降は省略されています)

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