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公開番号2024043734
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022148891
出願日2022-09-20
発明の名称油入変圧器の劣化診断方法
出願人富士電機株式会社,ユカインダストリーズ株式会社
代理人弁理士法人旺知国際特許事務所
主分類H01F 27/00 20060101AFI20240326BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】絶縁紙の種類によらず油入変圧器の劣化を好適に診断すること。
【解決手段】油入変圧器の劣化診断方法は、絶縁油および絶縁紙を備える油入変圧器の劣化度合を診断する劣化診断方法であって、前記絶縁油中に含まれる2以上の劣化指標成分の定量を行う定量工程と、前記定量工程で得られた前記2以上の劣化指標成分の総量に基づいて前記油入変圧器の劣化度合を診断する診断工程と、を含み、前記2以上の劣化指標成分は、フルフラール、5-メチルフルフラール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、2-アセチルフラン、および2-フルフリルアルコールのフラン5種のうちのいずれか2以上である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁油および絶縁紙を備える油入変圧器の劣化度合を診断する劣化診断方法であって、
前記絶縁油中に含まれる2以上の劣化指標成分の定量を行う定量工程と、
前記定量工程で得られた前記2以上の劣化指標成分の総量に基づいて前記油入変圧器の劣化度合を診断する診断工程と、を含み、
前記2以上の劣化指標成分は、フルフラール、5-メチルフルフラール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、2-アセチルフラン、および2-フルフリルアルコールのフラン5種のうちのいずれか2以上である、
ことを特徴とする油入変圧器の劣化診断方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記診断工程では、前記フラン5種の総量に基づいて前記油入変圧器の劣化度合を診断する、
請求項1に記載の油入変圧器の劣化診断方法。
【請求項3】
前記定量工程では、前記フルフラール、前記5-メチルフルフラール、または前記2-アセチルフランでは、高感度SPME-ガスクロマトグラフ質量分析法により定量される、
請求項1に記載の油入変圧器の劣化診断方法。
【請求項4】
前記定量工程では、前記5-ヒドロキシメチルフルフラール、または前記2-フルフリルアルコールは、トリメチルシリル誘導体化-ガスクロマトグラフ質量分析法により定量される、
請求項1に記載の油入変圧器の劣化診断方法。
【請求項5】
前記高感度SPME-ガスクロマトグラフ質量分析法の定量下限値は、0.005[mg/kg]である、
請求項3に記載の油入変圧器の劣化診断方法。
【請求項6】
前記トリメチルシリル誘導体化-ガスクロマトグラフ質量分析法の定量下限値は、0.001~0.005[mg/kg]である、
請求項4に記載の油入変圧器の劣化診断方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、油入変圧器の劣化診断方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
絶縁油を備える油入変圧器が知られている。油入変圧器は、一般的に、鉄心と絶縁紙で被覆された巻線とが絶縁油に浸漬された構成である。絶縁紙は、一般的にセルロースを含む。かかる絶縁紙は交換が難しいため、油入変圧器の寿命は、絶縁紙の劣化度合に依存すると言われている。
【0003】
絶縁紙の劣化度合は、例えば、絶縁紙の引張強度と相関のあるセルロースの平均重合度で診断される。平均重合度は、例えば、間接法により推定される。間接法は、絶縁油に溶存した絶縁紙の劣化生成物の生成量から間接的に平均重合度を推定する方法である。かかる間接法によれば、油入変圧器を停止することなく、かつ、劣化度合を簡便に診断することができる。当該診断方法の例として、特許文献1および非特許文献1に油入変圧器の余寿命診断を行う方法が開示される。
【0004】
特許文献1に記載の油入変圧器の余寿命診断を行う方法では、セルロースの分解生成物であるフルフラール(2-フランカルボキシアルデヒド)量から余寿命診断が行われる。また、非特許文献1に記載の油入り変圧器の余寿命診断を行う方法では、セルロースの分解生成物であるフルフラール量の他、CO

+CO量、あるいはアセトン量などから余寿命診断が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平4-241407号公報
【非特許文献】
【0006】
電気協同研究 第54巻 第5号(その1)「油入変圧器の保守管理」電力用変圧器保守管理専門委員会著、社団法人電気協同研究会 平成11年2月発行、P157~
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、絶縁紙にはアミン系化合物を含む耐熱性の絶縁紙が用いられている。従来のフルフラールを用いた方法では、耐熱性の絶縁紙の劣化度合を評価することが難しい。アミン系の化合物とフルフラールが反応し、絶縁油中からフルフラールが減少してしまう場合があるためだと考えられる。このため、近年、国内外で耐熱性の絶縁紙の劣化方法の探索に関する研究が精力的に行われているが、決定的な方法が見つかっていない。それゆえ、クラフト紙を備える油入変圧器の劣化だけでなく、アミン系化合物を含む耐熱性の絶縁紙を備える油入変圧器の劣化を診断することが可能な診断方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の好適な態様に係る油入変圧器の劣化診断方法は、絶縁油および絶縁紙を備える油入変圧器の劣化度合を診断する劣化診断方法であって、前記絶縁油中に含まれる2以上の劣化指標成分の定量を行う定量工程と、前記定量工程で得られた前記2以上の劣化指標成分の総量に基づいて前記油入変圧器の劣化度合を診断する診断工程と、を含み、前記2以上の劣化指標成分は、フルフラール、5-メチルフルフラール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、2-アセチルフラン、および2-フルフリルアルコールのフラン5種のうちのいずれか2以上である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、絶縁紙がクラフト紙およびアミン系化合物を含む耐熱性の絶縁紙のいずれであっても油入変圧器の劣化を診断することが可能な診断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の油入変圧器の劣化診断方法のフロー図である。
フラン5種の総量と平均重合度との関係を示す図である。
2FALおよび2FOLの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
5MEFおよび5HMFの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
5MEFおよび2ACFの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
2FAL、5MEFおよび5HMFの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
2FAL、5MEFおよび2FOLの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
2FAL、2ACFおよび2FOLの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
2FAL、5MEF、5HMFおよび2FOLの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
2FAL、5MEF、2ACFおよび2FOLの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
5MEF、5HMF、2ACFおよび2FOLの総量と平均重合度残率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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