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公開番号2024040943
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145615
出願日2022-09-13
発明の名称水性組成物および印刷物
出願人ブラザー工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240318BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】基材への定着性とリサイクル時の膜除去性とを両立しつつ、人や環境へのリスクが小さい水性組成物および印刷物を提供する。
【解決手段】水性組成物は、少なくとも光重合開始剤と、重合性化合物と、樹脂成分と、水と、を含む。上記光重合開始剤は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、350nm以上400nm以下の範囲内に吸収波長ピークを有している。上記重合性化合物は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、重合反応性官能基を複数有している。上記樹脂成分が上記水に分散したエマルジョンの状態である水性組成物。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも光重合開始剤と、重合性化合物と、樹脂成分と、水と、を含む水性組成物であって、
上記光重合開始剤は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、350nm以上400nm以下の範囲内に吸収波長ピークを有しており、
上記重合性化合物は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、重合反応性官能基を複数有しており、
上記樹脂成分が上記水に分散したエマルジョンの状態である水性組成物。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
上記光重合開始剤は、アシルフォスフィンオキサイド系である請求項1に記載の水性組成物。
【請求項3】
非浸透性基材、並びに、塗膜層及び/又は印刷層をこの順に有する積層体から、塗膜層及び/又は印刷層を剥離させて、非浸透性基材をリサイクルするための塗膜層又は印刷層を非浸透性基材に形成することに用いられる水性組成物であって、
少なくとも光重合開始剤と、重合性化合物と、樹脂成分と、水と、を含み、
上記光重合開始剤は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、
上記重合性化合物は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、重合反応性官能基を複数有しており、
上記樹脂成分が上記水に分散したエマルジョンの状態である水性組成物。
【請求項4】
上記重合性化合物は、水性組成物に1.0wt%以上40wt%以下の範囲内で含まれている請求項1から3のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項5】
上記重合性化合物は、水性組成物に2.5wt%以上40wt%以下の範囲内で含まれている請求項1から3のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項6】
上記光重合開始剤及び上記重合性化合物は、乾燥によって基材に定着した上記樹脂成分を紫外線の照射によって剥離可能にするためのものである請求項1から3のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項7】
上記基材は、非浸透性基材である請求項6に記載の水性組成物。
【請求項8】
色材を含む請求項1から3のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項9】
非浸透性基材と、
請求項1から3のいずれかに記載の水性組成物の樹脂成分が上記非浸透性基材に定着した塗膜層と、上記塗膜層の上記非浸透性基材とは反対側の表面に形成されており、印刷画像を形成する印刷層と、を有する印刷物。
【請求項10】
非浸透性基材と、
印刷画像を形成しており、請求項1から3のいずれかに記載の水性組成物の樹脂成分が上記非浸透性基材に定着した印刷層と、を有する印刷物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基材から塗膜層が剥離可能な水性組成物および印刷物、並びに水性組成物の層を基材に形成する層形成方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりによりリサイクルが注目されている。印刷分野ではパッケージ等に印刷が施された商品の使用後に、パッケージ等からインクを取り除き、パッケージ等を構成する基材をリサイクルする必要性が叫ばれている。一例として、プラスチックを使用したパッケージ又はプラスチックボトル等のプラスチック製品は海洋における環境汚染問題となっている。例えば、プラスチックは自然界で分解しにくいことから、一部は分別・回収されており、リサイクルされている。しかしながら、印刷等が施されたプラスチック製品がリサイクル過程において混入すると、リサイクル品が着色されることから、再利用できないケースが存在する。このような印刷等が施されたプラスチック製品は、再利用されず廃棄されることがある。廃棄されたプラスチック製品が最終的に海洋に行き着いた場合、プラスチック製品は海水中で分解されてマイクロプラスチックとなる。魚類などの海洋生物がマイクロプラスチックを摂取すれば、海洋生物の体内中で濃縮される。このとき、人間がこのような海洋生物を食料として摂取すると、人間の健康にも影響することが懸念される。このような問題はプラスチックに限らず、印刷が施される他の素材の基材に対しても言える問題と考えられる。
【0003】
印刷等が施された基材をリサイクルする観点から、基材から印刷物を除去する方法が従来から検討されている。例えば、特許文献1の記録媒体形成方法は、透明な記録媒体の表面に、紫外線硬化型の成分を含有する粘着剤層と基材層とからなる除去可能な膜を形成する工程と、除去可能な膜の基材層の表面上に画像を形成する工程と、を備える。上記記録媒体形成方法では、作業者は、透明な記録媒体を再利用する際に、除去可能な膜に紫外線を照射して除去可能な膜を硬化させることにより、除去可能な膜の透明な記録媒体への密着力を低下させて、除去可能な膜を透明な記録媒体から除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-98648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記記録媒体形成方法では、除去可能な粘着剤層を利用し、基材を介して印刷層を透明な記録媒体へ定着させている。しかし、除去可能な粘着剤層を構成する組成物は、油系成分で構成されており、粘着剤層形成時に油系成分が揮発することによって、油系成分が作業者に暴露するリスクや環境に悪影響を及ぼすリスクがある。一方で、上記記録媒体形成方法は、油系成分以外の組成物を用いた基材への定着とリサイクル時の膜除去とを両立させるものではない。そのため、基材への定着性とリサイクル時の膜除去性とを両立しつつ、人や環境へのリスクを抑制することができなかった。
【0006】
本発明の目的は、基材への定着性とリサイクル時の膜除去性とを両立しつつ、人や環境へのリスクが小さい水性組成物および印刷物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る水性組成物は、少なくとも光重合開始剤と、重合性化合物と、樹脂成分と、水と、を含む水性組成物である。上記光重合開始剤は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、350nm以上400nm以下の範囲内に吸収波長ピークを有している。上記重合性化合物は、上記水への溶解度が1wt%以上のものであって、重合反応性官能基を複数有している。上記樹脂成分が上記水に分散したエマルジョンの状態である。
【0008】
本発明によれば、水性組成物の樹脂成分が基材に定着することによって光重合開始剤及び重合性化合物が含まれる膜が基材に形成される。水性組成物は、樹脂成分が水に分散したエマルジョンの状態であるので、樹脂成分が基材に均一に定着しやすい。水性組成物は、光重合開始剤及び重合性化合物が1wt%以上水に溶解した状態であるので、人や環境へのリスクが小さい。また、光重合開始剤は、350nm以上400nm以下の範囲に吸収波長ピークを有するので、可視光に可及的に近い波長の紫外線が照射されることにより、重合性化合物を重合反応させることができる。重合性化合物は、重合反応性官能基を複数有するので、可視光に可及的に近い波長の紫外線であっても、重合反応を容易に起こすことができる。その結果、膜が硬化して膜の基材への密着力が低下するので、膜が基材から剥離可能になる。このため、作業者は、基材から膜を剥離させて基材を再利用することができる。以上から、基材への定着性とリサイクル時の膜除去性とを両立しつつ、人や環境へのリスクが小さい水性組成物を提供することができる。
【0009】
(2)上記光重合開始剤は、アシルフォスフィンオキサイド系であってもよい。
【0010】
光重合開始剤は、重合性化合物をより確実に重合反応させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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