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公開番号2024039793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-25
出願番号2022144416
出願日2022-09-12
発明の名称シェル形針状ころ軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16C 33/58 20060101AFI20240315BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】耐腐食性に優れた材料を用い、圧入しやすくかつ低コストで製造可能な外輪を有するシェル形針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】シェル形外輪1の材質がオーステナイト系ステンレス材であり、シェル形外輪1の外径面1aに、非熱処理面を有するシェル形針状ころ軸受10を製造する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
シェル形外輪の材質がオーステナイト系ステンレス材であり、
前記シェル形外輪の外径面に、非熱処理面を有するシェル形針状ころ軸受。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記シェル形外輪の外径面粗さは、軸方向の算術平均粗さRaが0.04μm以上0.13μm以下であり、軸方向の山谷の偏り度Rskが-2.4μm以上-0.1μm以下である請求項1に記載のシェル形針状ころ軸受。
【請求項3】
外径寸法がΦ12mm以上30mm以下である請求項1又は2に記載のシェル形針状ころ軸受。
【請求項4】
アルミ製ハウジングに圧入して使用される、請求項1又は2に記載のシェル形針状ころ軸受。
【請求項5】
自動車用電子スロットルボディ又は排ガス再循環装置に用いる、請求項1又は2に記載のシェル形針状ころ軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、主として自動車のシェル形針状ころ軸受に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車には、エンジンへの吸気量を調整する電子制御スロットルボディ(ETB)が備えられている。ETBには流路を開閉するスロットルバルブが設けられ、このスロットルバルブの回転を支える軸受には、はだ焼き鋼などの鉄製外輪が用いられていた。
【0003】
そのような用途で用いられるシェル形針状ころ軸受が例えば特許文献1に挙げられている。このシェル形針状ころ軸受は、次の通りである。まず外輪の材料となるクロムモリブデン鋼(SCM415等)製の帯鋼を用意する。この帯鋼を外輪の形状となるように深絞り成形する。このとき、外輪の一方の縁のみ折り曲げている。この外輪に保持器と針状ころを組み込む。組み込んだ後、外輪の他方の縁を折り曲げて保持器と針状ころが外れないようにする。以上のように組み立ててから、浸炭窒化処理した後に焼入れと焼戻しを行う熱処理工程を行う。熱処理によりクロムモリブデン鋼の表面が硬化されたはだ焼き鋼となる。熱処理後に外輪の縁を曲げると端部分の硬度が変わってしまい、硬度が均一にならないという問題があったが組み立て後に熱処理を行うことで、外輪の両端部分を含めた全体の硬度を均一にすることができる。また、外輪の表層部に浸炭窒化処理による窒素富化層が形成されている。窒素富化層には残量オーステナイトが大量に存在し、これが塑性変形することで応力集中が緩和されて長寿命化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3212880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は低燃費化を目的として、ガソリンエンジンに排ガス再循環装置(EGR)が採用されるようになっている。これにより、ETBのスロットルバルブ用軸受は、EGRによって循環された排ガス含有成分に曝されるようになった。特許文献1に記載のシェル形針状ころ軸受で採用されているようなクロムモリブデン鋼を熱処理したはだ焼き鋼の外輪では、排ガス含有成分による腐食が問題となってしまう。このような腐食しやすい環境で用いるシェル形針状ころ軸受では、より耐腐食性に優れた材料を外輪に用いる必要がある。このような耐腐食性に優れた材料としては、例えばオーステナイト系ステンレス材が挙げられる。
【0006】
一方、シェル形針状ころ軸受用の外輪は、正しい寸法のハウジングに圧入することによって、本来の機能を発揮できる精度となる。この圧入の際には外輪に過大な圧入荷重が掛かるため、外輪が変形するおそれがある。このため、シェル形針状ころ軸受の外輪は、外径側の面粗さを最適化して、圧入荷重を抑えて変形を防止することが必要である。粗さが大きいと圧入の際に引っ掛かり、焼き付きや凝着が生じやすくなるという問題がある。圧入のためには粗さが小さいほどよいが、表面が滑らかすぎる外輪は、外輪を形成する際に表面が滑らかな板がダイスと焼き付きやすくなり製造が難しくなるという問題がある。特にオーステナイト系ステンレス材では焼き付き易く、表面を最初から滑らかにした帯鋼から外輪を形成させることが難しかった。表面が滑らかではない帯鋼を用いて一旦外輪を形成した後で、ショットピーニングなどの表面処理により目標とする滑らかさに調整することは可能であるが、コストがかかりすぎるという問題があった。
【0007】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、耐腐食性に優れた材料を用い、圧入しやすくかつ低コストで製造可能な外輪を有するシェル形針状ころ軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明は、
シェル形外輪の材質がオーステナイト系ステンレス材であり、
前記シェル形外輪の外径面に非熱処理面を有するシェル形針状ころ軸受により、上記の課題を解決したのである。
【0009】
従来はオーステナイト系ステンレス材からなるシェル形外輪を製造するにあたり、表面の面粗さが小さく滑らかな材料を用いると、深絞りによる形成時に焼き付いてしまい製造することができなかったが、発明者は深絞りの段数を増やすことで、面粗さが小さく滑らかな外輪を形成することができることを見出し、そのような外輪を有するシェル形針状ころ軸を製造可能にした。そのようにして形成されたオーステナイト系ステンレス材からなる外輪は、深絞りの工程こそ多段階にする必要があるが、深絞り工程において材料が硬化するという効果が発揮された。この硬化により、形成後に熱処理をしなくても外輪に十分な硬度を実現することができるので、形成後の熱処理も表面を滑らかにする加工も省くことができる。このため、外径面には熱処理がされていない非熱処理面を有するという特徴を持つ。
【0010】
前記シェル形外輪の外径面粗さは、軸方向の算術平均粗さRaが0.04μm以上0.13μm以下であり、軸方向の山谷の偏り度Rskが-2.4μm以上-0.1μm以下である構成が採用できる。
(【0011】以降は省略されています)

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