TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024037161
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-18
出願番号2023143033
出願日2023-09-04
発明の名称ダストの洗浄処理方法
出願人南海化学株式会社
代理人弁理士法人OHSHIMA&ASSOCIATES,個人
主分類B09B 3/70 20220101AFI20240311BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】硫化水素ガスの発生を抑えて安全性を確保しつつ、ダストの処理時間を短縮し、処理コストの低減が実現できるダストの洗浄処理方法を提供する。
【解決手段】重金属を含むダストと水とを混合して得られたスラリーを液体成分と固体成分とに分離し、分離後の液体成分に含まれる鉛の含有量に合わせて硫黄化合物をアルカリ性条件下で添加し、セレン以外の重金属を沈殿させ、さらに、この溶液中に第一鉄化合物を添加して硫化鉄を生成させ、さらに、この溶液をpH3~pH5に調整することにより、6価のセレンの還元反応を促進させる。そして、この溶液にアルカリ剤を添加してpH8~pH10に調整し、鉄イオンから生じた沈殿性の鉄化合物と、析出したセレンとを共沈させ、重金属を除去する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも鉛及びセレンを含むダストと水とを混合してスラリーを得る混合工程と、
前記スラリーを液体成分と固体成分とに分離する第一の固液分離工程と、
前記第一の固液分離工程で分離した液体成分について、硫黄化合物をアルカリ性条件下で添加して、セレン以外の重金属を硫化物として沈殿させる第一の沈殿工程と、
前記第一の沈殿工程で生成した硫化物沈殿物を含む液に、セレンを還元する還元剤として第一鉄化合物を添加して、残存する前記硫黄化合物と反応させて硫化鉄を生成させる第二の沈殿工程と、
前記第二の沈殿工程で第一鉄化合物を添加した後、当該処理液をpH3~pH5の液に調整することにより、6価のセレンの還元反応を促進させるpH調整工程と、
前記pH調整工程後の溶液にアルカリ剤を添加してpH8~pH10に調整することにより、溶液中のイオン濃度積を溶解度積よりも高くなる過飽和な状態とし、鉄イオンから生じた沈殿性の鉄化合物と析出したセレンとを共沈させる共沈工程と、
前記共沈工程後の固液を分離する第二の固液分離工程と、を備えるダストの洗浄処理方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記硫黄化合物が、硫化水素、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウムおよび四硫化ナトリウムからなる群から選択される1種以上である請求項1に記載のダストの洗浄処理方法。
【請求項3】
前記第二の沈殿工程において、前記第一鉄化合物として塩化第一鉄を添加する請求項1又は2に記載のダストの洗浄処理方法。
【請求項4】
前記第一の固液分離工程の後に、前記液体成分に含まれる鉛の含有量を測定する重金属含有量測定工程を備える請求項1又は2に記載のダストの洗浄処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも鉛及びセレンを含むダストの洗浄処理方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
セメント製造設備において、産業廃棄物をセメント原料として用いる量が多くなり、そのため、産業廃棄物に含まれる塩素がセメントキルン内で増加してセメントの品質や設備に悪影響を及ぼすため、セメント製造設備から塩素等を除去する塩素バイパス設備が用いられている。塩素バイパス設備では、セメントキルンから塩素を含む燃焼ガスの一部を抽気・冷却して塩素バイパスダストと呼ばれるダストを生成し、セメント製造設備外へ排出される。この塩素バイパスダストから塩素成分を除去してセメント原料として再利用することが行われている。この塩素バイパスダストには、塩素の他に、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウム等の多種類の金属が含まれることが多い。
【0003】
特許文献1には、塩素成分の他、多種類の金属を含むダストをセメント原料として再利用する際に、環境を汚染するおそれがなく再利用可能に処理するダストの洗浄処理方法が開示されている。このダストの洗浄処理方法は、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストと水とを混合してスラリーを得る混合工程と、前記スラリーを液体成分と固体成分とに分離する固液分離工程と、前記固液分離工程の後、硫黄が当量比になるように硫黄化合物を添加するために、前記液体成分に含まれる鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、タリウム及び硫黄の含有量を測定する工程と、前記液体成分における鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムに対して硫黄が当量比1.0を超え2.0未満になるように、前記液体成分に硫黄化合物を添加して沈殿物を形成した後に該沈殿物と上澄み水とを固液分離する第一沈殿工程と、前記第一沈殿工程で得られた上澄み水に、第一鉄イオン源を添加して沈殿物を形成した後に該沈殿物と上澄み水とを固液分離する第二沈殿工程とを備えている。
【0004】
このダストの洗浄処理方法によれば、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストと水とを混合してスラリーを得る混合工程と、前記スラリーを液体成分と固体成分とに分離する固液分離工程とを実施することで、ダストに含まれる鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを水に溶出させて、固体成分から、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを除去することができる。
【0005】
さらに、固液分離工程で分離した前記液体成分に含まれる鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムに対して、硫黄が当量比1.0を超え2.0未満になるように、前記液体成分に硫黄化合物を添加して、沈殿物と上澄み水とに分離する第一沈殿工程を実施することで、前記液体成分中の鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムを硫化物として沈殿させて回収することができる。
【0006】
また、前記第一沈殿工程で得られた上澄み水に、第一鉄イオン源を添加して、さらに、沈殿物と上澄み水とに分離する第二沈殿工程を実施することで、前記第一沈殿工程の上澄み水に含まれるセレンを還元して沈殿物として回収することができる。同時に、前記第一沈殿工程で添加した硫黄化合物中に含まれる硫黄が上澄み水中に残存している場合でも、これを硫化鉄として沈殿させて上澄み水から除去することができる。
【0007】
また、特許文献2には、塩素バイパスダストの水洗時に発生する排水を浄化処理する際に、設備コストや運転コストを低減しながら、効率よく重金属を除去することを目的として、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスに含まれるダストの水洗時に発生する排水のpHが10以上の状態で硫化剤を添加し、第一鉄化合物を添加した排水から析出物を分離する排水処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2013-237010号公報
特開2009-112986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1のダストの洗浄処理方法では、第一沈殿工程で各金属の沈殿反応が終わった後、沈殿物を含む混合物をフィルタープレス等の固液分離装置に導入して、液体成分としての上澄み水と、固体成分としての沈殿物とに分離する。第二沈殿工程では、前記第一沈殿工程で得られた上澄み水を、さらに別の反応沈殿槽に導入し、第一鉄イオン源を添加して、上澄み水に含まれているセレンと、残存する硫黄化合物とを沈殿させている。
【0010】
しかし、ダストの洗浄処理において、洗浄処理水からセレンを含む各種金属を除去し、環境に良い排水を得る上では、第一沈殿工程から第二沈殿工程に移行する際の固液分離工程は、その必要性に乏しく、かえって処理時間を要することとなり、また、固液分離装置の設備費も要することから、全体的に処理コストが高くなると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

南海化学株式会社
ダストの洗浄処理方法
1か月前
株式会社オメガ
熱分解装置
1か月前
株式会社オメガ
廃棄物処理方法
2日前
株式会社オメガ
廃棄物処理方法
6日前
株式会社オメガ
廃棄物又は排水処理方法
1日前
花王株式会社
土壌の洗浄方法
2か月前
株式会社下瀬微生物研究所
医療廃棄物処理設備
2か月前
三浦工業株式会社
吸水性物品処理システム
1か月前
学校法人福岡工業大学
軽石の処理方法
3か月前
清水建設株式会社
汚染土壌の原位置浄化方法
1か月前
日清食品ホールディングス株式会社
食品工場における残渣処理システム
1か月前
清水建設株式会社
加熱井戸の製造方法及び加熱井戸
1か月前
株式会社下瀬微生物研究所
有機性廃棄物の処理装置
1日前
株式会社トクヤマ
改質焼却灰の製造方法、及び改質焼却灰
7日前
日本シーム株式会社
容器処理装置
14日前
花王株式会社
使用済み吸収性物品用処理剤
1日前
国立大学法人北海道大学
リグニン由来の有用成分の製造方法
1か月前
三菱重工パワーインダストリー株式会社
廃棄物処理システム
2か月前
個人
ロックウール繊維の回収方法、農業用培地の製造方法
1か月前
生態環境部南京環境科学研究所
カドミウム汚染土壌を修復する装置および方法
2か月前
大和ハウス工業株式会社
バイオガス発電システム
1か月前
鹿島建設株式会社
石綿搬出方法及び石綿搬出設備
1か月前
南海化学株式会社
ダストの洗浄処理方法
1か月前
タキロンシーアイシビル株式会社
集排水管ユニットおよび設置方法
3か月前
テクニカ合同株式会社
吸着能増強剤、及び自然土ベースフィルター
2か月前
太平洋セメント株式会社
不溶化材
3か月前
有限会社エコルネサンス・エンテック
難分解性物質に対する原位置処理方法
1か月前
グランドエンタープライズジャパン株式会社
アルミドロスの無害化処理方法
2か月前
三菱マテリアル株式会社
推定装置、推定システム、推定方法、およびプログラム
1か月前
株式会社タクマ
焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法
1か月前
生態環境部南京環境科学研究所
ラムノリピッドとミミズを組み合わせてダイオキシン汚染土壌を修復する方法
2か月前
株式会社新栄重機
粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設及び流動化処理土原料の作製方法
3か月前
株式会社栗本鐵工所
ガラス繊維強化プラスチックのリサイクル方法
2か月前
広島県公立大学法人
被磁選物調製方法及び被磁選物調製装置並びに乾式分級装置
3か月前
極東開発工業株式会社
発酵装置、発酵装置の使用方法及びメタンガス製造方法
15日前
りんかい日産建設株式会社
有機系廃棄物処理方法及び装置、並びに有機物の生産方法
1か月前
続きを見る