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公開番号2024051049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2024026323,2019201555
出願日2024-02-26,2019-11-06
発明の名称焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法
出願人株式会社タクマ
代理人個人
主分類B09B 3/70 20220101AFI20240403BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】焼却灰の水分率を抑えることができるとともに、重金属類の難溶性化処理を効率良く行うことができる焼却灰処理装置を提供する。
【解決手段】焼却灰を搬送する灰搬送装置12と、灰搬送装置12によって搬送される焼却灰に対し水を添加する水噴射ノズル13と、水噴射ノズル13によって水が添加された焼却灰に対しCO2を含む焼却排ガスを添加する吹込管15とを備える焼却灰処理装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
焼却灰を搬送する焼却灰搬送手段と、
前記焼却灰搬送手段によって搬送される焼却灰に対し水を噴射して添加する水添加手段と、
前記水添加手段によって水が添加された焼却灰の水分率を測定する水分率測定手段と、
前記水添加手段によって水が添加された焼却灰に対しCO

を含む中和ガスを添加する中和手段と、
を備え、
前記水添加手段は、前記焼却灰搬送手段によって搬送されている焼却灰の搬送灰量をMとし、流量計によって測定される当該水添加手段の噴射水量をQとし、前記水分率測定手段によって測定される水分率をWとし、予め設定される焼却灰の目標水分率をW

とし、前記水分率Wが前記目標水分率W

となるのに必要な水の目標噴射水量をQ

とした場合、以下の式(1)及び(2):
M = (100 - W) × Q / W ・・・(1)


= W

× M /(100 - W

) ・・・(2)
によって求められる前記目標噴射水量Q

となるように水を噴射して添加する焼却灰処理装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記中和手段は、前記中和ガスを吹き込む吹込管である請求項1に記載の焼却灰処理装置。
【請求項3】
前記中和ガスが添加される焼却灰を収容可能なケーシングを備える請求項1又は2に記載の焼却灰処理装置。
【請求項4】
未反応の前記中和ガスを前記中和手段に還流する還流手段を備える請求項1~3の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
【請求項5】
前記中和ガス中のCO

濃度に基づいて前記還流手段による還流量を制御する還流量制御手段を備える請求項4に記載の焼却灰処理装置。
【請求項6】
前記焼却灰搬送手段によって搬送される焼却灰に対し、重金属類の溶出を防ぐための重金属類溶出防止薬剤を直接添加することにより、又は前記重金属類溶出防止薬剤を前記水添加手段によって添加される水に混合することにより、焼却灰に前記重金属類溶出防止薬剤が付着するように構成される請求項1~5の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
【請求項7】
前記焼却灰搬送手段によって搬送される焼却灰に含まれる重金属類の含有量を測定する重金属類含有量測定手段と、
前記焼却灰搬送手段によって搬送される焼却灰に対し、重金属類の溶出を防ぐための重金属類溶出防止薬剤を添加する薬剤添加手段と、
前記薬剤添加手段によって添加される前記重金属類溶出防止薬剤の添加量を制御する薬剤添加量制御手段とを備え、
前記薬剤添加量制御手段は、焼却灰に含まれる重金属類の含有量と、焼却灰に対して前記水添加手段により水を添加し、且つ前記中和手段により中和ガスを添加した場合の重金属類の溶出量との関係データに基づいて、前記重金属類含有量測定手段により測定される重金属類の含有量から重金属類の溶出量を演算し、算出した重金属類の溶出量が溶出基準値を超える場合、重金属類の溶出量を溶出基準値以下にするのに必要な前記重金属類溶出防止薬剤の添加量を演算し、算出した添加量となるように、前記薬剤添加手段によって添加される前記重金属類溶出防止薬剤の添加量を制御する請求項1~5の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
【請求項8】
焼却灰を搬送する焼却灰搬送工程と、
前記焼却灰搬送工程によって搬送される焼却灰に対し水を噴射して添加する水添加工程と、
前記水添加工程によって水が添加された焼却灰の水分率を測定する水分率測定工程と、
前記水添加工程によって水が添加された焼却灰に対しCO

を含む中和ガスを添加する中和工程と、
を包含し、
前記水添加工程は、前記焼却灰搬送工程において搬送されている焼却灰の搬送灰量をMとし、流量計によって測定される当該水添加工程での噴射水量をQとし、前記水分率測定工程において測定される水分率をWとし、予め設定される焼却灰の目標水分率をW

とし、前記水分率Wが前記目標水分率W

となるのに必要な水の目標噴射水量をQ

とした場合、以下の式(1)及び(2):
M = (100 - W) × Q / W ・・・(1)


= W

× M /(100 - W

) ・・・(2)
によって求められる前記目標噴射水量Q

となるように水を噴射して添加する焼却灰処理方法。
【請求項9】
前記焼却灰搬送工程によって搬送される焼却灰に含まれる重金属類の含有量を測定する重金属類含有量測定工程と、
焼却灰に含まれる重金属類の含有量と、焼却灰に対して前記水添加工程により水を添加し、且つ前記中和工程により中和ガスを添加した場合の重金属類の溶出量との関係データに基づいて、前記重金属類含有量測定工程により測定される重金属類の含有量から重金属類の溶出量を演算する重金属類溶出量演算工程と、
前記重金属類溶出量演算工程において算出した重金属類の溶出量が溶出基準値を超える場合、重金属類の溶出量を溶出基準値以下にするのに必要な重金属類溶出防止薬剤の添加量を演算する薬剤添加量演算工程と、
前記薬剤添加量演算工程おいて算出した添加量となるように、前記焼却灰搬送工程によって搬送される焼却灰に対する重金属類溶出防止薬剤の添加量を制御する薬剤添加量制御工程と、
をさらに包含する請求項8に記載の焼却灰処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、重金属類の溶出を抑えるように焼却灰を処理する焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば都市ごみや産業廃棄物等は、減容化や無害化、再資源化を目的として、焼却炉で焼却処理されている。焼却処理に伴い生じる焼却灰は、消火・冷却された後に、場外搬出されて、埋立処分又は再資源化により処理される。
【0003】
焼却灰には、有害物質、特に重金属類が含まれている。従って、焼却灰からの重金属類の溶出量が基準値を超える場合は、そのまま埋立処分したり、資源として利用したりすることができない。このような状況に対処するためには、例えば埋立処分等する前に重金属類を安定化させて、溶出量が基準値以下となるような難溶性化処理を行わなければならない。
【0004】
従来、重金属類の難溶性化処理として、例えば特許文献1にて開示されているような方法がある。この方法では、焼却炉から排出された焼却灰を処理ヤードで積層して貯留し、焼却灰に対し水を噴霧するとともに、ガス吹込みノズルにより焼却灰層内に空気や焼却排ガス等のCO

含有ガスを吹き込むようにしている。これにより、焼却灰中に含まれる重金属類にCO

を反応させて炭酸塩化し、重金属類を難溶性化するとともに、焼却灰のpHを難溶性領域とすることで、焼却灰からの重金属類の溶出を抑制することができる。
【0005】
上記の特許文献1に係る方法では、処理ヤードに積層されている比較的密な湿潤焼却灰に対してCO

含有ガスが通気される。このため、焼却灰に対してCO

含有ガスを十分に接触させることができず、重金属類の難溶性化処理の効率が悪いという問題がある。また、上記の特許文献1に係る方法では、焼却灰を貯留するための処理ヤードを設ける必要があり、施設の規模が大きくなるという問題がある。さらに、上記の特許文献1に係る方法では、処理ヤード内に散水することにより発生する過剰量の浸出水を処理するための排水処理設備が別途必要になり、設備費用が嵩むという問題がある。
【0006】
上記のような問題を解決し得るものとして、例えば特許文献2にて開示されている焼却灰無害化処理装置がある。この焼却灰無害化処理装置は、焼却炉から排出される焼却灰と水とを貯留する貯留水槽を備え、焼却炉からのCO

を含む排ガスを貯留水槽内に吹き込むように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-74100号公報
特開2015-196128号公報
【0008】
上記の特許文献2に係る焼却灰無害化処理装置において、焼却炉からのCO

を含む排ガスが貯留水槽内に吹き込まれると、貯留水槽中に浸漬されている焼却灰は、貯留水中の気泡状のCO

及びCO

溶解水と反応し、焼却灰に含まれる例えば鉛の炭酸化反応が行われる。この炭酸化反応は、焼却灰が貯留水中に浸漬状態で行われ、貯留水と十分な面積をもって接触することから、鉛等の重金属類の難溶性化処理を効率良く行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の特許文献2に係る焼却灰無害化処理装置では、焼却灰を完全に水没させた後に水面より露出させることで水切りするため、焼却灰の水分率は水切り時間等に影響されて成り行きとなり、所定の範囲に水分率を抑えることは困難である。焼却灰の処理費用は、重量あたりで清算されるため、焼却灰の水分率が高いと、処理費用が高額となる。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、焼却灰の水分率を抑えることができるとともに、重金属類の難溶性化処理を効率良く行うことができる焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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