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公開番号2024047987
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022153791
出願日2022-09-27
発明の名称リグニン由来の有用成分の製造方法
出願人国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人,個人
主分類B09B 3/80 20220101AFI20240401BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】
リグニンを含む植物系バイオマスを含有する原料から、効率よく有効成分を製造する方法を提供すること。
【解決手段】
(1)水と、脂肪族アルコール、ケトン及び環状エーテルからなる群より選ばれる有機溶媒との混合溶媒中で、植物系バイオマスを含有する原料を下記条件の下で処理して可溶化リグニンを得る可溶化工程と、
条件A:該原料の該溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上20質量%以下である
条件B:抽出温度が100℃以上350℃以下である
条件C:抽出時間が0.1時間以上10時間以下である
(2)可溶化リグニンが含まれる有機相を分液する第1分液工程と、
(3)該有機相にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物水溶液を加え可溶化リグニンを水溶化する水溶化工程と、
(4)水溶化された可溶化リグニンを含む水相を分液する第2分液工程と、
を備えるリグニン由来の有用成分の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(1)水と、脂肪族アルコール、ケトン及び環状エーテルからなる群より選ばれる有機溶媒との混合溶媒中で、植物系バイオマスを含有する原料を下記条件の下で処理して可溶化リグニンを得る可溶化工程と、
条件A:該原料の該溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上20質量%以下である
条件B:抽出温度が100℃以上350℃以下である
条件C:抽出時間が0.1時間以上10時間以下である
(2)可溶化リグニンが含まれる有機相を分液する第1分液工程と、
(3)該有機相にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物水溶液を加え可溶化リグニンを水溶化する水溶化工程と、
(4)水溶化された可溶化リグニンを含む水相を分液する第2分液工程と、
を備えるリグニン由来の有用成分の製造方法。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記有機溶媒は、0℃以上50℃以下において水と二相分離する炭素数4~10の脂肪族アルコールである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
(5)第2分液工程で得られた水溶化された可溶化リグニンを、触媒の存在下で、酸化分解する酸化分解工程を更に備える、請求項1又は2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リグニン由来の有用成分の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
リグニンは、植物細胞壁の主要構成成分の1つで、芳香環を構成ユニットとする天然ポリマーである。そのため、リグニンを構成モノマーに分解することで、フェノール類等の有用成分が得られる。得られたフェノール誘導体等は、例えば機能性の高い芳香族ポリマーのモノマー中間体として利用することができる。
【0003】
リグニン由来の有用成分の製造方法の1つとして、有機溶媒を用いたオルガノソルブ処理が検討されている。例えば、本発明者等は、水と1-ブタノール溶媒等の脂肪族アルコールとの混合溶媒による2相系のオルガノソルブ処理を開発してきた(例えば特許文献1参照)。本法では、処理温度において、水相と脂肪族アルコール相に分離するため、可溶化リグニン(リグニン分解物)を脂肪族アルコール相に選択的に回収できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6344724号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、脂肪族アルコール相中に溶解した可溶化リグニンを、減圧下エバポレータ等を用いて有機溶媒を除去することによって濃縮物として回収している(以下、「濃縮法」ともいう)。この点、本発明者等が更なる検討を行った結果、有機溶媒除去の際に可溶化リグニン中の単環芳香族化合物が一緒に揮発してしまうとともに、更に濃縮することで可溶化リグニンが凝集・高分子量化反応が進行し、後工程の反応において目的とするリグニン由来のフェノール類等の有用成分の収率が低下することが明らかとなった。
【0006】
そこで本発明は、リグニンを含む植物系バイオマスを含有する原料から、効率よく有効成分を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明者等は鋭意検討した結果、以下の[1]~[3]の発明を完成するに至った。
[1]
(1)水と、脂肪族アルコール、ケトン及び環状エーテルからなる群より選ばれる有機溶媒との混合溶媒中で、植物系バイオマスを含有する原料を下記条件の下で処理して可溶化リグニンを得る可溶化工程と、
条件A:該原料の該溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上20質量%以下である
条件B:抽出温度が100℃以上350℃以下である
条件C:抽出時間が0.1時間以上10時間以下である
(2)可溶化リグニンが含まれる有機相を分液する第1分液工程と、
(3)該有機相にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物水溶液を加え可溶化リグニンを水溶化する水溶化工程と、
(4)水溶化された可溶化リグニンを含む水相を分液する第2分液工程と、
を備えるリグニン由来の有用成分の製造方法。
[2]
有機溶媒は、0℃以上50℃以下において水と二相分離する炭素数4~10の脂肪族アルコールである、[1]に記載の製造方法。
[3]
(5)第2分液工程で得られた水溶化された可溶化リグニンを、触媒の存在下で、酸化分解する酸化分解工程を更に備える、[1]又は[2]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リグニンを含む植物系バイオマスを含有する原料から、効率よく有効成分を製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態のリグニン由来の有用成分の製造方法は、
(1)水と、脂肪族アルコール、ケトン及び環状エーテルからなる群より選ばれる有機溶媒との混合溶媒中で、植物系バイオマスを含有する原料を下記条件の下で処理して可溶化リグニンを得る可溶化工程と、
条件A:該原料の該溶媒に対する仕込み濃度が1質量%以上20質量%以下である
条件B:抽出温度が100℃以上350℃以下である
条件C:抽出時間が0.1時間以上10時間以下である
(2)可溶化リグニンが含まれる有機相を分液する第1分液工程と、
(3)該有機相にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物水溶液を加え可溶化リグニンを水溶化する水溶化工程と、
(4)水溶化された可溶化リグニンを含む水相を分液する第2分液工程と、
を備える。
かかる製造方法によれば、効率よくリグニン由来の有用成分を製造することができる。
以下、各工程について詳述する。
(【0011】以降は省略されています)

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