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公開番号2024048921
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155089
出願日2022-09-28
発明の名称ロックウール繊維の回収方法、農業用培地の製造方法
出願人個人
代理人スプリング弁理士法人
主分類B09B 3/40 20220101AFI20240402BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】 建築用パネルの製造により生ずるロックウールボードの端材等から、容易にロックウール繊維を回収できる、ロックウール繊維の回収方法の提供。
【解決手段】 ロックウール繊維と、樹脂バインダとを含み、全質量に対する上記樹脂バインダの含有量が1.5質量%以上である、ロックウールボードを好気的条件下で加熱して、上記樹脂バインダの自己燃焼性を利用して上記樹脂バインダを燃焼させて除去し、上記ロックウール繊維を得ることを含む、ロックウール繊維の回収方法。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
ロックウール繊維と、樹脂バインダとを含み、全質量に対する前記樹脂バインダの含有量が1.5質量%以上である、ロックウールボードを好気的条件下で加熱して、前記樹脂バインダの自己燃焼性を利用して前記樹脂バインダを燃焼させて除去し、前記ロックウール繊維を得ることを含む、ロックウール繊維の回収方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記加熱の前に、前記ロックウールボードを粉砕して粒状物を得ることを含み、前記ロックウール繊維を得ることが、
壁面にヒータを有し、上部に配置された導入口と、下部に配置された排出口とを有する断熱容器の前記導入口から、前記粒状物を前記断熱容器に収容することと、
板状の網状体を含み、一方端が鉛直下方に傾斜した炉床の上面に前記粒状物を載置することと、
載置された前記粒状物を前記ヒータにより加熱することと、
少なくとも前記上面に対して間欠的に好気ガスを吹き付けることと、
加熱後の前記粒状物を、前記排出口から回収することと、を含む、請求項1に記載のロックウール繊維の回収方法。
【請求項3】
前記加熱の温度Y(℃)、及び、前記加熱の時間X(分)が以下の関係:
(1)Y≧-7.1X+572
(2)500≦Y≦650
(3)Y<-10X+700
を満たす、請求項1又は2に記載のロックウール繊維の回収方法。
【請求項4】
ロックウール繊維と、樹脂バインダとを含み、全質量に対する前記樹脂バインダの含有量が、1.5%質量以上であるロックウールボードを好気的条件下で加熱して、前記樹脂バインダを分解除去して、前記ロックウール繊維のみからなる農業用培地を得る、農業用培地の製造方法。
【請求項5】
前記加熱の温度Y(℃)、及び、前記加熱の時間X(分)が以下の関係:
(1)Y≧-7.1X+572
(2)500≦Y≦650
(3)Y<-10X+700
を満たす、請求項4に記載の農業用培地の製造方法。
【請求項6】
壁面にヒータを有し、上部に配置された導入口と、下部に配置された排出口とを有する断熱容器と、
一方端が鉛直下方に傾斜する板状の網状体を含んで構成され、前記導入口から収容される対象物が載置される、炉床と、
前記炉床の少なくとも上面に対して、間欠的に好気ガスを吹き付けるガスパージ機構と、を有する、加熱処理炉。
【請求項7】
複数の前記炉床が前記断熱容器内に階段状に配置される、請求項6に記載の加熱処理炉。
【請求項8】
前記ガスパージ機構が、前記炉床の下面に対して、間欠的に前記好気ガスを吹き付ける、請求項6又は7に記載の加熱処理炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロックウール繊維の回収方法、農業用培地の製造方法、及び、加熱処理炉に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ロックウール繊維の積層体に樹脂バインダを含浸させボード状に成形し、その表面に鋼板を接着させた耐火建築用パネルが知られている。このような耐火建築用パネルとして、特許文献1には、「芯材の両面に金属板を配置し、周辺部に枠材を固定した建築用パネルにおいて、芯材として耐火性のあるロックウールボードを2枚重ねて使用し、その重ねた2枚の芯材の周辺部を表面のものと裏面のものとで上下左右それぞれに互いにずらすようにして配置し、枠材として窯業系押出し材からなる枠材を使用し、表裏の金属板をパネルの表面部と裏面部だけでなく枠材の側面の一部をも覆うように取り付けたことを特徴とする建築用パネル。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平9-217449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建築用パネルは、適用箇所に応じて所定のサイズに切断して仕上げられることが多く、切断により生ずる端材の処理が課題となっている。
一般に、ロックウールボードは、ロックウール繊維積層体に熱硬化性樹脂等の樹脂バインダを含浸させて製造されることが多い。そのため、端材はロックウール繊維その物ではなく(樹脂が含まれる)、そのままでは建築用パネルの原材料として再利用することは難しいとされる。建築用パネルに使用されるロックウールの10~15%程度が廃棄処理されると推測されている。
【0005】
そこで、本発明は、建築用パネルの製造により生ずるロックウールボードの端材等から、容易にロックウール繊維を回収できる、ロックウール繊維の回収方法の提供を課題とする。また、本発明は、農業用培地の製造方法、及び、加熱処理炉の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
【0007】
[1] ロックウール繊維と、樹脂バインダとを含み、全質量に対する上記樹脂バインダの含有量が1.5質量%以上である、ロックウールボードを好気的条件下で加熱して、上記樹脂バインダの自己燃焼性を利用して上記樹脂バインダを燃焼させて除去し、上記ロックウール繊維を得ることを含む、ロックウール繊維の回収方法。
[2] 上記加熱の前に、上記ロックウールボードを粉砕して粒状物を得ることを含み、上記ロックウール繊維を得ることが、壁面にヒータを有し、上部に配置された導入口と、下部に配置された排出口とを有する断熱容器の上記導入口から、上記粒状物を上記断熱容器に収容することと、板状の網状体を含み、一方端が鉛直下方に傾斜した炉床の上面に上記粒状物を載置することと、載置された上記粒状物を上記ヒータにより加熱することと、少なくとも上記上面に対して間欠的に好気ガスを吹き付けることと、加熱後の上記粒状物を、上記排出口から回収することと、を含む、[1]に記載のロックウール繊維の回収方法。
[3] 上記加熱の温度Y(℃)、及び、上記加熱の時間X(分)が以下の関係:
(1)Y≧-7.1X+572
(2)500≦Y≦650
(3)Y<-10X+700
を満たす、[1]又は[2]に記載のロックウール繊維の回収方法。
[4] ロックウール繊維と、樹脂バインダとを含み、全質量に対する上記樹脂バインダの含有量が、1.5%質量以上であるロックウールボードを好気的条件下で加熱して、上記樹脂バインダを分解除去して、上記ロックウール繊維のみからなる農業用培地を得る、農業用培地の製造方法。
[5] 上記加熱の温度Y(℃)、及び、上記加熱の時間X(分)が以下の関係:
(1)Y≧-7.1X+572
(2)500≦Y≦650
(3)Y<-10X+700
を満たす、[4]に記載の農業用培地の製造方法。
[6] 壁面にヒータを有し、上部に配置された導入口と、下部に配置された排出口とを有する断熱容器と、一方端が鉛直下方に傾斜する板状の網状体を含んで構成され、上記導入口から収容される対象物が載置される、炉床と、上記炉床の少なくとも上面に対して、間欠的に好気ガスを吹き付けるガスパージ機構と、を有する、加熱処理炉。
[7] 複数の上記炉床が上記断熱容器内に階段状に配置される、[6]に記載の加熱処理炉。
[8] 上記ガスパージ機構が、上記炉床の下面に対して、間欠的に上記好気ガスを吹き付ける、[6]又は[7]に記載の加熱処理炉。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建築用パネルの製造により生ずるロックウールボードの端材等から、容易にロックウール繊維を回収できる、ロックウール繊維の回収方法が提供できる。また、本発明によれば、農業用培地の製造方法、及び、加熱処理炉も提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のロックウール繊維の回収方法における温度、及び、時間の好適範囲を表し、横軸が加熱時間(分)、縦軸が温度(℃)を表す図である。
本発明の加熱処理炉の実施形態の模式図である。
本発明のロックウール繊維の回収方法(第2実施形態)のフロー図である。
ロックウール繊維回収試験に使用された各種サンプルの画像である。
ロックウール繊維回収試験の結果である。
ロックウール繊維回収試験に用いた加熱処理炉の模式図である。
実験に使用した粉砕機の画像である。
回収されたロックウール繊維等の走査型電子顕微鏡像である。
回収されたロックウール繊維等の成分分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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