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公開番号2024037017
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-18
出願番号2022141629
出願日2022-09-06
発明の名称既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E02B 7/00 20060101AFI20240311BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】ゲートの寸法に左右されることなく仮締切体の内部にゲートを搬入でき、仮締切体の揚重不能の恐れがなく、仮締切体の内部におけるゲート設置の際の作業性が良好である、既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法を提供する。
【解決手段】資機材の投入口61aと開口部65を備えた殻体により形成される仮締切体60をダム堤体10の上流側に吊り下ろし、開口部65を上流側側面12に対向させた姿勢として開口縁64を上流側側面12に密着させる仮締切体設置工程、ゲート71を投入口61aを介して仮締切体60の内部に収容する収容工程、仮締切体60の内部の水を排水する排水工程、上流側側面12の手前まで貫通孔20の第1区間孔25を施工する第1区間孔施工工程、第2区間孔26を施工して貫通孔20を施工する第2区間孔施工工程、上流側開口22にゲート71を設置するゲート設置工程、仮締切体60を撤去する撤去工程とを有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法であって、
資機材の投入口と開口部を備えた殻体により形成される、仮締切体を前記ダム堤体の上流側に吊り下ろし、前記開口部を前記ダム堤体の上流側側面に対向させた姿勢として該仮締切体の開口縁を該上流側側面に密着させる、仮締切体設置工程と、
前記貫通孔の上流側開口を開閉するゲートを、前記投入口を介して、前記仮締切体の内部に収容する、収容工程と、
前記投入口を閉塞し、前記仮締切体の内部の水を排水する、排水工程と、
前記ダム堤体の下流側から上流側に向かって、前記上流側側面の手前まで前記貫通孔の第1区間孔を施工する、第1区間孔施工工程と、
前記第1区間孔と前記上流側側面の間の第2区間孔を施工して、前記上流側側面に前記上流側開口を形成し、該第1区間孔と該第2区間孔とにより形成される前記貫通孔を施工する、第2区間孔施工工程と、
前記上流側開口に前記ゲートを設置する、ゲート設置工程と、
前記仮締切体を前記上流側側面から取り外して撤去する、撤去工程とを有することを特徴とする、既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記排水工程に先行して、前記仮締切体に対して上流側の水面上まで延設するシャフトを設置する、シャフト設置工程をさらに有し、
前記排水工程では、前記シャフトを介して前記仮締切体の内部の水を排水することを特徴とする、請求項1に記載の既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法。
【請求項3】
前記仮締切体設置工程に先行して、前記上流側側面における前記仮締切体の設置予定位置の下方に、該仮締切体を載置する仮締切体用架台を設置する、架台設置工程をさらに有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法。
【請求項4】
前記収容工程では、前記ゲートを載置するゲート用架台をさらに投入し、
前記ゲート設置工程では、前記ゲート用架台に載置されている前記ゲートを前記上流側開口に対応する位置に位置合わせすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法。
【請求項5】
前記仮締切体が複数の分割仮締切体の積層体であり、
前記仮締切体設置工程では、予め積層体として形成されている前記仮締切体を吊り下ろす方法、もしくは、前記分割仮締切体を順次吊り下ろし、水中にて上下に隣接する該分割仮締切体同士を接続して前記積層体を形成する方法のいずれか一種を適用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法。
【請求項6】
前記第1区間孔施工工程と前記第2区間孔施工工程を連続的に実施する、もしくは、前記第1区間孔施工工程と前記第2区間孔施工工程の間で他の工程を実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載の既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
ダムは、河川を横断して流水を貯留するために設置される構造物であり、洪水調節や水資源の確保(水道用水、工業用水、農業用水等)、発電、河川環境の保全(流水の正常な機能維持)等の役割を有している。河川法上は高さ15m以上の構造物がダムであるが、15m未満の砂防ダム等の堰堤も、ダムに含まれる。
ところで、昨今の地球環境変動に起因する集中豪雨により、全国各地で洪水対策が喫緊の課題となっているが、ダムを設置可能な候補地が減少していること、ダムの建設には多大な施工コストを要すること等から、ダムの新設施工は極めて困難な状況にある。このような状況を踏まえて、既存のダムに対して、洪水対策措置を講じる技術開発(所謂、既存のダムの再開発)が検討され、実施されている。この洪水対策措置としては、ダム堤体の放流能力を高めるべく、ダム堤体に対してその上流側側面と下流側側面に亘る貫通孔を施工する措置が挙げられる。
このような既存のダムの再開発施工は、当該既存のダムを供用しながら実施することから、ダム堤体の上流側に仮締め切りを設置し、貫通孔が上流側側面に臨む施工エリアをドライな環境にする必要がある。そのため、施工エリアの周囲に鋼管矢板等で仮締め切りを施工した後、仮締め切り内の貯留水を排水し、貫通孔が上流側側面に臨む開口にゲートを設置する施工を順次行う。しかしながら、このような仮締め切り施工においては、仮設構造が大掛かりになり、工期が長くなり、工費が増大するといった課題がある。
【0003】
以上の課題を解消するべく、特許文献1には、既設コンクリートダムの出水口新設工事の施工法が提案されており、特許文献2には、既存のダム堤体に貫通孔を構築する方法が提案されている。特許文献1に記載される既設コンクリートダムの出水口新設工事の施工法は、出水口を新設する堰堤上流側の所要位置を清掃し、一側に止水パツキングを備えた開口部が形成され上部に締め切りフランジが設けられた殻体を吊り下し、開口部の位置に1次圧接し、内部の水を排水して2次圧接した後に殻体の位置を保持し、締め切りフランジ部に水面上に至るシャフトを連結し、内部の水を排水した後に締め切りフランジを撤去する。次に、出水口を掘削して出水ゲートを取付け、締め切りフランジをセツトし、シャフト内に注水してシャフトを撤収し、殻体内に注水して殻体を撤収した後にゲート開閉装置を取付ける施工法である。
【0004】
一方、特許文献2に記載の既存のダム堤体に貫通孔を構築する方法は、貫通坑の上流側の坑口を開閉するためのゲートを内部に収容し、開口部を有する殻体からなる仮締切をその開口部がダム堤体に密着するように設置する仮締切設置工程と、仮締切内の水を排出する排水工程と、ダム堤体の下流側から仮締切内に向かってダム堤体を貫通する貫通坑を構築する貫通坑構築工程と、仮締切内で貫通坑の上流側の坑口にゲートを取り付けるゲート設置工程と、仮締切をダム堤体から取り外す撤去工程と有する構築方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭64-58709号公報
特開2010-216125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載の施工法や構築方法によれば、ダム堤体の上流側における施工ヤードの周囲に鋼管矢板等の大規模な仮締め切りを施工する施工方法が内包する、工期の長期化と工費の増大といった課題を抑制もしくは解消することができる。しかしながら、特許文献1に記載の施工法では、殻体の上部に設けられているシャフトを介して出水ゲートが殻体の内部に搬入されることから、出水ゲートの規模がシャフトの大きさによって制限を受けることになり、逆に言えば、出水ゲートが通過可能な内空規模のシャフトを殻体の上部に設置する必要があることから、殻体に対するシャフトの設置が困難になり得るとともに、ダム堤体における坑口位置から水面上までの長さが長くなり、シャフトの長さが長くなるに従い、この設置困難性は一層顕著になる。
【0007】
一方、特許文献2に記載の構築方法では、殻体からなる仮締切の内部にゲートが設置された状態でその全体がゲート設置位置まで吊り下ろされることから、吊り下ろし重量が大きくなり、揚重クレーン規模(規格)を増大させる必要が生じたり、場合によっては揚重不能になる恐れがあり、ゲートの設置深度が大水深位置である場合やゲート寸法と重量が大きい場合はこの課題が一層顕著になる。
さらに、仮締切の内部に予めゲートが設置されていることから、仮締切の内部において坑口にゲートを取り付けるゲート設置工程では、作業スペースがゲートによって制約を受け、作業性が不良になるといった課題もある。作業性を高めるべく、仮締切の規模を大きくすると、仮締切の重量がさらに大きくなることから、上記する揚重不能の可能性を高める結果となる。
【0008】
本発明は、既存のダム堤体の上流側側面に対して殻体からなる仮締切体を適用してゲートを設置する方法に関し、ゲートの寸法に左右されることなく仮締切体の内部にゲートを搬入でき、仮締切体の揚重不能の恐れがなく、仮締切体の内部におけるゲート設置の際の作業性が良好である、既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明による既存のダム堤体に貫通孔を施工する方法の一態様は、
資機材の投入口と開口部を備えた殻体により形成される、仮締切体を前記ダム堤体の上流側に吊り下ろし、前記開口部を前記ダム堤体の上流側側面に対向させた姿勢として該仮締切体の開口縁を該上流側側面に密着させる、仮締切体設置工程と、
前記貫通孔の上流側開口を開閉するゲートを、前記投入口を介して、前記仮締切体の内部に収容する、収容工程と、
前記投入口を閉塞し、前記仮締切体の内部の水を排水する、排水工程と、
前記ダム堤体の下流側から上流側に向かって、前記上流側側面の手前まで前記貫通孔の第1区間孔を施工する、第1区間孔施工工程と、
前記第1区間孔と前記上流側側面の間の第2区間孔を施工して、前記上流側側面に前記上流側開口を形成し、該第1区間孔と該第2区間孔とにより形成される前記貫通孔を施工する、第2区間孔施工工程と、
前記上流側開口に前記ゲートを設置する、ゲート設置工程と、
前記仮締切体を前記上流側側面から取り外して撤去する、撤去工程とを有することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、資機材の投入口を天端面に備えている殻体により形成される仮締切体を適用し、仮締切体の吊り下ろしと、貫通孔の上流側開口を開閉するゲートを含む資機材の吊り下ろしを別で行うことにより、吊り荷重量が嵩んで仮締切体を揚重できないといった課題を解消することができる。
また、シャフトではなく、仮締切体の天端面に設けられている投入口を介してゲートを含む資機材を仮締切体の内部に搬入することから、ゲートの寸法がシャフトの内空に制約を受けるといった課題を解消することができ、様々な寸法のゲートを仮締切体の内部に収容することが可能になる。
さらに、仮締切体の吊り下ろしの際に予めゲートが仮締切体の内部に設置されていないことから、吊り下ろされた仮締切体の内部における作業スペースがゲートによって狭められておらず、仮締切体の内部における良好な作業性を保証することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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