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公開番号2024048071
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022153918
出願日2022-09-27
発明の名称コンクリート吹付け機とコンクリート吹付け方法
出願人大成建設株式会社,マック株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 11/10 20060101AFI20240401BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】切羽に吹付けられたコンクリートの吹付け厚さを面的に管理しながら吹付け施工を行うことのできる、コンクリート吹付け機とコンクリート吹付け方法を提供する。
【解決手段】トンネルTの少なくとも切羽Kに対してコンクリートを吹付けるコンクリート吹付け機100であり、自走式の吹付け台車10と、ノズルブーム20及びノズル40を備えているノズル機構50と、切羽Kにおける測定点の吹付け台車10に対する相対座標を特定する制御装置80とを有し、吹付け台車10の前方には3Dスキャナ90Aとカメラ95が装備され、キャビン13にはモニタ15が装備されており、モニタ15には、カメラ95にて撮像された切羽画像と、各測定点の周りの面領域の輪郭線とが重ねて表示され、測定点までのコンクリートの吹付け前後の距離データに基づいて、制御装置80にて算出されたコンクリートの吹付け厚さが面領域の吹付け厚さとして表示される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トンネルの少なくとも切羽に対してコンクリートを吹付ける、コンクリート吹付け機であって、
自走式の吹付け台車と、
前記吹付け台車に対して旋回自在に取り付けられ、自身の軸方向に伸縮自在である、ノズルブームと、該ノズルブームの先端に取り付けられていてコンクリートを吐出する、ノズルと、を備えている、ノズル機構と、
少なくとも、前記切羽における測定点の前記吹付け台車に対する相対座標を特定する、制御装置とを有し、
前記吹付け台車の前方には、3Dスキャナとカメラが装備され、
前記吹付け台車のキャビンにはモニタが装備されており、
前記モニタには、前記カメラにて撮像された前記切羽の切羽画像と、それぞれの前記測定点の周りの面領域の輪郭線とが重ねて表示され、
前記3Dスキャナにて取得された前記測定点までのコンクリートの吹付け前後の距離データに基づいて、前記制御装置にて算出されたコンクリートの吹付け厚さが、前記面領域の吹付け厚さとして表示されることを特徴とする、コンクリート吹付け機。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記吹付け厚さには、厚さに応じて複数種の表示色が設定され、
複数の前記面領域が複数のメッシュにより形成されており、
前記モニタには、複数の前記メッシュの内部、もしくは、該メッシュの輪郭線、もしくは、該メッシュにおける前記吹付け厚さを示す数値が、吹付け厚さに応じた前記表示色にて表示されることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート吹付け機。
【請求項3】
前記メッシュの内部が前記表示色にて表示されている場合に、該メッシュの内部が着色された半透明にて表示され、該メッシュの内部に対応する切羽画像が視認できるようになっていることを特徴とする、請求項2に記載のコンクリート吹付け機。
【請求項4】
オペレータが、前記切羽画像における前記ノズルの位置と、吹付け対象の前記メッシュの双方を前記モニタにより確認自在であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のコンクリート吹付け機。
【請求項5】
前記制御装置は、前記距離データに基づいて、前記切羽画像の倍率調整を実行することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンクリート吹付け機。
【請求項6】
トンネルの少なくとも切羽に対してコンクリートを吹付ける、コンクリート吹付け方法であって、
自走式の吹付け台車と、該吹付け台車に対して旋回自在に取り付けられ、自身の軸方向に伸縮自在であるノズルブームと、該ノズルブームの先端に取り付けられていてコンクリートを吐出するノズルとを備えている、ノズル機構と、少なくとも、前記切羽における測定点の前記吹付け台車に対する相対座標を特定する、制御装置とを有し、前記吹付け台車の前方には3Dスキャナとカメラが装備され、前記吹付け台車のキャビンにはモニタが装備されている、コンクリート吹付け機を使用して、前記切羽にコンクリートを吹付け、この吹付けの前後に、前記3Dスキャナにて前記切羽までのコンクリートの吹付け前後の距離データを取得し、前記制御装置にてコンクリートの吹付け厚さを算出し、前記モニタには、前記カメラにて撮像された前記切羽の切羽画像と、それぞれの前記測定点の周りの面領域の輪郭線と、算出されたそれぞれの前記測定点の吹付け厚さとを重ねて表示し、吹付け厚さの不足している該面領域に対して追加の吹付けを行うことを特徴とする、コンクリート吹付け方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート吹付け機とコンクリート吹付け方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネルの施工においては、所定延長の掘削とずり出しを行った後、造成されたトンネルの周面と切羽に対してコンクリートの一次吹付け(一次吹き)を行い、支保工の建て込みを行い、二次吹付け(二次吹き)を行った後、必要に応じてロックボルトを打設する一連の施工サイクルが実施される。
一次吹付けと二次吹付けにおいては、コンクリートを吐出するノズルを先端に備えたノズルブームや、支保工を把持してトンネルの周面に設置するエレクタ等が自走式の吹付け台車に装備されている、コンクリート吹付け機が一般に適用される。
上記するノズルブームには、ロータリーエンコーダや角度センサ、ストロークセンサ等の各種センサが装備されており、吹付け台車にはターゲットが装備されている。コンクリート吹付け機よりもトンネルの坑口側にある測量基準点を測量可能な位置には、トータルステーション等の測量手段が設置されており、測量手段により吹付け台車の三次元座標が特定されるようになっている。そして、ノズルブームの備えるロータリーエンコーダにてノズルブームの水平角度が特定され、角度センサにてノズルブームの傾斜角度が特定され、ストロークセンサにてノズルブームの例えば先端位置(ノズル位置)までの長さが特定されるようになっており、従って、これら吹付け台車の三次元座標と、ノズルブームの水平角度や傾斜角度、及びその先端までの長さによる特定情報により、ノズルブームの先端の三次元座標が特定され、当該先端に取り付けられているノズルの三次元座標が特定される。ノズルブームの先端やノズルには、コンクリートの吹付け面であるトンネルの切羽や周面までの距離を測定する、例えばミリ波レーダー等の距離センサが設けられている。
【0003】
トンネルの切羽や周面に対するコンクリートの吹付けの前後で、ノズルの三次元座標を特定するとともにノズルと吹付け面の間の距離を測定することにより、吹付け面の三次元座標が特定される。従って、吹付け面におけるコンクリートの吹付け前後の三次元座標を特定することにより、その差分から吹付け厚が特定される。
切羽や周面のそれぞれにおいて複数箇所の吹付け厚を特定しながらコンクリート吹付けを実行することにより、吹付け厚が高い精度で管理されたコンクリート吹付けを実現することができる。
【0004】
ここで、特許文献1には、トンネルの掘削面に吹付けられるコンクリート材料の厚さを管理するコンクリート吹付け厚さ管理システムが提案されている。このコンクリート吹付け厚さ管理システムは、掘削面までの距離を測定可能な距離検出器と、コンクリート材料が吹付けられている掘削面の吹付け表面に所定の情報を表示可能な表示装置と、距離検出器の検出値に基づいて表示装置を制御する制御装置とを備えている。
制御装置は、掘削面に吹付けられるコンクリート材料の目標吹付け厚さを設定し、コンクリート材料が吹付けられていない掘削面までの基準距離を距離検出器により測定し、コンクリート材料が吹付けられている掘削面の吹付表面までの表面距離を距離検出器により測定し、測定された基準距離と表面距離との差分を算出し、算出された差分と目標吹付け厚さとを比較した結果に応じて、表示装置により吹付け表面に所定の情報を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-95716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のコンクリート吹付け厚さ管理システムによれば、掘削面の吹付け前後の吹付け表面までの表面距離を距離検出器によって測定し、双方の差分を求めることにより吹付け厚さを算出することができる。しかしながら、この測定方法では、面的に広がる切羽の例えば複数点の吹付け厚さを算出して管理できる一方で、切羽の面的な吹付け厚さの管理は極めて難しく、また、ここには面的な吹付け厚さの管理手段に関する記載はない。
【0007】
本発明は、切羽に吹付けられたコンクリートの吹付け厚さを面的に管理しながら吹付け施工を行うことのできる、コンクリート吹付け機とコンクリート吹付け方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明によるコンクリート吹付け機の一態様は、
トンネルの少なくとも切羽に対してコンクリートを吹付ける、コンクリート吹付け機であって、
自走式の吹付け台車と、
前記吹付け台車に対して旋回自在に取り付けられ、自身の軸方向に伸縮自在である、ノズルブームと、該ノズルブームの先端に取り付けられていてコンクリートを吐出する、ノズルと、を備えている、ノズル機構と、
少なくとも、前記切羽における測定点の前記吹付け台車に対する相対座標を特定する、制御装置とを有し、
前記吹付け台車の前方には、3Dスキャナとカメラが装備され、
前記吹付け台車のキャビンにはモニタが装備されており、
前記モニタには、前記カメラにて撮像された前記切羽の切羽画像と、それぞれの前記測定点の周りの面領域の輪郭線とが重ねて表示され、
前記3Dスキャナにて取得された前記測定点までのコンクリートの吹付け前後の距離データに基づいて、前記制御装置にて算出されたコンクリートの吹付け厚さが、前記面領域の吹付け厚さとして表示されることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、吹付け台車の前方に3Dスキャナとカメラが装備され、吹付け台車のキャビンにモニタが装備されていて、カメラにて撮像された切羽の切羽画像と、それぞれの測定点の周りの面領域の輪郭線とが重ねて表示され、さらに、3Dスキャナにて取得された各測定点までのコンクリートの吹付け前後の距離データに基づいて算出されたコンクリートの吹付け厚さが、各面領域の吹付け厚さとして表示されることにより、吹付け台車のキャビンに搭乗するオペレータは、切羽全体の切羽画像が分割されている複数の面領域に対応した吹付け厚さを確認できることから、切羽に吹付けられたコンクリートの吹付け厚さを面的に管理しながら、吹付け施工を行うことが可能になる。
例えば、設計吹付け厚さが設定されていて、現状の吹付け厚さと設計吹付け厚さとの差分値がモニタに表示され、コンクリートの吹付けが不足している面領域に対して表示された差分値に相当するコンクリートを吹付けるようにしてもよい。
【0010】
ここで、「測定点の周りの面領域」とは、例えば、測定点を中心とした一定範囲の領域の吹付け厚さが同程度であるとの設定の下で、平面視矩形(正方形や長方形)の範囲や平面視円形の範囲等を輪郭線で規定して1つの面領域とするものである。面的に広がる切羽の切羽画像は、重ねて表示された複数の面領域の輪郭線で複数の領域に分割することができる。そして、各面領域の内部には、制御装置にて算出されている吹付け厚さが面領域全域の吹付け厚さであるとして表示される。
(【0011】以降は省略されています)

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