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公開番号
2024059067
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-30
出願番号
2023091224
出願日
2023-06-01
発明の名称
掘削機、資源回収システム、及び、潜水機
出願人
個人
代理人
個人
主分類
E21C
50/00 20060101AFI20240422BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約
【課題】輸送コストを低減することができる掘削機を提供する。
【解決手段】掘削機は、海底へ降ろされる本体と、本体の両端側に設けられた一対の掘削装置とを備え、掘削装置は、上部が本体内に回転可能に配置され、下部の周端面がレアアース泥層を掘削する掘削刃に形成された円筒体と、円筒体の外周面に形成された螺旋状のフィンと、円筒体の下部内に回転可能に配置されたカッターヘッドと、円筒体とカッターヘッドとを回転させてレアアース泥層を掘削させる回転駆動部と、レアアース泥層の掘削により得られたレアアース泥を本体内へ圧送する圧送装置とを有し、本体の内部または掘削装置の内部に、レアアース泥を本体内へ吸引する吸引装置を有し、本体の内部には、レアアース泥からレアアースを含有する粒体を分離する分離装置と、粒体をリーチング処理するリーチング処理装置と、分離装置によって粒体が分離された残渣を貯蔵する残渣貯蔵庫とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
海底へ降ろされる本体と、前記本体の両端側に設けられた一対の掘削装置と、を備え、海底泥層の下にあるレアアースを含有するレアアース泥層、または、鉱物を含有する資源層を掘削する掘削機であって、
前記掘削装置は、
上部が前記本体に回転可能に配置されるとともに、下部の周端面が前記レアアース泥層または前記資源層を掘削する掘削刃に形成され且つ前記本体の下部から下方へ突出された円筒体と、
前記円筒体の外周面に形成され且つ前記円筒体の回転によって前記円筒体を前記海底泥層内に侵入させていく螺旋状のフィンと、
前記円筒体の下部内に回転可能に配置されたカッターヘッドと、
前記円筒体の内部に設けられるとともに前記円筒体と前記カッターヘッドとを回転させて前記レアアース泥層を掘削させる回転駆動部と、
前記円筒体の内部に設けられるとともに、前記レアアース泥層または前記資源層の掘削により得られたレアアース泥または資源を前記本体内へ圧送する圧送装置と、
を有し、
前記本体の内部または前記掘削装置の内部に、前記圧送装置によって圧送されてきた前記レアアース泥または前記資源を前記本体内へ吸引する吸引装置を有し、
前記本体の内部には、
前記本体内へ吸引された前記レアアース泥または前記資源から前記レアアースまたは前記鉱物を含有する粒体を分離する分離装置と、
前記分離装置によって分離された前記粒体をリーチング処理するリーチング処理装置と、
前記分離装置によって前記粒体が分離された残渣を貯蔵する残渣貯蔵庫と、を備えていることを特徴とする掘削機。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記本体は、炭素繊維を含む強化複合材を有する強化複合層と、鉄鋼を有する鉄鋼層とを交互に複数重ねて水平方向に延びた軸線を有する円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削機。
【請求項3】
前記強化複合層はパイプを内部に含み、前記パイプ内に高圧気体又は高圧液体が充填され、
前記パイプは、前記本体の周面上に軸線方向に平行に配置され両端部で折り返されることにより、前記本体の周面全体を一本の前記パイプで覆ったことを特徴とする請求項2に記載の掘削機。
【請求項4】
海底へ降ろされる本体と、前記本体に設けられた一対の掘削装置と、を備え、海底泥層の下にあるレアアースを含有するレアアース泥層、または、鉱物を含有する資源層を掘削する掘削機であって、
前記掘削装置は、
前記本体の下部から下方へ突出された筒体と、
前記筒体の下部内に回転可能に配置されたカッターヘッドと、
を有し、
前記本体の内部には、
前記カッターヘッドによる前記レアアース泥層または前記資源層の掘削により得られたレアアース泥または資源を吸引する吸引装置と、
前記吸引装置によって吸引された前記レアアース泥または資源から前記レアアースまたは前記鉱物を含有する粒体を分離する分離装置と、
前記分離装置によって分離された前記粒体を海上へ搬送する搬送装置と、
前記分離装置によって前記粒体が分離された残渣を貯蔵する残渣貯蔵庫と、
前記筒体の下部内から排出されるセメントを貯蔵するセメント貯蔵庫と、を備えていることを特徴とする掘削機。
【請求項5】
前記本体は、水平方向に延びた軸線を有する円筒状に形成され、
前記本体の内部には、前記本体の軸線方向に並び、中空である3つの球状体をさらに備え、
前記3つの球状体のうち真ん中の第1球状体の内部には、前記吸引装置と、前記分離装置と、前記セメント貯蔵庫と、が配置され、
前記3つの球状体のうち前記第1球状体よりも前記本体の前記軸線方向の中央に近い位置に配置される第2球状体の内部には、前記分離装置が配置され、
前記3つの球状体のうち前記第1球状体よりも前記本体の前記軸線方向の中央から遠い位置に配置される第3球状体は、前記残渣貯蔵庫であることを特徴とする請求項4に記載の掘削機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の掘削機と、
洋上に設置された洋上リグと、
前記洋上リグに設けられた溶出液回収棟と、
前記掘削機の前記本体と前記洋上リグとを連結した海底パイプラインと、
を備え、
前記本体の前記リーチング処理装置で処理されたリーチング溶出液を、前記海底パイプラインを介して前記洋上リグの前記溶出液回収棟へ回収させることを特徴とする資源回収システム。
【請求項7】
本体と、前記本体の外周面に設けられ、前記本体を推進させる推進機構と、を備え、
前記本体は、炭素繊維を含む強化複合材を有する強化複合層と、鉄鋼を有する鉄鋼層とを交互に複数重ねて水平方向に延びた軸線を有する円筒状に形成されていることを特徴とする潜水機。
【請求項8】
前記本体の内部には、高圧気体又は高圧液体を収容可能なタンクと、前記タンクに接続されるポンプと、
を備え、
前記強化複合層は、パイプを内部に含み、前記本体の周面上に軸線方向に平行に配置され両端部で折り返されることにより、前記本体の周面全体が、一本の前記パイプで覆われており、
前記パイプの内部に、前記ポンプによって前記高圧気体又は前記高圧液体を循環させることを特徴とする請求項7に記載の潜水機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋資源を採鉱する技術に係り、特に、深海に存在する泥からレアアースまたは鉱物などの資源を採鉱する上で好適な海洋資源の採鉱技術に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、海洋資源として、鉱物などの資源だけでなく、深海で極めて高濃度なレアアースを含む泥が注目されている。このような泥の回収技術としては、深海まで降ろした掘削装置を用いてレアアース泥を掘り起こした後、その掘り起こしたレアアース泥を海上に引き揚げて、船上で遠心分離機にかけて固液分離処理を施して、レアアースを含む固体の分離が行われる。そして、レアアースを水又は水溶液等中に溶解させるリーチング処理等の従来公知の方法により、レアアースの回収が行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
小林誠ら著「別冊宝島2530号 大発見!南鳥島の巨大資源300兆円ビジネス」株式会社宝島社 2017年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の回収技術では、レアアースを含む泥などの海洋資源を深海から海上まで輸送する必要があるため、輸送コストが大きいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、輸送コストを低減することができる掘削機、資源回収システム、及び、潜水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明の掘削機は、海底へ降ろされる本体と、前記本体の両端側に設けられた一対の掘削装置と、を備え、海底泥層の下にあるレアアースを含有するレアアース泥層、または、鉱物を含有する資源層を掘削する掘削機であって、前記掘削装置は、上部が前記本体に回転可能に配置されるとともに、下部の周端面が前記レアアース泥層または前記資源層を掘削する掘削刃に形成され且つ前記本体の下部から下方へ突出された円筒体と、前記円筒体の外周面に形成され且つ前記円筒体の回転によって前記円筒体を前記海底泥層内に侵入させていく螺旋状のフィンと、前記円筒体の下部内に回転可能に配置されたカッターヘッドと、前記円筒体の内部に設けられるとともに前記円筒体と前記カッターヘッドとを回転させて前記レアアース泥層を掘削させる回転駆動部と、前記円筒体の内部に設けられるとともに、前記レアアース泥層または前記資源層の掘削により得られたレアアース泥または資源を前記本体内へ圧送する圧送装置と、を有し、前記本体の内部または前記掘削装置の内部に、前記圧送装置によって圧送されてきた前記レアアース泥または前記資源を前記本体内へ吸引する吸引装置を有し、前記本体の内部には、前記本体内へ吸引された前記レアアース泥または前記資源から前記レアアースまたは前記鉱物を含有する粒体を分離する分離装置と、前記分離装置によって分離された前記粒体をリーチング処理するリーチング処理装置と、前記分離装置によって前記粒体が分離された残渣を貯蔵する残渣貯蔵庫と、を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(2) 上記(1)の掘削機においては、前記本体は、炭素繊維を含む強化複合材を有する強化複合層と、鉄鋼を有する鉄鋼層とを交互に複数重ねて水平方向に延びた軸線を有する円筒状に形成されていることが好ましい。
【0008】
(3) 上記(2)の掘削機においては、前記強化複合層はパイプを内部に含み、前記パイプ内に高圧気体又は高圧液体が充填され、前記パイプは、前記本体の周面上に軸線方向に平行に配置され両端部で折り返されることにより、前記本体の周面全体を一本の前記パイプで覆ったことが好ましい。
【0009】
(4) 本発明の掘削機は、海底へ降ろされる本体と、前記本体に設けられた一対の掘削装置と、を備え、海底泥層の下にあるレアアースを含有するレアアース泥層、または、鉱物を含有する資源層を掘削する掘削機であって、前記掘削装置は、前記本体の下部から下方へ突出された筒体と、前記筒体の下部内に回転可能に配置されたカッターヘッドと、を有し、前記本体の内部には、前記カッターヘッドによる前記レアアース泥層または前記資源層の掘削により得られたレアアース泥または資源を吸引する吸引装置と、前記吸引装置によって吸引された前記レアアース泥または資源から前記レアアースまたは前記鉱物を含有する粒体を分離する分離装置と、前記分離装置によって分離された前記粒体を海上へ搬送する搬送装置と、前記分離装置によって前記粒体が分離された残渣を貯蔵する残渣貯蔵庫と、前記筒体の下部内から排出されるセメントを貯蔵するセメント貯蔵庫と、を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
(5) 上記(4)の掘削機においては、前記本体は、水平方向に延びた軸線を有する円筒状に形成され、前記本体の内部には、前記本体の軸線方向に並び、中空である3つの球状体をさらに備え、前記3つの球状体のうち真ん中の第1球状体の内部には、前記吸引装置と、前記分離装置と、前記セメント貯蔵庫と、が配置され、前記3つの球状体のうち前記第1球状体よりも前記本体の前記軸線方向の中央に近い位置に配置される第2球状体の内部には、前記分離装置が配置され、前記3つの球状体のうち前記第1球状体よりも前記本体の前記軸線方向の中央から遠い位置に配置される第3球状体は、前記残渣貯蔵庫であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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