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公開番号2024075498
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-03
出願番号2023195131
出願日2023-11-16
発明の名称覆工コンクリート打設装置
出願人株式会社フジタ
代理人個人
主分類E21D 11/10 20060101AFI20240527BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】コンクリートの打設作業および締め固め作業の効率化を図る。
【解決手段】コンクリート打設型枠22の外周面の箇所に設けた複数の圧力センサー34から取得した圧力の検出結果に基づいて打設孔46から打設されたコンクリートのトンネル10の周方向および長さ方向に沿った位置を示す位置情報を検出し、位置情報に基づいてコンクリート供給部26およびコンクリート分流機28を制御し予め定められた順番でコンクリート供給部26をコンクリート分流機28を介して次の打設孔46に順次接続していくと共に、位置情報に基づいて駆動部32を制御し打設されたコンクリートに対応するバイブレータ30を予め定められた順番で振動させていくようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トンネル内に配設され前記トンネルの周方向および長さ方向に沿って間隔をおいて複数の打設孔が形成されたコンクリート打設型枠と、
外部から供給されたコンクリートを圧送可能なコンクリート供給部と、
前記コンクリート供給部を前記複数の打設孔に個別可能に接続可能なコンクリート分流機と、
前記コンクリート打設型枠の内周面の箇所に前記トンネルの周方向および長さ方向に間隔をおいて配置され前記打設孔から打設されたコンクリートに振動を与える複数のバイブレータと、
前記複数のバイブレータを振動させる駆動部と、
を備えるトンネル内の覆工コンクリート打設装置であって、
前記コンクリート打設型枠の外周面の箇所に前記トンネルの周方向および長さ方向に間隔をおいて配置され前記打設孔から打設されたコンクリートから加わる圧力を検出する複数の圧力センサーと、
前記複数の圧力センサーから取得した前記圧力の検出結果に基づいて前記打設孔から打設されたコンクリートの前記トンネルの周方向および長さ方向に沿った位置を示す位置情報を検出する位置情報検出部と、
前記位置情報に基づいて前記コンクリート供給部および前記コンクリート分流機を制御し予め定められた順番で前記コンクリート供給部を前記コンクリート分流機を介して次の前記打設孔に順次接続していくと共に、前記位置情報に基づいて前記駆動部を制御し前記打設されたコンクリートに対応する前記バイブレータを予め定められた順番で振動させていく制御部と、
を備えることを特徴とする覆工コンクリート打設装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記位置情報検出部による前記位置情報の検出は、前記圧力の検出結果が所定の圧力しきい値以上となった前記圧力センサーの配置位置に基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記圧力の検出結果が低いほど前記コンクリート供給部から前記コンクリート分流機に圧送されるコンクリートの圧送量を増加させ、前記圧力の検出結果が高いほど前記コンクリート供給部から前記コンクリート分流機に圧送されるコンクリートの圧送量を減少させる、
ことを特徴とする請求項1記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項4】
前記コンクリート打設型枠の箇所に設けられ前記バイブレータから前記コンクリート打設型枠に加わる加速度を検出する複数の加速度センサーを備え、
前記制御部は、前記加速度の検出結果および振動時間から算出された締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて前記駆動部を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項5】
前記加速度の検出結果および振動時間から算出された締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて前記コンクリートの締め固めの完了を判定する締め固め判定部を備え、
前記制御部による前記駆動部の制御は、前記締め固め判定部の判定結果に基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項4記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項6】
前記制御部による前記駆動部の制御は、前記締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて前記駆動部の稼働時間を制御することでなされる、
ことを特徴とする請求項4記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項7】
前記複数の加速度センサーは、前記複数のバイブレータの近傍の前記コンクリート打設型枠の箇所に前記バイブレータ毎に設けられている、
ことを特徴とする請求項4記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項8】
前記複数の加速度センサーは、前記複数のバイブレータの近傍の前記コンクリート打設型枠の箇所と、隣接する2つの前記バイブレータの中間点に対応する前記コンクリート打設型枠の箇所とに設けられている、
ことを特徴とする請求項4記載の覆工コンクリート打設装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は覆工コンクリート打設装置に関する。
続きを表示(約 5,800 文字)【背景技術】
【0002】
地山が掘削されることで形成されたトンネルの内壁面に覆工コンクリートを打設する覆工コンクリート打設装置として、コンクリート打設型枠に複数設けられた窓からコンクリートをコンクリート打設型枠の外周面とトンネル内壁面との間に打設するものが知られている。
特許文献1には、このような覆工コンクリート打設装置として、コンクリート打設型枠の外周面に複数の静電容量式センサー(コンクリートセンサー)を設け、それら静電容量式センサーの検出結果に基づいて、窓の開閉、コンクリートを打設する打設管の窓からの出し入れ、コンクリート分流機と複数の打設管との接続の切り替えを制御することで、コンクリートの打設の自動化を図ったものが開示されている。
また、特許文献2には、覆工コンクリート打設装置として、コンクリート打設型枠の内周面にトンネルの周方向および長さ方向に間隔をおいて複数のバイブレータを設け、それらバイブレータを振動させることにより、コンクリート打設型枠に打設されたコンクリートの締め固めを行なうものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平7-91192号公報
特開2010-185249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前者の覆工コンクリート打設装置で使用する静電容量式センサーは、コンクリートに接触することによる静電容量の変化を検出するものであることから、静電センサーの検出面に水滴がかかったり、湿度が変化したりすると、検出が不安定になる不利があることから、打設されたコンクリートの位置情報を正確に検出して効率的にコンクリートを打設する上で改善の余地がある。
また、後者のように、コンクリート打設型枠に複数のバイブレータを設けた場合には、作業員が目視により、打設されたコンクリートの位置を特定し、作業員の操作により特定したコンクリートの箇所に対応するバイブレータを選択的に振動させてコンクリートの締め固めを行っていることから、打設されたコンクリートの締め固め作業の効率化を図る上で改善の余地がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、コンクリートの打設作業および締め固め作業の効率化を図る上で有利な覆工コンクリート打設装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、トンネル内に配設され前記トンネルの周方向および長さ方向に沿って間隔をおいて複数の打設孔が形成されたコンクリート打設型枠と、外部から供給されたコンクリートを圧送可能なコンクリート供給部と、前記コンクリート供給部を前記複数の打設孔に個別可能に接続可能なコンクリート分流機と、前記コンクリート打設型枠の内周面の箇所に前記トンネルの周方向および長さ方向に間隔をおいて配置され前記打設孔から打設されたコンクリートに振動を与える複数のバイブレータと、前記複数のバイブレータを振動させる駆動部と、を備えるトンネル内の覆工コンクリート打設装置であって、前記コンクリート打設型枠の外周面の箇所に前記トンネルの周方向および長さ方向に間隔をおいて配置され前記打設孔から打設されたコンクリートから加わる圧力を検出する複数の圧力センサーと、前記複数の圧力センサーから取得した前記圧力の検出結果に基づいて前記打設孔から打設されたコンクリートの前記トンネルの周方向および長さ方向に沿った位置を示す位置情報を検出する位置情報検出部と、前記位置情報に基づいて前記コンクリート供給部および前記コンクリート分流機を制御し予め定められた順番で前記コンクリート供給部を前記コンクリート分流機を介して次の前記打設孔に順次接続していくと共に、前記位置情報に基づいて前記駆動部を制御し前記打設されたコンクリートに対応する前記バイブレータを予め定められた順番で振動させていく制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記位置情報検出部による前記位置情報の検出は、前記圧力の検出結果が所定の圧力しきい値以上となった前記圧力センサーの配置位置に基づいてなされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記制御部は、前記圧力の検出結果が低いほど前記コンクリート供給部から前記コンクリート分流機に圧送されるコンクリートの圧送量を増加させ、前記圧力の検出結果が高いほど前記コンクリート供給部から前記コンクリート分流機に圧送されるコンクリートの圧送量を減少させることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記コンクリート打設型枠の箇所に設けられ前記バイブレータから前記コンクリート打設型枠に加わる加速度を検出する複数の加速度センサーを備え、前記制御部は、前記加速度の検出結果および振動時間から算出された締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて前記駆動部を制御することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記加速度の検出結果および振動時間から算出された締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて前記コンクリートの締め固めの完了を判定する締め固め判定部を備え、前記制御部による前記駆動部の制御は、前記締め固め判定部の判定結果に基づいてなされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記制御部による前記駆動部の制御は、前記締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて前記駆動部の稼働時間を制御することでなされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記複数の加速度センサーは、前記複数のバイブレータの近傍の前記コンクリート打設型枠の箇所に前記バイブレータ毎に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記複数の加速度センサーは、前記複数のバイブレータの近傍の前記コンクリート打設型枠の箇所と、隣接する2つの前記バイブレータの中間点に対応する前記コンクリート打設型枠の箇所とに設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、打設されたコンクリートの位置情報に基づいて的確にコンクリートを打設すると共に、打設されたコンクリートをバイブレータによって的確に締め固めることができるので、コンクリートの打設および締め固めに際して作業員を不要として省人化を図ることができコンクリートの打設作業および締め固め作業の効率化を図る上で有利となる。
また、位置情報検出部は、水滴や湿度の影響を受けない圧力センサーの検出結果に基づいてコンクリートの位置情報を検出するので、打設されたコンクリートの位置情報を正確に検出する上で有利となり、コンクリートの打設作業および締め固め作業の効率化を図る上でより有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、位置情報検出部による位置情報の検出は、圧力の検出結果が所定の圧力しきい値以上となった圧力センサーの配置位置に基づいてなされるようにしたので、打設されたコンクリートの位置情報を確実に得る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、圧力の検出結果が低いほどコンクリート供給部からコンクリート分流機に圧送されるコンクリートの圧送量を増加させ、圧力の検出結果が高いほどコンクリート供給部からコンクリート分流機に圧送されるコンクリートの圧送量を減少させるようした。
したがって、コンクリートの圧送時間の短縮を図りつつコンクリートの圧送量(打設速度や打設量)の制御を精度良く行なう上で有利となり、コンクリートの打設作業の効率化を図る上でよりいっそう有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、複数の加速度センサーの加速度の検出結果および振動時間から算出された締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて駆動部を制御するようにした。
したがって、締め固めエネルギーの累積値Etによってコンクリートの締め固め状態を把握できるため、制御部によってバイブレータの振動時間を過不足なく適切に制御でき、コンクリートの打設作業の効率化を図りつつコンクリートの締め固めの品質の向上を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、締め固めエネルギーの累積値Etに基づいてコンクリートの締め固めの完了を判定するので、その判定結果に基づいて制御部によってバイブレータの振動時間を過不足なく適切に制御でき、コンクリートの打設作業の効率化を図りつつコンクリートの締め固めの品質の向上を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、締め固めエネルギーの累積値Etに基づいて制御部により駆動部の稼働時間を制御するので、制御部によってバイブレータの振動時間を過不足なく適切に制御でき、コンクリートの打設作業の効率化を図りつつコンクリートの締め固めの品質の向上を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、複数の加速度センサーを複数のバイブレータの近傍のコンクリート打設型枠の箇所にバイブレータ毎に設けたので、バイブレータによるコンクリートの締め固めをきめ細かく把握する上で有利となり、制御部によってバイブレータの振動時間を過不足なく適切に制御でき、コンクリートの打設作業の効率化を図りつつコンクリートの締め固めの品質の向上を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、複数の加速度センサーを複数のバイブレータの近傍のコンクリート打設型枠の箇所と、隣接する2つのバイブレータの中間点に対応するコンクリート打設型枠の箇所とに設けたので、バイブレータによるコンクリートの締め固めをきめ細かく把握する上で有利となり、制御部によってバイブレータの振動時間を過不足なく適切に制御でき、コンクリートの打設作業の効率化を図りつつコンクリートの締め固めの品質の向上を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施の形態の覆工コンクリート打設装置の正面図である。
型枠本体の斜視図である。
(A)~(F)は覆工コンクリート打設装置によってコンクリートが段階的に打設される状態を説明する説明図である。
コンクリート打設型枠の内周面の展開図である。
パーソナルコンピューターおよびパーソナルコンピューターに接続された機器のブロック図である。
実施の形態の覆工コンクリート打設装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、覆工コンクリート打設装置20は、一次覆工がなされたトンネル10の内壁面12にコンクリートを打設するものである。
ここで一次覆工がなされたトンネル10の内壁面12とは、掘削された地山の壁面1202に防水シート1204を当て付け、その上にコンクリート1206を吹き付けることで形成された面である。
なお、図中符号14はトンネル10の床版を示す。
覆工コンクリート打設装置20は、コンクリート打設型枠22と、複数の打設管24と、コンクリート供給部26と、コンクリート分流機28と、複数のバイブレータ(型枠バイブレータ)30と、駆動部32と、複数の圧力センサー34と、複数の加速度センサー36と、コンピューター38とを含んで構成されている。
【0009】
コンクリート打設型枠22は、型枠本体40と、支持部材42と、走行部44とを含んで構成されている。
型枠本体40は、複数の型枠部材が組み立てられることによりトンネル10の断面形状に対応した断面形状を構成し、本実施の形態では、鋼製である。
型枠本体40は、床版14から起立し幅方向両側に位置する一対の側部4002と、それら一対の側部4002の上端を接続する上部4004とを有している。
支持部材42は、型枠本体40を支持するものであり、複数の形鋼によって門型に形成され、支持部材42の上部は足場41となっている。
走行部44は、支持部材42を介して型枠本体40をトンネル10の長さ方向に沿って移動させるものであり、走行部44は支持部材42の下部に設けられている。
走行部44は、トンネル10の長さ方向に沿って床版14に敷設されたレール16上を走行する車輪4402を含んで構成されている。
支持部材42と型枠本体40との間には、例えば油圧シリンダーからなる不図示の複数の伸縮部材が設けられ、それら複数の伸縮部材の伸縮により型枠本体40がトンネル10の径方向に拡縮される。
【0010】
図1、図2に示すように、型枠本体40には、コンクリートを打設するための複数の打設孔46が設けられている。
本実施の形態では、打設孔46は、トンネル10の周方向に間隔をおいて9個、トンネル10の長さ方向に間隔をおいて5個、合計45個の打設孔46が設けられている。
各打設孔46には、閉鎖板48が設けられている。
コンクリートの打設時には、コンピューター38からの制御信号によって動作が制御されるアクチュエータ50により閉鎖板48が打設孔46を開放する開放位置に移動され、コンクリートの打設後には、アクチュエータ50により閉鎖板48が打設孔46を閉塞する閉塞位置に移動される。
足場41は、支持部材42の上部にトンネル10の幅方向および長さ方向にわたって設けられ、作業者の足場として、また、コンクリート分流機28の設置場所として使用される。
(【0011】以降は省略されています)

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