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公開番号2024049092
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155350
出願日2022-09-28
発明の名称湧水圧測定装置および湧水圧測定方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E02D 1/02 20060101AFI20240402BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】先進ボーリングの先端部における湧水圧の長期モニタリングに要する費用および手間を低減することを可能とする湧水圧測定装置および湧水圧測定方法を提案する。
【解決手段】先端部にパッカー21が設けられた二重管ロッド2と、二重管ロッド2の基端部に取り付けられる二重管ヘッド3と、二重管ヘッド3の基端部に設けられた圧力計4を備える湧水圧測定装置である。二重管ロッド2には、二重管ヘッド3からパッカー21に至るロッド内送水流路と、パッカー21よりも先端側において開口して二重管ヘッド3に至るロッド内湧水流路が設けられている。また、二重管ヘッド3には、ロッド内送水流路に接続する逆止弁付きのヘッド内送水流路と、ロッド内湧水流路に接続するヘッド内湧水流路が設けられている。二重管ロッド2および二重管ヘッド3は、ボーリング孔Hの削孔に用いる削孔管や湧水量の測定時に用いるロッド用プリベンダー等に挿通可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
先端部にパッカーが設けられた二重管ロッドと、
前記二重管ロッドの基端部に取り付けられる二重管ヘッドと、
前記二重管ヘッドの基端部に設けられた圧力計と、を備える湧水圧測定装置であって、
前記二重管ロッドには、前記二重管ヘッドから前記パッカーに至るロッド内送水流路と、前記パッカーよりも先端側において開口して前記二重管ヘッドに至るロッド内湧水流路と、が設けられており、
前記二重管ヘッドには、前記ロッド内送水流路に接続するヘッド内送水流路と、前記ロッド内湧水流路に接続するヘッド内湧水流路と、が設けられており、
前記ロッド内送水流路には、前記ロッド内送水流路側への水の流入のみを許容する逆止弁が設けられており、
前記二重管ロッドおよび前記二重管ヘッドは、ボーリング孔の削孔に用いる削孔管およびボーリング孔の孔口に設けられるプリベンダーに挿通可能であることを特徴とする、湧水圧測定装置。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
請求項1に記載の湧水圧測定装置を利用して、湧水圧を測定する湧水圧測定方法であって、
前記削孔管を利用して前記ボーリング孔を削孔する削孔工程と、
前記二重管ロッドを前記削孔管に挿通して、前記ボーリング孔の先端部に前記パッカーを配設するパッカー配設工程と、
前記二重管ロッドの基端部に前記二重管ヘッドを取り付ける二重管ヘッド取付工程と、
前記パッカーを拡張させるパッカー拡張工程と、
前記削孔管を回収する削孔管回収工程と、
前記ボーリング孔の孔口において、前記二重管ロッドを保持するロッド固定工程と、
前記ロッド内湧水流路および前記ヘッド内湧水流路により導水された前記ボーリング孔の先端部の湧水の湧水圧を前記圧力計により測定する測定工程と、を備えていることを特徴とする、湧水圧測定方法。
【請求項3】
前記ロッド固定工程では、前記ボーリング孔の孔口に設置したプリベンダーにより前記二重管ロッドを固定し、
前記測定工程では、前記プリベンダーに設けられた第二圧力計により、前記ボーリング孔内の水圧を測定することを特徴とする、請求項2に記載の湧水圧測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル工事において湧水圧の測定に使用する湧水圧測定装置および湧水圧測定方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
トンネル工事では、切羽前方の地質や湧水区間の状況を事前に把握することが、地山の安定性確保や工事の安全管理のうえで重要である。切羽前方の地質や地下水状況(水理特性等)の探査方法として、先進ボーリング(例えば、水平調査ボーリング)を行う場合がある。
先進ボーリングにより地下水圧を測定する場合において、ボーリング孔先端の湧水区間の近傍においてパッカーを拡張することで他の区間と区切り、パッカーにより区切られた湧水区間において湧水の水圧等を測定する場合がある。
このような地下水圧測定方法として、例えば、特許文献1に開示された方法がある。特許文献1の地下水圧測定方法では、外側にアウタービット、内側にインナービットを備えた二重ビットで削孔を行った後、インナービットのみを回収して、アウタービットの内側からパッカーを挿入して測定を行う。
特許文献1の地下水圧測定方法では、長期的に湧水圧をモニタリングする場合においても、削孔管やアウタービットを残置させる必要がある。このように削孔管やアウタービットを長期間残置させると、損料がかかるとともに、孔壁崩壊によって回収できなくなるリスクもある。さらに、モニタリング終了後に削孔管やアウタービットを回収する際に、再度ボーリングマシンを設置する必要があり、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-147751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、先進ボーリングの先端部における湧水圧の長期モニタリングに要する費用および手間を低減することを可能とする湧水圧測定装置および湧水圧測定方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の湧水圧測定装置は、先端部にパッカーが周設された二重管ロッドと、前記二重管ロッドの基端部に取り付けられる二重管ヘッドと、前記二重管ヘッドの基端部に設けられた圧力計とを備えている。前記二重管ロッドには、前記二重管ヘッドから前記パッカーに至るロッド内送水流路と、前記パッカーよりも先端側において開口して前記二重管ヘッドに至るロッド内湧水流路とが設けられている。また、前記二重管ヘッドには、前記ロッド内送水流路に接続するヘッド内送水流路と、前記ロッド内湧水流路に接続するヘッド内湧水流路とが設けられている。前記ロッド内送水流路には、前記ロッド内送水流路側への水の流入のみを許容する逆止弁が設けられている。さらに、前記二重管ロッドおよび前記二重管ヘッドは、ボーリング孔の削孔に用いる削孔管およびボーリング孔の孔口に設けられるプリベンダーに挿通可能である。
また、この湧水圧測定装置を利用した本発明の湧水圧測定方法は、前記削孔管を利用して前記ボーリング孔を削孔する削孔工程と、前記二重管ロッドを前記削孔管に挿通して前記ボーリング孔の先端部に前記パッカーを配設するパッカー配設工程と、前記二重管ロッドの基端部に前記二重管ヘッドを取り付ける二重管ヘッド取付工程と、前記パッカーを拡張させるパッカー拡張工程と、前記削孔管を回収する削孔管回収工程と、前記ボーリング孔の孔口において前記二重管ロッドを保持するロッド固定工程と、前記ロッド内湧水流路および前記ヘッド内湧水流路により導水された前記ボーリング孔の先端部の湧水の湧水圧を前記圧力計により測定する測定工程とを備えている。
【0006】
かかる湧水圧測定装置および湧水圧測定方法によれば、二重管ヘッドが、削孔管やプリベンダーに挿通可能な形状であるため、湧水圧測定装置をボーリング孔に設置した状態で、削孔管やプリベンダーを回収することができる。そのため、湧水圧測定装置を利用して、長期的に湧水圧測定を行う場合であっても、削孔管等の損料を支払う必要がなく経済的である。また、湧水圧測定後に、再度ボーリングマシンを設置して削孔管を回収する手間も要しない。また、二重管ヘッドが逆止弁を有しているため、送水を停止しても、パッカー圧が維持される。
なお、前記ロッド固定工程において前記ボーリング孔の孔口に設置したプリベンダーにより前記パッカー用二重管ロッドを固定する場合には、前記測定工程において、前記プリベンダーに設けられた圧力計により前記ボーリング孔内の水圧を測定するのが望ましい。ボーリング孔内の水圧を測定すれば、パッカー圧の変化を確認できるため、パッカーが正常に機能しているか否かを確認できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の湧水圧測定装置および湧水圧測定方法によれば、先進ボーリングの先端部における湧水圧の長期モニタリングに要する費用および手間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る湧水圧測定装置を示す断面図である。
二重管ロッドの概要を示す断面図である。
二重管ヘッドを示す断面図である。
本実施形態の湧水圧測定方法を示すフローチャートである。
削孔工程の概要を示す断面図である。
パッカー配設工程の概要を示す断面図である。
二重管ヘッド取付工程の概要を示す断面図である。
パッカー拡張工程の概要を示す断面図である。
第一測定工程の概要を示す断面図である。
削孔管回収工程の概要を示す断面図である。
ロッド固定工程の概要を示す断面図である。
第二測定工程の概要を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、湧水が予想されるトンネル工事において、事前に地山Gの湧水状況を把握することを目的として、切羽前方の湧水圧を測定する湧水圧測定装置1およびこれを使用した湧水圧測定方法について説明する。本実施形態では、湧水圧測定装置1をボーリング孔Hに残置させることで湧水圧の長期的に計測する。
図1は、本実施形態の湧水圧測定装置1を示す断面図である。図1に示すように、湧水圧測定装置1は、二重管ロッド2と、二重管ヘッド3と、圧力計4とを備えている。
【0010】
図2に二重管ロッド2を示す。図2に示すように、二重管ロッド2は、外管24と外管24に内挿された内管25との二重管構造であり、先端部にパッカー21が周設されている。二重管ロッド2の先端は、パッカー21よりも突出している。外管24の内面と内管25の外面との隙間は、ロッド内送水流路22として機能する。ロッド内送水流路22(外管と内管の隙間)は、二重管ロッド2の基端において開口している。また、外管24には、パッカー21の位置に対応して通水孔241が形成されていて、ロッド内送水流路22は二重管ロッド2の先端部においてパッカー21に通じている。すなわち、ロッド内送水流路22は、二重管ロッド2の基端から供給された水をパッカー21に誘導する。なお、外管24と内管25の隙間は、二重管ロッド2に先端において蓋材26により遮蔽されている。内管25の内空部分は、ロッド内湧水流路23として機能する。内管25は、二重管ロッド2の両端において開口している。すなわち、ロッド内湧水流路23は、二重管ロッド2の先端から基端部に至るように設けられており、二重管ロッド2の先端においてボーリング孔H内に浸透した地下水を取り込んで、基端側に導水する。パッカー21は、ロッド内送水流路22を介して送水された水により拡張する。パッカー21は、拡張した際に、ボーリング孔Hの孔壁に当接する形状を有している。なお、二重管ロッド2は、ボーリング孔Hの削孔に用いる削孔管5に挿通可能である。すなわち、二重管ロッド2の外径は、削孔管5の内径よりも小さい。
(【0011】以降は省略されています)

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